さわやかな風に新緑の香り。水を張った田んぼに青空がまぶしい、心躍る季節です。
5月の晴れた空を見上げると、いつも頭の中にふと流れてくる歌があります。
♪5月の空には 5月の空には
風がとっても にあうから にあうから
風よ ふけふけ 風よ ふけふけ
ぼくもはだしでかけだそう
風よ ふけふけ 風よ ふけふけ
わたしも小鳥と飛び出そう ・・・
幼い頃に耳になじんだ「かぜよふけふけ」というこどもの歌です。
こどもが元気いっぱい緑の草原を駆けている絵が浮かんできます。
しかし、現実には、そのような子供の姿を外で見かける機会は大分減ったように感じます。
晴天の日に、お家の中で、タブレットやスマホに長時間熱中している子供が身近にいませんか?大人が率先して、スマホやタブレットを触ってはいませんか?
指一本を動かすだけでは体は成長しませんし、受け身の情報は脳を使いません。視聴者の注意を引きつけるために作られた映像は、こどもの目にも耳にも脳にも強すぎる刺激です。大人にとっても、デジタルツールの使用は、視力や体力、脳機能の低下などの健康被害は勿論のこと、コミュニケーション能力や社会性の低下を引き起こすことが問題視されています。
それでも、人間がメディアやゲームに触れる時間は、年々増加の一途をたどっています。頭でわかってはいても、メディアの世界には中毒性が生じるほどに大きな魅力が溢れており、簡単に手放すことが難しくなっているのです。
気持ちいいこの季節には、思い切ってデジタルデトックスに挑戦してみませんか?人間に必要なのは、実体験。自分の心と体を使ってリアルに経験することです。五感を通して多くの刺激が脳に送られることで、心身は発達し、本来持って生まれた「生きる力」が強化されていくのです。
さあ、5月の空の下、大人も子どもも、外に飛び出しましょう。自然の空気をたくさん胸に吸い込んで、自分の五体を動かし、五感で感じた刺激をたくさん脳に送ってあげましょう。日常の中で少しなまってしまった心と体を揺り動かすチャンスです。岩手の美しい自然は、いつでもあなたを待っていますよ。(くれぐれも感染症対策をお忘れなく)
引用 : NHKみんなのうた「かぜよふけふけ」/作詞:山元譲久/作曲:小森昭宏/1975
参考 : 「生きる力ってなんですか」編:おおたとしまさ/日経BP社/2014