遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

朧月夜

2021-02-13 15:55:23 | 日記

令和3年2月13日(土)

朧月夜 : 月 朧

朧に霞んだ春の月、薄絹でも垂れたような柔らかな

甘い霞んだ感じである。 朧夜は、その月の在る夜。

春のぼんやり霞んだ月の夜。名残の寒さと生暖かい

陽気を、綯い交ぜたにした季語。

 

中日春秋より、

2月12日は作家、司馬遼太郎さんの命日「菜の花忌」

著作の「菜の花の沖」にちなみ、名付けられた。

今朝(2月13日)の中日新聞のコラム「中日春秋」に

作家司馬遼太郎さんと半藤一利さんの「朧月夜のエピソ

ード」の記述があったので紹介したい。

『菜の花畠に入日薄れ―。唱歌「朧月夜」を歌う声に、

司馬遼太郎さんは「それ、何の歌だ」と尋ねたそうだ。

菜の花が大好きな司馬さんのためにと、歌ったのは作家

半藤一利さんである。小学校に通う代りに図書館に入り

浸った所為で、有名な唱歌を知らなかったとは、長い付

き合いの半藤さんの見立てだ。人がコーヒーを一杯飲む

間に司馬さんは、300ページほどの本を三冊読み終え

ていた。

唱歌の話に片りんが見える「神がかった」読書量と力、

取材や知識への熱意の人であったそうだ。

「資料を「読んで読んで読み尽くして、その後に一滴

二滴出る透明な滴を書くのです。」という言葉とともに

半藤さんが書き残している。

司馬さんが亡くなり二十五年経った。12日は命日「菜

の花忌」である。「半藤君、俺たちは相当責任がある。

こんな国を残して子孫に顔向け出来るか」。

没する一年前に語ったという。憂えていたのは、ひたすら

金儲けに走り、金儲けに操られる様な社会だった。

「足るを知る」の心が大切になると、世に語りかけようと

していた。憂いは過去のものになっていないだろう。

災害、経済の混乱、疫病の流行、、、、、。

司馬さんなら何を語るかと思う事も多い、四半世紀である。

憂いを伴にし、後を継ぐように昭和を書いてきた半藤さん

も他界した。著作の中に残された滴に、声を探したくなる

菜の花忌」である。』 (中日春秋より記事を引用した)

 

今日の1句

どのみちも混沌として朧月     ヤギ爺

みち(道、路、径)

道 : 道路等、物事の方法、道すじ

路 : 経路等、行き方、手段

径 : 直径等、真直ぐ伸びた道


蕗の薹

2021-02-12 16:38:11 | 日記

令和3年2月12日(金)

蕗の薹 

蕗はキク科の多年草で、山野の其処ここに自生する。

辺りが未だ浅き雪の間、土手などに萌黄色の花茎を

擡げる。 

これが蕗の薹で大きな苞に包まれ、さながら早春の

妖精を思わせる風姿である。

花の開かぬうちに摘み取った蕗の薹は、蕗味噌や、

吸い物、天婦羅などにして色香、ほろ苦さを賞味する。

 

名古屋近郊の東谷山フルーツパークでは、この時期に

蕗の薹が見られる。

東谷山の蕗の薹、

 

春闌ける頃に、盛りを過ぎた蕗の薹は30cmほどに

伸び、「蕗のじい」「蕗のしゅうとめ」等と呼ばれる。

これは、花茎が伸びすぎて固くなり、食の時期を過ぎ

てしまったものを、人間の「爺」「姑」(しゅうとめ)

に例えて、年を取り盛りを過ぎた事を揶揄したもの。

蕗の爺

 

 

蕗の姑

※遊民ヤギ爺ブログ:「蕗のじい、蕗のしゅうとめ」

 (令和2年3月13日記述)を参照下さい。

 

今日の1句

早晨の未だ夢心地蕗の薹    ヤギ爺

(早晨:そうしん、朝の早いこと)


建国記念日

2021-02-11 16:10:07 | 日記

令和3年2月11日」(木)

建国記念日 : 紀元節、建国祭

今日2月11日は、建国記念の日

第二次世界大戦で日本が敗れるまでは「紀元節」

といって、神武天皇の即位の日とされる日を、

陽暦に換算したもので在ったが、昭和23年に廃止

される。

昭和41年、「建国記念日」として政令で定められ

翌年(昭和42年)から国民の祝日となった。

毎年この日は、日本全国各地の神社等で「建国祭」

が執り行われ、地元の熱田神宮等でも毎年多くの

参拝者が訪れ、催事を見守った。

今年は新型コロナウイルスの影響で、祭礼は省略

され、神事のみが実施された。

 

奈良、橿原神宮・紀元祭案内

 

海外では「建国の日」は「独立記念日」として祝う

国が多い様である。

アメリカ : 独立記念戦勝の日(1776年7月4日)

フランス : 仏革命記念日・巴里祭(1789年7月14日)

カナダ : 独立記念日(1867年7月1日)

中国 : 国慶節(1949年10月1日~7日)

ドイツ : 東西独統一の日(1990年10月3日)

イタリア : 共和国記念日(1946年6月9日)

