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写真のセイダカアワダチソウは、我が家の前の空き地から撮ったものですが、確か昨年は咲いていなかったような気がします。空き地となっているこの宅地造成地、家が建たないまま秋になるとススキの原になり、そして今秋あたりからはセイタカアワダチソウが侵入しつつあります。この悪名高き花、秋の麒麟草にも似てなかなか美しいと思うのですが、あまり声だかには言えない気もします。もともとはアメリカからの帰化植物で、その旺盛な繁殖力で日本の空き地を占拠してしまったことが嫌われるひとつなのかも知れません。また、花粉がアレルギーの元凶のようにも言われているし(実際には虫に花粉を運ばせる虫媒花なので花粉症の元ではないらしいのですが)、さらに地下茎に毒を持ってそれが周りの植生を枯らし自らは繁殖していくという、これがまた、こうも嫌われてしまう理由なのでしょう。とは言ってもすっかり日本で市民権を持ってしまったセイタカアワダチソウ。日本の秋には欠かせない風景でもあります。なんとか共生を図っていきたいものと友好的なことをいっていますが、来秋、我が家の前は一面のセイタカアワダチソウの野原に化してしまっているのではと考えるとやはり複雑な気持ちになるのも確かです。
その形・香りも悪くないし、私もセイタカアワダチソウ擁護派です。
この花が秋の空地に目立ち始めた頃、“見つけたら引っこ抜きましょう”と呼びかける投書が新聞の声欄に載り、なんとなく怖い感じがしました。
また10年前には、セアカゴケグモ騒ぎがあり、その時にも下水溝に殺虫剤を投入するという乱暴な手段が執られました。この国は異端に見えるものに対して不寛容な社会です。
セイタカアワダチソウが好む(はびこる)のは、線路際の狭い空地です。
蒲田でも若干見られますが、少し郊外に出ると一気に隆盛になります。
同じような風景は何処にでもあるでしょうが、私の記憶にあるのは内房線沿いです。
君津を過ぎて大貫・富津へ進むと内房線は単線となり、人家もまばらで線路際にセイタカアワダチソウが目立つようになります。きっと人々の敵意が希薄になるからでしょう。
単線で狭まった路線の両側に文字どうり背高アワダチソウが群生しており、鈍行列車はその中を掻き分けて進むようでした。 その濃黄色が眼底に浸み込み、眼を閉じても暫くは消えない感じで、気分の良い車窓からの眺めでした。