いよいよ師走、12月。今年もあっという間に終わりそうです。なかなか進まない仕事や勉強を年内に片づけるため、睡眠を削り夜遅くまで頑張っている方もおられると思います。
でも、睡眠は、脳と身体をつくり変え、脳をキレイにして、思考のパフォーマンスを高めます。そしてそのためには、やはり「良い睡眠」を心がけ実行することが必要です。
9月の「相談室だより」では、質の良い眠りに就くための入眠儀式を中心にお話ししましたが、今回はいつ、どのように眠れば「良い睡眠」が得られるか、起きている時間の過ごし方も含めて幾つかのヒントをご紹介します。
☆ 午後10時~午前2時の間に眠る
睡眠には最適な時間帯があります。最近の研究で自律神経やホルモンの働き、疲労回復力は、午後10時~午前2時の間に睡眠をとることで最大限に高まることがわかっています。ですからできれば午後9時~11時頃に床に就くのが望ましいのです。早寝早起きの効用は科学的にも証明されています。
☆ 最初の90分、「ゴールデンタイム」を深くする
睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠の繰り返し、寝つくと直ぐ訪れるのが90分のノンレム睡眠。この最初のノンレム睡眠が最も深い眠りであり、この90分を深く眠れれば、睡眠リズムも整い、自律神経やホルモンも良く働き、翌日のパフォーマンスも上がります
このゴールデンタイムの90分を深めるためのお勧めは、入眠の1時間30分~2時間前の入浴。睡眠中は体内温度が低くなります。入浴すると体内温度は一時上がりますが、上がった分だけ下がる力が強まります。そして体温が低くなるまでが概ね1時間30分、この働きがスムーズな入眠とゴールデンタイムを深めることへと導きます。
☆ 朝に太陽の光をいっぱい浴びる
覚醒と睡眠は表裏一体、良い睡眠には良い覚醒が必要です。覚醒のスイッチ、それが太陽の光です。太陽の光は体温、自律神経、ホルモンなどをリズム良く働かせます。朝に太陽の光を浴びる(午前6時~8時30分の間がスイッチオンに最も効果的)ことで、一日が順調にスタートし、夜の良い睡眠にもつながります。
私は、毎日10時少し前に寝て、朝5時少し前に起きます。太陽の光を浴びる朝の時間はとても爽快です。今年も残すところ1ヵ月、効率よく仕事や勉強を仕上げて、爽やかに新年を迎えるためにも、睡眠をちょっと見直してみませんか。
【参考】ショーン・スティ―ブンソン「SLEEP」2017、西野精治「スタンフォード式最高の睡眠」2017