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半信半疑の『どうせ死ぬなら「がん」がいい』

2013年10月24日 | 読書

異色な医師ふたりの対談。著書『患者よ、がんと闘うな』で有名な近藤誠氏、もう一人も『大往生したけりゃ医療とかかわるな』を書いている中村医師。今の日本で二人にひとりが患者になり、三人にひとりが亡くなるという悪名高い病気の「がん」。ならないことを願い、そうなった時は最良の治療を受けようと、がん保険に入っている人も多いのではないか。<治療しなければ、がんはけっこうな病気><がんが痛むのではない。治療で痛む><がんの9割に抗がん剤は無意味>など最初から刺激的だ。確かに抗がん剤の副作用や放射線治療など体を痛めつけているのは分かる。「潜在がん」や「がんもどき」は昔だったら自然死・老衰死と言うのもうなづける。ただ、<病院に寄りつかない人は確実に長生き><検診は受けない、自分の血圧も知らない>は、どうだろう。身近な風邪薬の服用含め医療全体までも否定しているのだろうか。<胃がんも肝臓がんも放置すればラクに死ねる><手遅れの幸せ。安らかな自然死>など、要は個人の死生観につながる話と思える。理解度が足りないかもしれないので、近藤医師の『がん放置療法のすすめ―患者150人の証言』を読んでみよう。そして、対極にいるがん治療推進の立場の医師との対論をぜひ読みたいものだ。