表にかりん、裏にかしがあれば、金を借りる事無くドンドン貯まる、
という話を聞き、門に花梨を植えて二十年・・・・・。
『立派な花梨だねえ、花梨酒を作りたいのでわけて欲しいんだけど』
ワンコの散歩をしていると、七十ぐらいの男性が、けっパコ(軽の箱バン)
から降りてきた。
毎日、この前を通って田原から奥に通っているのだが、家人を見かけたら、
頼みたいと思っていた、頼みついでに、接ぎ木がしたいので
春先に芽も貰いたいと言う。
「もう、殆ど落ちちゃったけど、それでもよかったら、好きなだけ
持ってっとくれん・・」
それではと、大きなのを4個ほど選んで、頭を下げ下げ帰っていった。
毎年、なっては落ち、なっては落ちしているだけなので、気にも
していなかったが、そう言われてみると、今年はへこき虫にも
吸われず、大きく立派なような気がしてきた。
匂いも良いし、一番大きなのを二つ玄関に置くことにした。
・・裏には三十センチ以上の樫があるが、何故かお金は貯まらない。