令和5年2月10日(金)
木の芽 : 山椒の芽

春に芽吹く木の芽は葉芽と花芽、それに両者が混在した芽
があり、一括して木の芽という。

「きのめ」ともいうが雅語的な美しい響きの「このめ」が
好んで用いられる。
樹木が千差万別であるとおり、木の芽も発芽の時期、色、
形状も様々にある。殊に雑木林が芽吹きの時期には緑あり
萌黄色あり、黄色あり、紅色ありと、、更に各々に濃い色
薄い色と彩々で美しい。
木の芽が萌え出ることを「木の芽張る」といい、その多く
は「春」にかけていう。
「木の芽味噌」「木の芽田楽」「木の芽和え」は、山椒の
芽に味噌、砂糖等を擦り混ぜた物。

木の芽田楽、

木の芽和え、

煮物に、
「木の芽漬け」は通草(あけび)や山椒等の若芽を塩漬け
や醤油煮にしたものをいう。
「木の芽月」とは木の芽の出る月の意で、陰暦2月の総称。
木の芽冷」は、木の芽の吹く頃の冷えこみをいう。

「きのめ」といえば、古くから香辛料として利用されて来
た「山椒の芽」をいう場合が多い様である。
山椒は、北海道から九州まで自生するミカン科の落葉低木
の木の芽で、人家でも栽培されている。

枝に鋭い棘がある。葉は油点があり強く香る。
若芽は「木の芽」と称されて、香味料として色々な料理に
使われている。
山椒の古名は、「椒」(はじかみ)といい、芳しい・辛味
という意味があり、胡椒や唐辛子もこれに入る。
古来日本人が春の風物として最も愛でるものが「柳芽」。

秋の紅葉を代表する「楓」は、芽吹きが早く柔らかで小さ
な葉も愛される。
木の芽はその香と辛味成分から様々な料理に使われ、日本
中国、韓国等で多く利用されている。

山椒の実、

カホクサンショウ(中国の四川料理に)、
今日の1句
鳥たちの日向ぽつぽつ木の芽時 ヤギ爺