遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

ぶらんこ

2020-04-25 16:26:01 | 日記

令和2年4月25日(土)

ぶらんこ : 鞦韆(しゅうせん)

ゆさわり、ふらここ、ぶらんこ、時代と伴に

名称が変わってきている。

鞦韆ともいわれ、中国北方民族のものが中国

へ伝わり、呼び継がれた名だという。

ポルトガル語のブランコ、英語のバランスや

スイング等が同等の意味である。

最近特に公園で遊ぶ姿が多く見られる。

冬から解放され、子供達が春風に乗って髪を

なびかせて漕ぐ姿は、躍動感がある。

日本へは、古くは平安時代の嵯峨天皇の詩に

詠まれ、平安中期の「和名類聚抄」という

辞書にも記述が残されている。

江戸時代になり「ブランコ」呼ばれる様に

なった。

座板を支柱や樹木から、紐や鎖等で水平に

吊るした遊具が一般的だが、その種類には

「起ち式」「座り式」「揺り籠式」に加え、

「タイヤブランコ」「箱ブランコ」「変形

遊動円木」や遊園地等にある「ウエーブ・

スイング」等がある。

起ち式

座式

タイヤブランコ

箱ブランコ

変形遊動円木

ウエーブ・スイング(遊園地)

 

俳人の名句

鞦韆の花にうもれて見ゆるかな     原 石鼎

ぶらんこ:橋本明治、荘園(目黒雅叙園美術館)より

 


しだれ柳

2020-04-24 16:27:50 | 日記

令和2年4月24日(金)

柳 : 枝垂れ柳、青柳

ヤナギ科ヤナギ属の植物の総称

落葉高木、低木。雌雄異株、高さ5~10m

枝垂(糸)柳、絹柳、遠柳、川柳、行李柳

等がある。

花は尾状花序をなし、花後に無数の綿毛を

持った種子を飛散する。

庭木、街路樹として植栽され水辺に多く生ずる。

木材は器具および薪炭の材料とする。

 

所要で、実家の在った納屋橋へ出かける。

名駅から錦通りを進み「柳橋中央市場」の脇を

抜けると、柳橋の交差点に出る。

ここは高校生の頃、柳橋から日比野市場迄を

市電に乗り、バスに乗換て通った起点である。

柳橋交差点付近は名古屋の中心部で人も車も

多かった、、、、。

新型コロナウイルスの影響か、車は多いが

人通りは疎らである。

此処から広小路通りを東へ進むが、商店は

締まり閑散としている。

納屋橋の橋の袂で立ち止まり、、、、、

堀川を覗いてみるが、船(遊覧船)もなく

水面に時々、ヤナギの葉が流れ落ち行く。

この辺りは両側に柳の並木が在り、以前は

広小路通りをそぞろ歩く人で賑わった。

以前の納屋橋、

 

歩く人もなく、風に揺れる柳に小さな鳥

(メジロの様)が柳の葉に確り止まり、揺れ

に任せて、楽しんでいる様で、、、、、

 

今日の1句

風に鳥枝垂れ柳にしがみ付く    ヤギ爺


蝶 々

2020-04-23 15:59:06 | 日記

令和2年4月23日(木)

蝶 々 : 紋白蝶、紋黄蝶

蝶、蛾と共に鱗翅目の昆虫の総称

蝶といえば季語は「春」、他の季節に現れる

蝶は、それぞれの季節を示して区別する。

但し揚羽蝶は「夏」の季語に含まれる。

日本国内には土着種として、約240種類が

確認されている。

春、最初に姿を見せるのは紋白蝶、紋黄蝶

次いで、条黒白蝶が見られ、5月になると

揚羽蝶が華麗な姿を見せる。

蝶は、二対の大きな翅、二本触角、二個の

大きな複眼、螺旋状に巻いた長い口吻が

目立つ。

蝶は、しばしば美しいものの代名詞とされ

る様に、翅は鱗粉と鱗毛による紋様が見事

で、色彩も鮮やかである。

ことに南方の国々に生息する種は原色が多い。

 

先週、歯の治療をした後の経過を見て貰う

為に、診療所へ出かけた。

少し早めに家を出て、小学校の辺りを散歩

した。

この辺りにも人影は、殆ど見当たらず、、

たった一人、同年の方とすれ違う、、、、

防止にマスク、手に杖を持ちゆっくりと

歩かれる。私も杖はつかぬが同類である。

軽く会釈して、、、小学校を見渡すと、、

何時もなら、校庭に子供達の元気な声が

するのだが、、、、、、、気配はない。

 

