信州諏訪発気まぐれ親父のブログ

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モロッコ、彼女たちの朝

2021-10-05 10:28:35 | 映画

     地中海に面するモロッコはカサブランカの旧市街。夫を亡くし、ひとり娘を抱えるアブラは、ひっそり

     と小さなパン屋を営んでいた。ある日、彼女は、街を彷徨う臨月の若い女性サミアを助け、家に招き入れる

     サミアは美容師だが、イスラム社会では婚外出産は罪になるため、職を解かれ住まいも失い路頭に迷って

     いたのだ。器用なサミアは、パン作りを手伝い、むずかしい紐状のパン作りをアブラに教え、2人は次第に

     心を通わせて信頼関係を築いてゆく。前向きでセンスの良いサミアのおかげで、店は以前より活気づき

     長い間心を閉ざしていたアブラも笑顔を見せるようになる。

     やがてサミアは出産する。しかしすでに養子に出す決心をしていた彼女は、母乳をあげるのをためらい

     赤ん坊を抱くことすらしなかった

     モロッコの暮らしや文化が、おそらくあまり脚色なく描かれているところが、ディープな旅行に行った

     ような気分にさせてくれます。日本とは全く異なる風景、暮らし、治安、宗教など、現地の方が撮影され

     た映画だからこそ、より生のモロッコを感じることができる映画だと思います。

     ストーリーは、もう少し主人公の背景を掘り下げて欲しかったところです。

     女性2人の過去の経緯を多くは語らず、そのたたずまいと表情で、観るものに彼女たちの人生を想像させる

     淡い光と静かなトーンが心地よい、繊細で優しい秀作でした。

     圧巻は赤ちゃんが生まれてからのサミアの葛藤の演技で、こうやって女は母になっていくんだろうなあ

     と思いました。          

   そして作品の中に出て来たモロッコの伝統の「ルジザ」紐状の特殊なパン、凄い食べて見たい!!☆☆☆★