令和2年6月6日(土)
土瓶割 : 尺取り虫の異名
尺取虫は、シャクガ科の幼虫の総称で
身体が細く歩くときは頭と尾で調子を合わせ、
屈伸する格好があたかも指で尺を取るのに似
ている。これが「尺取り虫」の語源である。
休む時は二対の腹脚で枝葉に掴まり一直線と
なり、小枝や葉と区別がつかな様に擬態を示す。
その静止している姿が、正に枝にソックリで、
其処へ土瓶を掛けようとして、土瓶を割って
しまった程で、そこから「土瓶割」の異名が
付いたとのこと。
俳人の夏井いつきさんの「絶滅寸前季語辞典」
に「土瓶割」の記述が面白く、紹介したい。
「尺取虫」はシャクガ科の幼虫。それが何で
「土瓶割」なのだ? あの細い体でどうやって
土瓶が割れるのじゃと! さっきのさっきまで
心中ごたくを述べていた私は、未熟者であった。
大歳時記の記述を読んで、そのバカバカしさに
力が抜けてしまった。何処の誰が何のために、
枝に土瓶を掛けねばならんのじゃ!親父ギャグ
みたいなネーミングはやめろッ、 責任者出て
こーイ、、」
(夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典 より)
土瓶蒸し
俳人の名句
責任もなけれど土瓶割歩く 夏井 いつき