花壇の辺りに、紋白蝶が風に煽られる様

に、ふわりふわりと漂っている、、、、

誰にも邪魔される事もなく、行ったり、

来たり、、、、とても長閑だ。

ここには、「コロナ」は無い、、、、、

 

今日の1句

嘿の中ふはりふはりの紋白蝶    ヤギ爺


春惜しむ

2020-04-22 16:25:30 | 日記

令和2年4月22日(水)

春惜しむ : 惜 春

ステイ・ホーム

 

仲春から晩春へ、、華やかな、たけなはの春が続

く中で「ああ、もう春も過ぎ去ろうとしている」

と、行く春の愛惜の念が込められる。

過ぎ行く春を惜しむ、一種の哀愁の漂う季語。

行く春、暮れの春と大差はないが、詠嘆的な心が

言葉自体に強くこもっている。

今年の春は、何もせぬ儘ただひたすらに「コロナ

騒ぎ」に巻き込まれ、日本が、世界が混乱した。

日本では2月3日に、クルーズ船「ダイアモンド

プリンセス号」が横浜港に入港以来、「新型コロ

ナ・ウイルス感染」の脅威にさらされた。

2月末、安倍総理の突然の「全国の学校閉鎖」が

発令され、生徒は基より学校関係者、保護者と

それに関わる各自治体、事業関係者等が大混乱と

なった。学校のあらゆる行事の省略、中止、延期

等々、、オリンピックを始めとする各種スポーツ

の延期、中止、無観客試合、、映画、演劇、芸能

等、また各種イベントの中止等々、、、、

更に7都府県に出された「緊急事態宣言」に追随

して、他の道府県でも「非常事態宣言」が発表

され、外出自粛、店舗等の営業自粛要請が出され

他の都府県への移動の自粛も要請される、、、、

それに対して、やれマスクだ休業補償等と政府

へ要望し、、、日本中が騒然とする中、、、、

本当に春が終わりへ、、、、

お花見もせぬ間に、桜は散り果て、それでも木々

も草も緑が潤う季節がやって来る、、、、、、

子供達もそうだが、我々(お爺、御婆)も何の

楽しみもない間に、春は終わりを次げる、、、、

名古屋港には人影もなく、、、、

 

今日の1句

自粛風遊ぶ間も無く春惜しむ     ヤギ爺


鰊群来

2020-04-21 16:20:02 | 日記

令和2年4月21日(火)

鰊 : 鰊群来(にしんくき)、鰊曇

ニシン目ニソン科の代表的な回遊魚

全長30cm程、背部は青暗色、腹部は白色。

産卵期に北海道西の沿岸に大群で押し寄せる。

これを「鰊群来」と言う。

鰊が産卵のために押し寄せ、鰊の精液で辺り

一面の海面が白濁し波立つ現象をいう。

かっては、シーズンに三度ほど在ったと言われ

るが、近年では漁獲量が激減している。

かっての鰊漁、、、

 

最盛期には、漁獲量が100万トンあったと

言われているが、現在では4千トン位を推移

している。

網元達が隆盛を誇って居た頃、財を成し競う

様に木造の「鰊御殿」を建てて居たが、現在で

は、その殆どが解体された。

北海道厚別区に在る「北海道開拓村」の旧青山

家の住宅の他、道内に10数戸残存している。

「鰊曇」とは、北海道近海に鰊が回遊してくる

頃の曇り空をいう。

食用としての鰊、

全盛期の頃には、魚やの店頭には多くの鰊が並ん

でいたが、今では正月に欠かせない「数の子」位

で他に「鰊蕎麦」くらいしか思いつかないが、

食用としては、塩焼き、煮しめ、フライ、マリネ、

昆布巻き等々、、新鮮なものなら刺身がある、、

食通で知られる北大路魯山人は、自身の著書の

「魯山人の味道」の中で、「鰊の煮たもの、焼い

たものは、さほどでもないが、乾物を水で戻した

ものを上手く調理すると美味しくなる」述べた。

この乾物が「身欠き鰊」である。

身欠き鰊は、内臓を取り、身を真っ二つに下ろし、

乾したものをいう。この様に鰊を二つに割ること

から「二身」➡「にしん」と呼ばれる様になった。

「鰊」の事を読むうち、ふとカミさんに

「最近、ニシンを余り食べなくなった、、、」

カミさん、買物に出掛けた折りに「鰊が在った

から買って来た、、、」と甘露煮を取り出す。

早速、昼に蕎麦を茹でて甘露煮をレンジでチン、

「ウン、少し甘いけど立派な鰊蕎麦だ、、、」

 

今日の1句

ひたすらに巣籠りの中鰊喰ふ     ヤギ爺