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沖縄進撃作戦にも込めた『映画はやくざなり』

2013年10月17日 | 読書

朝日新聞・土曜版の“映画の旅人「仁義なき戦い」”で紹介されていた脚本家・笠原和夫の遺作集である。映画盛衰の中、やくざ映画がどうして生まれてきたのか、俳優・監督らとの交友・確執、秘話などの<わが「やくざ映画」人生>、そして<秘伝 シナリオ骨法十箇条>の脚本作法も興味深く読める。だが、何より<未映画化シナリオ 沖縄進撃作戦>が凄い。戦後の沖縄を舞台に遊人(あしばー)と呼ばれる沖縄のやくざと占領軍や本土やくざとの闘い、内部抗争がすさまじく描かれる。当時の社会・経済情勢、本土人(やまとんちゅ)からの差別、本土復帰運動、米軍基地化など、今につながるテーマがこれでもかと盛り込まれている。挿入のニュース・フィルムやナレーション・字幕の効果もあって想像ふくらむが、やはり映画として観てみたいものだ。せめて、終わりに流される哀感漂う沖縄民謡「白骨(しらくち)節」を聴いてみよう。