「古都逍遥 京都・奈良編」「花の詩」「日常のこと」や花や風景写真

 京都・奈良を中心に古刹・名刹や「花の詩」等の紹介。花や風景写真、オリジナルの詩、カラオケ歌唱など掲載しています。

14日の土竜打ちの思い出

2025年01月14日 18時51分22秒 | 日常のこと&写真
七草粥も過ぎ、しめ縄、松飾を外しそれらを焼いて天に奉ずる「どんと焼き」が14日から15日に各地で行われる。この14日に「もぐら打ち」という子供たちの行事が農家を中心に行われる。私の子供時代のことだったが、その行事がいまだに行われているというのでうれしくなった。農家では野菜の根を荒らす「土竜(もぐら)」というのは嫌われ者。それを追い払う行事が1月14日にある。
 私たちのころはこんな歌を歌いながら地べたを叩くのだ。
「本年正月14日のモグラ打ちモグラ打ち、モグラ打って祝いましょ。鶴は千年 亀は万年 お前の父(とう)さん万万年、モグラ打っていわいましょ お前の母さん臆万年 めでたいなぁ めでたいなぁ モグラ打って祝いましょ」
 長い竹の竿の先に藁を巻き、縄で縛りつけたモグラ叩き竿でパターンパターンと子供たちが一斉に叩きつける。冬眠しているモグラが驚いて退散するという謂われがある。
 各地で歌の文句が異なり、土地の方言で歌っている。
 私が住んでいた地域は三菱鉱山の広大な社宅で、丘の頂に所長宅や副所長宅、そして部課長宅が40棟ほどあり、丘を下がると係長や主任、そして平社員と続き、丘を囲むように鉱員長屋が密集する。
 私たちの住んでいた丘の上の一帯は転勤族だったことから、ほとんどの世帯で標準語が使われていた。そんなところから「モグラ打ち」の歌い文句も標準語が使われていた。そして私の受け持ち地区はその40棟ほどを縄張りとされていた。
 各家を訪ね周りモグラ打ちをすると、お菓子やお餅、そしてお金がお礼としてもらえるというので正月のお年玉の次にお小遣いが稼げるのだ。一人10円以下と主婦会で取り決めされているのでそれ以上もらえることはなかったが、まだキャラメルが「銭」の単位で円ではなかったので、10円は嬉しいお小遣いだ。それが40軒ほどだから400円となり、今でいうと子供のお小遣いとしては大金だった。
 父の肩をもんで10円のお駄賃で喜んでいた時代なのだが、それでも多いと云えば多いお駄賃。
 あの当時の佐賀県多久市の三菱鉱山(現三菱マテリアル)は閉山となり跡形もない。わが中学校も取り壊されて無くなった。



           現在も行われている土竜打ちの


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 成人式はたちの集い祝賀太鼓演奏 | トップ |   
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日常のこと&写真」カテゴリの最新記事