誰にとっても、生まれ育った環境や親から受ける影響は大きなものです。
あなたは自分の親のことが好きですか。
親御さんは自分の子どもさんとどう向き合っていますか。
多様な価値観が許されている現代、親子関係の形も人それぞれですが、一方で、昔から変わらない親としての基本の形があります。
赤ちゃんの時は、とにかくスキンシップ。安心できる場所であること。
幼児期は、ほめて自信をつけてあげること。
小学生は、基本的な生活スキルや、善悪の判断をしっかりとしつけること。
思春期は、少し離れて見守りながらも、時々真剣にぶつかり稽古をしてあげること。
高校生からは、干渉しすぎないこと。
ここにあげたものは、親の仕事のほんの一部にすぎませんが、どの年齢の親子にも共通する一番大事なことは、親と子どもがしっかりと「向き合う」ということです。
「理解ある親でいたい」
「傷つかないよう守ってあげたい」
「ほめて伸ばすのが一番」
「いつかはわかる日が来る」
「親の背中を見せればよい」
このような言葉は、時に、必要なぶつかりあいから逃げる、魔法の言葉になってしまうことがあります。
相手と、真剣に向き合うことを、ついつい先延ばしにしてはいませんか。
大切なことは、相手の目を見てはっきり言葉で言わなければ伝わりません。
「顔向けできない」と言う言葉があるように、顔と顔を向き合わせる場面は、うそや隠し事が通用しない場です。「親の背中を見せる」ということは、「親の顔をしっかり見せる」ことよりも、実は楽な場合もあるのですね。
親の生き様を表す「背中」と、しっかり向き合ってくれる親の「顔」を、両方を見せていくことで、親として、人間として、豊かに育っていきたいものです。
参考文献:『子ども家庭支援の心理学』アイ・コーポレーション、安藤朗子、2019