「島田大橋を渡って一つ目の信号機を左折 神社の角を左折そのまま横を進む
突き当りを右に進むと屋根が見える」 といったらしいが すっかり忘れた
覚えていた道順は神社まで 店の名前も忘れた その店を探した
確かこの辺りと人家の辺りを一軒ずつ確めるように探したがない
訪ねたくても 雨は降り 人の気配もない 同じ道も何回か行ったり来たりした
ようやく見つけたその場所は茶畑のずーっと奥の一軒家 「遊庵」
看板はなかった 駐車場にはニワトリが放し飼いにしてある
「本日14時からコンサート」の張り紙がある リハーサル中か楽器の音が鳴り響いていた
「藍染の衣類を販売しているが 食事もできる」 それも忘れて食事だけを記憶していた
藍染は女性用だけだった いきなり食事をたのむと しばらく考え 人数を聞いてきた
「出来るけどしばらく待って」とのことで了解した
カウンター席に座ろうとすると「忙(せわ)しないから衣類を見ていて」 「はい」
常連らしき上品な若いおばさんたちが 店の手伝いをしたり客になったりしていた
女性客が多く寄る店で男の客は珍しいのかもしれない しばらくして食事が出来た
常連さんたちは手弁当で遊びに来ているらしく 食事は私たちだけだった
お客が来た コンビ弁当を持って隣の部屋に入った 奏者仲間だった 音が止んだ
常連さんは大声で喋っている 「わたしらダンナと一緒に出かけるとすぐ喧嘩になるだよ」
こちらに向かって「女の会話はこんなもんだよ」 「口ゃぁ悪いが腹ぁええだよ」といっている
「ここに来て日頃のうっぷんを晴らして 家ではおとなしいか」と聞いた
「そうでもないダニ」 焼津弁が帰ってきた
食事はこれ1種類だけ 他の物はない 営業も週末だけ 個性あふれる店だった
食事が終わりデザートも頂き満腹になった 「おはぎとマメ大福とどっちがいい」と聞いてきた
思わず「マメ大福と」言っていた 食べたら入った
帰り際には上がり端に座って 「またいらっしゃってください」 また寄りたくなった駐車場にはニワトリが
ここが入り口
玄関
藍染衣類のほかにも器や小物も並んでいる
食事は選べない
デザートもおいしい
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