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 京都・奈良を中心に古刹・名刹や「花の詩」等の紹介。花や風景写真、オリジナルの詩、カラオケ歌唱など掲載しています。

映画「PERFECT DAYS」で目に涙

2024年12月23日 17時29分18秒 | 日常のこと&写真
Amazonプライムで「PERFECT DAYS」を観た。
ドイツの巨匠ウィム・ヴェンダースが、世界的な建築家やクリエイターによって改修された東京・渋谷の公共トイレを舞台に描く人間ドラマ。
 主人公であるトイレ清掃員の平山役を役所広司が演じ、第76回カンヌ国際映画祭で日本人俳優として2人目となる男優賞を受賞した。共演に、新人の中野有紗のほか、柄本時生、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和らが出演しているがほんのワンシーンだけ。
 渋谷でトイレ清掃員として働く寡黙な平山(役所広司)は、静かに淡々とした日々を生きていた。同じ時間に目覚め、同じよう決まった身支度をし日々変わらぬパターンで規則正しく几帳面に働いた。だけど同じことの繰り返しに見えるものの同じ日は1日たりとてなく、日々新たなりの生きをしている。その静かで穏やかな生き方は如何にも楚々として律儀に美しくみえる。
 朝の仕事を終えて昼食休憩で座るベンチにそそぐ木漏れ日を愛おしく見つめ毎日カメラに収め、昨日とは違う木々の様子を楽しんでいる。そんな男の日々に思いがけない出来事がおきる。
 ある日、なじみのスナックで見かける男(三浦友和)と出会い、自分の過去を垣間見、寂しさ、悲しみ、そして楽しかった日々などが走馬燈のごとく脳裡を巡り涙ぐみ微笑む・・・。このシーンが役所広司の真骨頂、表情を見ていて自分自身の過ぎてきた悲喜こもごもを思い出し涙が目に滲んだ。
 実に退屈なシーンが続き「これがカンヌで最優秀男優賞をとった映画か」という思いで見ていたが、その退屈で淡々とした暮らしの中に次第に引き込まれていく自分が居た。若者にはつまらない映画かもしれないが、我々世代の人間にはその単調さがむしろ胸に迫るものがある。


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