晴耕雨読、山

菜園・読書・山・写真…雑記

百名山達成も、来年へ引き継ぐ大反省

2014年12月31日 | 

2014年も残り数時間。昨日の朝日新聞「天声人語」には<ゆく年を見送ってたたずむ思いと、くる年を迎えに先急ぎする気持ちが混じり合う><喜怒哀楽を積み上げた1年を・・・>の一文があった。毎年、生きていれば多少の喜怒哀楽。だが、それで終わらなかった今年の出来事が3月の日帰り登山での遭難。頂上を踏んだあとの下山路、登りのときとは別ルートで雪道に踏み跡を見失い、さまよううちに夕刻。山中ビバークを決め、翌朝行動の下山ルートを確認するため警察へ連絡を取った。それが県防災ヘリの飛来、警察・消防二手に分かれての救助という事態に。日没のためヘリによる吊り上げは無かったが、飲料・食料・ビバーク用資材の投下、夜10時の警察山岳救助隊の到着と同行で翌2時過ぎの無事下山。消防も含め救助活動いただいた関係者への感謝とともに、多大の迷惑をかけたことは忘れられない。これがなければ北アルプスの骨折は下山後に判明したことでもあり、7月の山形・大朝日岳で百名山を達成した万々歳の年。“遭難”は絶対避けなければならない。勘では無く「地図読み」、時間かかっても「迷ったら元に戻る」、この言葉を頭に叩き込んで来年へ。

 


”けんかつ”知識の森で「更級日記を読む」

2014年12月31日 | 読書

“六十の手習い”ではないが埼玉県民活動センターの古典文学講座の受講。今年も「徒然草を読む(Ⅲ)」から始まって「方丈記を読む」、「更級日記を読む(前期)」まで、あっという間に終わってしまった。「芭蕉『おくのほそ道』を読む」以来の3年目だが、何しろ川上講師から渡される豊富な資料と多方面の話に魅了されてきた。先日の最終回も講座のサブタイトルどおり「時代を生きる姫君のものがたり」としてたっぷりの深読み。作者の姉が亡くなり、その乳母が笹原の墓を尋ねて行く場面(鎮魂歌)では、野辺送りという送葬についての話。関連して斉藤茂吉の歌集『赤光』や当時の人々の現世・他界観を知るすべとして2冊の本『死者たちの中世』(勝田至・著)『死者のゆくえ』(佐藤弘夫・著)の紹介。(山の井のしずく)の10首の歌は現代訳<恋の歌・裏読み版>とともに、人生をかけていた青春の物語という解説。そして孝標女のその心境に重なる今の二人の歌人の作品<「観覧車回れよ回れ 想ひ出は 君には一日 我には一生」(栗木京子・作)「たとへば ガサッと落ち葉 すくふやうに私をさらって 行ってはくれぬか」(河野裕子・作)>。年明けから始まる後期、入り込んだ知識の森は広く、深くて当分抜けられそうにもない。