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菊の花の色は遠い子供の頃の思い出。それは幼い頃着ていたセーターの色。昔、冬になると決まって母の手編みのセーターを着ていました。それは単純なメリヤス編みのカーディガンで、私の成長とともに毎年編みなおしていたように思います。袖口とか、裾が少しずつ違った色で編み足されていました。そして決まってカーディガンの前を止めていたのがまぁるい黄色いボタン。多分母は、編み物の本を見なくても作れる同じデザインのセーターを毎年子供の丈に合わせて作っていたのでしょう。大人になってから、秋になって小菊が咲き出すと、どうしても黄色いボタンのカーディガンを懐かしく思い出してしまいます。もう編んだことも忘れてしまっている母は、今年93歳で健在。久しぶりに手編みのセーターの話をしてみようかと思いました。
先日、義母が亡くなりました。女優の森光子さんと同じ歳というのが口癖でした。
そういえば昔、主人の家族が住んでいた庭にも菊の花が咲いていました。
そして懐かしいのは、母の妹が機械で編んでくれた襟付きで小さなボンボンのついたセーターです。小学校の高学年の冬の写真には、繰り返し写っています。さぞかしお気に入りだったのでしょう。夏に白内障の手術をした叔母を思い出し気がかりです。今年の年賀状には、忘れていたセーターのことどんなに喜んで着たかなど思い出なども添えようと思いました。