1785年の今日( 1月4日)は、ヤーコプ・グリム(独:文献学者,『グリム童話』収集,グリム兄弟の兄)の誕生日。[1859年9月20日歿]
グリム童話は、父フィリップ・グリム、母ドロテアとの間に生まれた9人の子供の長男ヤーコブ(Jacob Ludwig Carl Grimm )と次男ヴィルヘルムによって1812年に出版された。幼年時代は裕福な家庭であったが、父親が44歳のとき肺炎で急になくなると、一家は貧困のどん底に。11歳だった長男ヤーコブに家長の責務が重くのしかかるが、仲のよかった次男ヴィルヘルムとともに、大変な努力で苦難を乗り切り、勉学に励み2人とも大学教授にまでなった。
「グリム童話」は、アンデルセンが独自で創作した「アンデルセン童話」のようなものと異なり、グリム兄弟が、ドイツの民話を集め編集したもので、この童話は、聞いた話しなどをできるだけそのままの形で「子供と家庭の童話」にのせたもので、話しの特徴は、最終的には「悪は滅び、善が幸福を得る」というものである。
普通「童話」というと、子供に読み聞かせるもので、明るく楽しいメルヘンというイメージがあり、確かに、現在、幼児教育の場の多くで読み語られているグリム童話はその通りである。しかし、本当のグリム童話(初版物)は、そうではなく、話には不思議な結末で、「死」や残酷な場面も多くあり、同業者や批評家たちから「母親がこれらの物語を無垢な子供に読み聞かせられるか?」と批判されたという。その為であろう、その後、グリム兄弟は版を重ねるたびに童話集に相当手を加え、7版まで発行されている。今、子供たちに読み聞かせているのはこの7版のものであるという。
グリム兄弟の手書きの原稿は長いこと見つからなかったが、19世紀末にエルザスのエーレンベルク修道院で発見され、グリム兄弟の聞いたままの話を知ることができるようになった。怖く、残酷な童話が多いのは、人々がそれだけ貧しく、苦しかった時代にいたからであり、グリム兄弟、特にヤーコプは口で伝えられたもの、歴史的なものを大切にし、勝手に改作、変更することを嫌がったようだが、ヴィルヘルムが、口伝えを文章にするのに、文を変えたり言い回しや表現を変えたりしたという。それも、彼等の当時の生活環境からすれば、同業者や批評家たちからの批判を避け、本を売るためには仕方のなかったことかもしれない。
因みに「鏡よ 鏡 この国で誰が一番きれい?」・・「白雪姫」では、毒りんごを食べ倒れた白雪姫は、王子様が現れた後生き返り、結婚して、めでたしめでたしとなるが実は原作・初版物では、この後があるのであり、白雪姫は3度殺され生き返る。そして、最後には王子と白雪姫の婚礼に母が呼ばれ、その席で母は真っ赤に焼けた鉄の靴をはかされて、死んで倒れるまで踊り続けさせられるのである。しかも、毒りんごを食べさせたのは継母ではなく実母である。なんと、残酷な物語か。
また、「シンデレラ」のもとの物語は、「灰かぶり」であるが、この物語では、誰でもが知っている有名なシンデレラのように、魔法使いやかぼちゃの馬車、ガラスの靴などは出て来ない。灰かぶりに素敵なドレスや、馬車が与えられたのは魔法使いのおかげではなく、灰かぶりの母がなくなる前に「願い事があったら揺すりなさい」と言った木をゆすると願いがかなったのである。靴もガラスではなく、金の靴である。
このように、初版物と今、多くのひとに知られているもの(第7版)のものとは、ずいぶん違う。今、グリム童話の初版物のいろいろな本が発刊されている。以下参考のHPでも、初版物のストーリーが紹介がされているので知っている物語とどれくらい違うか比べてみると面白いよ・・・。
(画像は、グリム童話・ビデオ・アニメ名作シリーズ「グリム名作童話集」)
参考:
グリム童話について
初版物の童話が読めます。
http://densyo.hp.infoseek.co.jp/douwa.htm
GRIMM兄弟および『子供と家庭の童話』
http://www.gakushuin.ac.jp/univ/let/germ/deutsche/landeskunde02/grimm/grimm.htm
