北志賀の翌朝4時半、カヤの平高原に向かう。志賀高原の北隣、標高1,400~1,700mに広がる高原は早朝、朝霧が湧く。そこに朝日が射し込む幻想的なシーンを何かで見たことがある。出発が少し遅れ、5時の日の出には間に合わないが何とかなるだろう。木島平村に入り、くねくね曲がる暗い清水平林道は予想外に広い舗装路なので助かる。40分ほどで霧が立ち込めるキャンプ場案内所前に。持参のパンとコーヒーで朝食取りながら待つが陽の出る気配はない。諦め、雨具を着込んでその後に予定していたブナの森と北ドブ湿原へ。ロッジ先の高山植物の花畑で少し寄り道、緩やかに登る遊歩道を進む。目に入ってきたのは周囲に広がるブナの大原生林。白い樹皮に茂る緑の葉、霧がベールのように流れ込んで足が何度も止まる。「日本一美しいブナ林」と言うのも誇張ではないような気がする。ゆっくり森を歩き、静寂な湿原でのひとときは人にも熊にも出会うことは無く、贅沢に過ごせた。狙っていた風景は次回に、常設のテントで星を眺めながらの一夜も良いかもしれない。戻った頃、そこかしこでキャンプした人たちの朝食の煙と賑やかな会話が楽しく目に映った。
森の中へ
広がるブナ林
森の大魔神
前日の蝶に再会
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