令和2年11月14日(土)
落 葉 : 落葉掻き
樹々の葉の散る姿は仲秋の頃から見られる様になるが
何といっても数多くの落ち葉が降るのは、冬に入って
からである。
青空に風で舞ってゆく風情、風もなく真直ぐに降りし
きる様など、どれも冬の到来を感じさせて身が引き締
まる。 木から離れて地上に落ちる迄の物も、地上に
落ちているものも全て落葉というが、それらのどの
様相にも詩情が感じられる。
地上の葉を見てもそこに様々な木の種類を見る事が
出来るので、桜落葉、朴落葉、柿落葉等という事も
ある。 地上に積もったばかりの落葉は踏むと快い
音を立て少し朽ち始めた落葉はしっとりとした風情
がある。
地上に落ちてもう動きのなくなった落葉の中には、
散って間もない落葉も混じっていて、その一片一片
が時々風に反ったりして動いているのも、見過ごし
難い。
「落葉風」は落ち葉を誘う風、「落葉雨」は落ち葉
の降る様を雨に例えたもの。
地上の落葉を箒や熊手などで掻き集めて「落葉焚」
(今では焚火は禁止の所が多い)をしたり、堆肥に
したりする。 ともあれ冬という季節にあっては、
落葉はなくてはならない景物である。
(新日本大歳時記、冬 俳人:鷲谷七菜子記述より)
今日の1句
ひきりなし風を従へ落葉降る ヤギ爺