ロシア : 主権宣言記念日(1990年6月12日)

 1917年ロシア革命後のソビエト連邦は1991年8月の

 クーデター後、ソビエト社会主義共和国を脱退し独立して、

 多くの国が独立した。 ウクライナ、ウズベキスタン、カザフ

 グルジョア、アゼルバイジャン、リトアニア、モルダビ、

 ラトビア、キルギス、タジク、アルメニア、トルクメイン、

 エストニア

イギリスは、今なお多くの英連邦共和国からなり、独立した

多くの国々を含め61もの共和国があり、記念日は不明。

(ヤギ爺の勉強不足に付き、ご勘弁を、、、)

 

祝日の朝、街は人も車も少なく閑散としている。

どのお宅にも、学校や役所にも国旗は見られず、

行き交う人は殆どなく、水族館への出足も、、、

埠頭公園の小高い丘、人魚像が静かな海を眺め、

今日も一日、何気なく穏やかである。

紛争も暴動もなく、これが平和なのかも、、、、

 

今日の1句

何気なく静かな一日建国日    ヤギ爺


ユリカモメ

2021-02-10 16:38:13 | 日記

令和3年2月10日(水)

ユリカモメ : 都 鳥

ユリカモメは鷗の一種、小型で体長約40cm

冬鳥として日本へ飛来し、本州南で越冬する。

嘴と脚が赤く、身体全体は白っぽい。

春に日本を離れる頃には、羽根の色は黒っぽくなる。

ユーラシア大陸北部で繁殖し、晩秋に日本に渡来する。

和歌に詠まれる墨田川の都鳥はこの百合鷗をいう。

実際、都鳥は体色は白いが頭部や羽根色は黒く、嘴と

脚は赤い。

都鳥

 

亦、ウミネコも鷗の一種であるが、翼や背は蒼灰色で

尾羽に黒い帯がある。全身は白色で、鳴き声が猫に似

て居り、「海猫」といわれる。

ウミネコ

 

体長は大きく、45~50cm程ある。

太平洋の北西部に分布し、日本では日本海側の小島や

岩礁等に集まり繁殖している。

青森県の蕪島、山形県の飛島、島根県の経島等では、

天然記念物に指定されている。

 

今年は寒さが厳しい所為か、名古屋港に飛来している

ユリカモメは、未だ飛び立つ気配がない。

名古屋港の埠頭に集まるユリカモメは凡そ100羽程

が、日当たりの岸壁に群れている。

私が近付いても逃げもせず、逆に餌を求めて近寄って

くる。 そう言えば、毎朝餌を撒いていた方が見当た

らず、私を間違えたのかもしれない。

コロナ過の中、港を訪れる人もなく、、、、、

昨年から、「鳥インフルエンザ」が日本列島に大流行

し、日本各地に被害が広がっている。

17道県、47ヵ所で殺処分された鶏は935万羽に

及ぶ。 

致死率の高い「高病原性のウイルス・H5N8型」が、

各所で検出されている。これは10道県の河川、湖畔

等にいる野鳥の糞からも、同じウイルスが見つかって

居る。 この先、渡り鳥の移動の季節に入り、列島の

各地へ立ち寄る可能性もあり、厳重な警戒が必要との

提言がなされた。

鳥インフルエンザに苦慮する、、、、、

 

我々は、渡り鳥の姿を目にして季節の移ろいを感じて

いるが、養鶏業者の方々は、それどころではない様で

ある。コロナといい、心配のタネは尽きぬ様である。

 

今日の1句

コロナ過に埠頭を占拠ゆりかもめ    ヤギ爺


万 作

2021-02-09 16:15:51 | 日記

令和3年2月9日(火)

万 作 : 金縷梅

マンサク科の落葉小高木で高さは3~6m

2~3月頃に葉に先駆けて咲く。

花には萼と雄蕊および仮雄蕊が4個ずつあり、雌蕊は

2本の花柱を持つ。萼は赤褐色又は緑色で円い。

花弁は黄色で1.5cm程の細長い紐状になる。

万作は山野に自生し、早春、葉に先立って黄色い線状

の捻じれた四弁花が枝一杯に咲く。

早春の山野に「先ず咲く」ことが訛って「マンサク」と

いわれる。亦、枝枝に咲き満ことから「豊年満作」から

「マンサク」という説もある。

野の趣が在り、花季が早いので季節感を重んじる「茶花」

として活ける事も多い。

蒴果(さくか)は卵状球形で、成熟後に乾燥することで、

二つに裂け、光沢のある黒い種子をはじき飛ばす。

万作の実

 

「金縷梅」は、中国原産の別の種類であるが季語的には

万作とみなしている様だ。

亦、北米原産の「アメリカンマンサク」は、万作に似て

いるが、花は秋に咲く。樹皮のエキスは化粧水に使用。

アメリカンマンサク

ご近所にも、万作の花が彼方此方に見られる様になった。

折からの春疾風に、金色のよじれた糸の様な花が風と遊

んでいる。 茶髪の若者の頭を直ぐ思い浮かべ、、、、

 

今日の1句

万作のほつれ縺れる疾風中    ヤギ爺