遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

土瓶割

2020-06-06 15:47:45 | 日記

令和2年6月6日(土)

土瓶割 : 尺取り虫の異名

尺取虫は、シャクガ科の幼虫の総称で

身体が細く歩くときは頭と尾で調子を合わせ、

屈伸する格好があたかも指で尺を取るのに似

ている。これが「尺取り虫」の語源である。

休む時は二対の腹脚で枝葉に掴まり一直線と

なり、小枝や葉と区別がつかな様に擬態を示す。

その静止している姿が、正に枝にソックリで、

其処へ土瓶を掛けようとして、土瓶を割って

しまった程で、そこから「土瓶割」の異名が

付いたとのこと。

 

俳人の夏井いつきさんの「絶滅寸前季語辞典」

に「土瓶割」の記述が面白く、紹介したい。

「尺取虫」はシャクガ科の幼虫。それが何で

「土瓶割」なのだ? あの細い体でどうやって

土瓶が割れるのじゃと! さっきのさっきまで

心中ごたくを述べていた私は、未熟者であった。

大歳時記の記述を読んで、そのバカバカしさに

力が抜けてしまった。何処の誰が何のために、

枝に土瓶を掛けねばならんのじゃ!親父ギャグ

みたいなネーミングはやめろッ、 責任者出て

こーイ、、」 

(夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典 より)

土瓶蒸し

 

俳人の名句

責任もなけれど土瓶割歩く    夏井 いつき