青少年なやみ相談室

相談室だより

親の背中と「顔」を見せる

2021年06月01日 09時00分00秒 | vol151~160

誰にとっても、生まれ育った環境や親から受ける影響は大きなものです。

あなたは自分の親のことが好きですか。

親御さんは自分の子どもさんとどう向き合っていますか。

 

多様な価値観が許されている現代、親子関係の形も人それぞれですが、一方で、昔から変わらない親としての基本の形があります。

赤ちゃんの時は、とにかくスキンシップ。安心できる場所であること。

幼児期は、ほめて自信をつけてあげること。

小学生は、基本的な生活スキルや、善悪の判断をしっかりとしつけること。

思春期は、少し離れて見守りながらも、時々真剣にぶつかり稽古をしてあげること。

高校生からは、干渉しすぎないこと。

 

ここにあげたものは、親の仕事のほんの一部にすぎませんが、どの年齢の親子にも共通する一番大事なことは、親と子どもがしっかりと「向き合う」ということです。

 

「理解ある親でいたい」

「傷つかないよう守ってあげたい」

「ほめて伸ばすのが一番」

「いつかはわかる日が来る」

「親の背中を見せればよい」

このような言葉は、時に、必要なぶつかりあいから逃げる、魔法の言葉になってしまうことがあります。

 

相手と、真剣に向き合うことを、ついつい先延ばしにしてはいませんか。

大切なことは、相手の目を見てはっきり言葉で言わなければ伝わりません。

「顔向けできない」と言う言葉があるように、顔と顔を向き合わせる場面は、うそや隠し事が通用しない場です。「親の背中を見せる」ということは、「親の顔をしっかり見せる」ことよりも、実は楽な場合もあるのですね。

親の生き様を表す「背中」と、しっかり向き合ってくれる親の「顔」を、両方を見せていくことで、親として、人間として、豊かに育っていきたいものです。

参考文献:『子ども家庭支援の心理学』アイ・コーポレーション、安藤朗子、2019


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