グリム童話は、父フィリップ・グリム、母ドロテアとの間に生まれた9人の子供の長男ヤーコブ(Jacob Ludwig Carl Grimm )と次男ヴィルヘルムによって1812年に出版された。幼年時代は裕福な家庭であったが、父親が44歳のとき肺炎で急になくなると、一家は貧困のどん底に。11歳だった長男ヤーコブに家長の責務が重くのしかかるが、仲のよかった次男ヴィルヘルムとともに、大変な努力で苦難を乗り切り、勉学に励み2人とも大学教授にまでなった。
「グリム童話」は、アンデルセンが独自で創作した「アンデルセン童話」のようなものと異なり、グリム兄弟が、ドイツの民話を集め編集したもので、この童話は、聞いた話しなどをできるだけそのままの形で「子供と家庭の童話」にのせたもので、話しの特徴は、最終的には「悪は滅び、善が幸福を得る」というものである。
普通「童話」というと、子供に読み聞かせるもので、明るく楽しいメルヘンというイメージがあり、確かに、現在、幼児教育の場の多くで読み語られているグリム童話はその通りである。しかし、本当のグリム童話(初版物)は、そうではなく、話には不思議な結末で、「死」や残酷な場面も多くあり、同業者や批評家たちから「母親がこれらの物語を無垢な子供に読み聞かせられるか?」と批判されたという。その為であろう、その後、グリム兄弟は版を重ねるたびに童話集に相当手を加え、7版まで発行されている。今、子供たちに読み聞かせているのはこの7版のものであるという。
グリム兄弟の手書きの原稿は長いこと見つからなかったが、19世紀末にエルザスのエーレンベルク修道院で発見され、グリム兄弟の聞いたままの話を知ることができるようになった。怖く、残酷な童話が多いのは、人々がそれだけ貧しく、苦しかった時代にいたからであり、グリム兄弟、特にヤーコプは口で伝えられたもの、歴史的なものを大切にし、勝手に改作、変更することを嫌がったようだが、ヴィルヘルムが、口伝えを文章にするのに、文を変えたり言い回しや表現を変えたりしたという。それも、彼等の当時の生活環境からすれば、同業者や批評家たちからの批判を避け、本を売るためには仕方のなかったことかもしれない。
因みに「鏡よ 鏡 この国で誰が一番きれい?」・・「白雪姫」では、毒りんごを食べ倒れた白雪姫は、王子様が現れた後生き返り、結婚して、めでたしめでたしとなるが実は原作・初版物では、この後があるのであり、白雪姫は3度殺され生き返る。そして、最後には王子と白雪姫の婚礼に母が呼ばれ、その席で母は真っ赤に焼けた鉄の靴をはかされて、死んで倒れるまで踊り続けさせられるのである。しかも、毒りんごを食べさせたのは継母ではなく実母である。なんと、残酷な物語か。
また、「シンデレラ」のもとの物語は、「灰かぶり」であるが、この物語では、誰でもが知っている有名なシンデレラのように、魔法使いやかぼちゃの馬車、ガラスの靴などは出て来ない。灰かぶりに素敵なドレスや、馬車が与えられたのは魔法使いのおかげではなく、灰かぶりの母がなくなる前に「願い事があったら揺すりなさい」と言った木をゆすると願いがかなったのである。靴もガラスではなく、金の靴である。
このように、初版物と今、多くのひとに知られているもの(第7版)のものとは、ずいぶん違う。今、グリム童話の初版物のいろいろな本が発刊されている。以下参考のHPでも、初版物のストーリーが紹介がされているので知っている物語とどれくらい違うか比べてみると面白いよ・・・。
(画像は、グリム童話・ビデオ・アニメ名作シリーズ「グリム名作童話集」)
参考:
グリム童話について
初版物の童話が読めます。
http://densyo.hp.infoseek.co.jp/douwa.htm
GRIMM兄弟および『子供と家庭の童話』
http://www.gakushuin.ac.jp/univ/let/germ/deutsche/landeskunde02/grimm/grimm.htm