青少年なやみ相談室

相談室だより

和顔

2023年12月01日 09時00分00秒 | vol.181~190

 今年も残すところあとわずかとなり、なぜかせわしさを感じる今日頃ごろです。そんな日々を過ごしているところに一通の手紙が届きました。内容は、お世話になった和尚さんに礼状を送ったことに対しての、返礼の手紙でした。その手紙には※御朱印(ごしゅいん)が同封されていて、そこには「和顔」と書かれていました。

 「和顔」の読み方は「わがん」または「わげん」、そして「和顔愛語(わがんあいご・わげんあいご)」のように四字熟語で使われることが多いようです。「和顔愛語」は仏教用語で、「和顔」はなごやかで柔らかい表情、「愛語」は親愛のこもった言葉のことを意味していて、「和顔愛語」は笑顔で愛情のこもった言葉で話すことのようです。この「和顔愛語」を心がけることは、心を乱さず平常心を保つコツでもあるそうです。

 イライラした時や嫌なことがあった時、つらい時など人は心の内が表情に出やすいものです。私も考え事をしてついつい暗い表情になったり、カッカして眉間にしわがより語気が強くなることもあります。そんな負の感情や行動は周りに伝染するもので、一人のイライラのせいで、それまで良かった雰囲気が一機に悪くなることもあります。そんな時こそ「和顔愛語」が実践できるといいですね。

 年の瀬を言い訳に、忙しさに心を奪われそうになっていた時に届いた御朱印「和顔」。常に笑顔で愛情のこもった言葉で話すことは、とても難しいことですが、残り少ない今年を「和顔愛語」で過ごし、穏やかな気持ちで新年を迎えたいと思います。

 皆様も、どうぞよいお年をお迎えください。

 

※御朱印…神社やお寺を参拝した「参拝証明」として押印される印章印影のこと。神仏とのご縁の記録。

 

 

<参考>

四字熟語辞典オンライン

ニッポン放送NEWS ONLINE 

   (いずれも参照は2023‐11—24)

辻本敬順(2008)『くらしの仏教語豆事典』本願寺出版社


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする