清泉亮(せいせんとおる)著「誰も教えてくれない田舎暮らしの教科書」
田舎でのんびり暮らしたい人のための本
移住者呼び込みたさの美辞麗句を前に
誰も教えてくれなかったことを知る教科書でもある
読めば移住をやめたくなるかもしれないが
何とかなるだろうと安易に移住するより知っていたほうが良い
地域選び 物件探し お金 人間関係 などで失敗しないための対策
本当にそのようなことがあるだろうかと思うようなことも載っている
例えば 田舎の贈答文化は手づくりの返礼は評価されない
いかにカネを使ってもらったかというわかりやすさが自尊心を満足させる
財をなくしたかどうかが罵詈雑言を浴びせられるか尊敬されるかの分水嶺
自分より持てるものには弱く 持たざる者には強い
よそ者の孫の話は集落における生意気な自慢話でしかない
地元民は頻繁に孫の話をするが地元民同士だから許される
集落では移住者のすべてを知りたがるが訊ねられたことには答えなくてはならない
しかしそれ以上のことを話すと自慢話に転じるその微妙な見極めが難しい
永住したいといってもよくは思われない 俺たちが築き上げてきた城に
ずかずか上がり込んできて図々しいくらいに思っている
地方の人間は都会の人間を尊敬していないし快く思っていない
褒められても崇められてもそれが決して本心ではない
生誕の小さな集落に住み続けている私も納得する内容が多い本だった