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重く残る、この叫び『僕の父は母を殺した』

2013年10月28日 | 読書

衝撃的なタイトルである。事件当時、著者は小学生で事故死と信じていた。父と2人で暮らしたその2年後に別の殺人とともに母親も殺害していたことが発覚。死刑判決の父に対して<この手で殺してやりたい>までの怒り、憎しみの激しい感情が<生きて罪を償って欲しい>に変わっていく。以前にテレビのドキュメント番組で観たこともあるが、著者の思いや壮絶な経験が重苦しく綴られる。<被害者遺族が望まない加害者の死刑がある><生きて罪を償って欲しい>などは少数だがこれまでも聞いたこともあるし、終身刑を導入すべきとの意見もある。加えての<被害者遺族であると同時に、加害者の息子でもある>著者の投げかけは、大変難しいテーマだが考えさせる。巻末に掲載されている死刑確定とした最高裁の判決文にも(残された唯一の親である父親までを奪わないでほしい、との訴えは誠に重い。しかし・・・)とある。

                                   

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