令和5年2月14日(火)
歌詠鳥 : 鶯の副題
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鶯は、スズメ目ヒタキ科の漂鳥
春告鳥の名があるように春を告げる、日本人に最も親しまれ
また古来から詩歌にも詠まれている代表的な春の鳴禽である。
雀ほどの大きさで暗緑褐色いわゆる鶯色で、下面は白色。
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その鳴き声は地鳴の「笹鳴き」(冬季)に始まり、梅の咲く
頃「ホーホケキョ」の第一声を「初音」と称して珍重する。
また巣の縄張り近くに現れた外敵を警戒をして、ケキョケキ
ョケキョ」と何度も繰り返すのが「鶯の谷渡り」という。
春を過ぎると「老鶯」(夏季)となり、繁殖のために山へ。
繁殖を過ぎ地鳴に戻るのを「鶯音を入る」(夏季)という。
「ホーホケキョ」を「法法華経」と聞き做(な)して「経
読鳥」ともいう。
他に「春告鳥」「匂鳥」「春鳥」「歌詠鳥」などの異名が
多く、それだけ昔から日本人に愛されてきた鳥といえる。
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よく「梅に鶯」と言われるが、その多くは「梅にメジロ」
が多い様である。
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ウグイスとメジロの違い、、
俳人、夏井いつきさんの著書「絶滅寸前季語辞典」に「歌
詠鳥」の記述がある。
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【 歌詠鳥:うぐいすの副題。
古来、詩歌に多く詠まれてきた鳥であることからの命名か。
或いは歌を詠むごとくに鳴くという鳴き声に対するネーミ
ングか、 そこのところはよく判らないが、いずれにしろ
これだけ沢山の季語バリエーションがある鳥は「鶯」以外
にないだろう。 冬の間は「笹鳴」と愛でてもらい、春先
に聞こえてくる第一声は「初音」と大喜びされ、夏になっ
たらなったで「老鶯」と慈しんでもらえるのだからシアワ
セな鳥だ。
同じ副題でも「春告鳥」「花見鳥」は季節の気分が伝わっ
てくるし、「経読鳥」はホーホケキョと法華経の語呂合わ
せだろうと想像はつくが、「黄粉鳥」なんて呼び名がある
のに驚いた。なんで餅に付ける黄粉と一緒にされなくては
いけないのかと。鶯に代って憤ってやりたくなる。
それにしても「歌詠鳥」と「黄粉鳥」が同じものを指して
いるなんて発想が大胆。このギャップのあるネーミングを
面白がってるのが俳人の習性である、自分こそがこのギャ
ップを詠み分けてみせようなんて思うのがカナシクも俗な
俳人根性である。】
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俳人の名句
さしのべて歌詠鳥の山河かな
黄粉鳥とはワタクシのことですか 夏井いつき
(夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典 より引用した)