春4月、進学や就職、転勤などで新生活をスタートされた方も多いと思います。新生活に期待と希望で胸ふくらませる一方、不安や緊張でストレスを感じることも。今回は積極的に泣くことでストレスを解消する「涙活」をご紹介します。
映画やテレビ、本で思わず涙、その後、心がスッキリした経験はありませんか。「涙活」とは、能動的に涙を流すことで、心のデトックス(解毒)を図る活動。1週間に1回泣くことで、ストレスフリーな生活を送れるようになります。
そのメカニズム 涙と脳の関係ですが、映画などを観て強く心が揺さぶられると、脳の前頭前野の共感に関する領域が興奮します。それが起点となり、脳全体が、日中の活動時に働く交感神経の状態から、就寝時やリラックスしているときに働く副交感神経の状態に切り替わり、そして脳から涙腺に「涙を流せ」という信号が出て流涙するものと考えられています。
一般に、ストレスを感じているときは交感神経が優位な状態にあります。それが泣く状態に入ると、副交感神経優位の状態にシフトし、ストレス状態にある脳を一時的にリセットさせます。それがストレス解消につながるのです。
泣きのツボを探す 人によって泣けるツボは様々、それぞれの生育歴や環境、人生経験が影響しています。自分は泣けないとあきらめないでください。過去に自分が泣いた映画や小説、絵本などを思い出して、自分の泣けるツボを探してみましょう。きっと見つかります。
週末涙活のすすめ 「涙活」のおすすめは、土曜日の18時から自宅で泣ける映画のDVDを見ること。週末は一週間のストレスが溜まっており、翌日が休みなのでリラックスできるちょうど良い日。また、ホルモンの分泌リズムから見て、感受性が最も高まるのが19~20時頃、ちょうど映画もクライマックスの時間になり効果的ということです。
なお、涙活中はスマホの電源はオフ、部屋の照明も少し落として、お香をたくなど、くつろげる空間づくりも大事です。
最後に一言 「涙活」のほかにも様々なストレス解消法があります。ストレスの多い現代社会に生きる私たち、いろいろなストレス解消法を見つけて心穏やかに過ごしたいですね。
参考図書:有田秀穂「脳からストレスを消す技術」(サンマーク文庫)、寺井広樹「泣く技術」(PHP文庫)