県民手帳を買うのを忘れていた それをようやく買った
記入する程大事な用事があるわけではないが
年末までには毎年買っていたのに うっかり忘れていた
それだけ必要性もないのだから やめようかとも思ったが
それでもあれば便利かと 買うことにした
その事を話すと 妻は家計簿を買うのを忘れていた
やはり必要性も薄れていたのか
どうせなるようにしかならないという境地なのか
ついでだからと私が書店に行った 家計簿はあったが 手帳はなかった
男ひとりで家計簿だけ買うのが何となく気がひけた
照れ隠しに店員に どうでもいいことを聞いた
「白百合の家計簿の種類は他にはないですよね」
頼まれて買いに来たことを無意識にアピールした
店員も心得ていた「これだけです大丈夫ですよ」
家計簿を使うのは私ではないと わかっている という素振りをしてくれた
小銭の計算する男に見られたくないという 些細な見栄を張ってしまった私
お釣りの50円を受け取ったかどうか気になっていることは 誰も知らない