今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

入江たか子の忌日

2005-01-12 | 人物
今日(1月12日)は、入江たか子(映画女優)の忌日。
1911(明治44)年2月7日東京生まれ。貴族院議員の東坊城徳長子爵の三女で、本名は東坊城英子。無声映画時代にトップスターとして活躍。トーキー映画の時代になり人気は落ちたが、戦後「化け猫映画」に主演し、「化け猫女優」として再び人気を博した。長女は女優の入江若葉。1995(平成7)年1月12日没。<83歳>
公卿の家柄で父は子爵。気品ある美貌。欧米女優にひけを取らぬ抜群のプロポーション。愁いの漂う顔なのに全体の印象は非常にモダンであるなど映画女優としての全ての条件が整っった戦前・無声映画時代を代表するスターであったといわれるが、トーキー映画の時代に入り、華族特有の彼女の甘ったるい台詞回しが仇になり、人気にかげりが出始める。その後もさまざまな作品に出演、落ち目となったが、戦後の50年代以降には一転して怪談ものに主演(「怪猫有馬御殿」「怪談佐賀屋敷」1953年など)し、“化け猫女優”の評判をとるが、往年のファンを嘆かせたといわれる。
私にとっては、戦前の華やかなりし頃の彼女の出演作品を見ていない為よく知らないので、入江たか子といえば、「化け猫映画」の、“化け猫女優”であった。しかし、戦前はヒロインとして確固たる地位を築いていたといわれる彼女の気品と風格は見てとれた。その彼女が、化け猫に転じるや、するどい眼光で相手を睨み、猫じゃらしの踊りをさせる姿に、身震いしたものである。
1958(昭和33)年に、溝口健二監督の「楊貴妃」に出演のとき、「それは猫の芝居だ」と罵倒され、映画界を去ったともいわれているが、1962(昭和37)年、黒澤明に請われての「椿三十郎」に出演。この映画で、捕らえられ監禁されていた城代家老の夫人(入江たか子)を演じ、娘役の千鳥(団令子)と共に椿三十郎に救出される。夫人のおっとりした態度に椿三十郎はイライラするが、夫人は「あなたは、少しギラギラし過ぎます。抜き身みたいに・・・本当にいい刀は鞘に入っているもんですよ」 などと説教をする場面があるが、かっての大スターならではのおおらかさを見せ付けた。その後、1983(昭和58)年には、大林宣彦監督の「時をかける少女」にも上原謙と夫婦役で出演し話題を呼んだ。また、大林宣彦監督は、入江たか子とその娘、入江若葉を主役に起用したTVドラマ「麗猫伝説」を撮っている。これは、彼女が主演した化け猫映画へのオマージュに満ちた作品でもある。かっての味のある名優がだんだんと少なくなってきて、映画ファンとしては寂しいですね~。
(画像はDVD怪談佐賀屋敷)
参考:
芸能この日何の日
http://www.hochi.co.jp/html/whatday/what/01/0112.htm
入江たか子 出演映画
http://www.jmdb.ne.jp/person/p0319590.htm
怪談佐賀屋敷、1953・大映京都 監督:荒川良平
その頃、家老の豊前は、丹後守の側室に自分の妹お豊(入江たか子)を推挙し、世継ぎを生ませた後、権力を手にしようと策略していた ... 口が耳まで裂けた猫の化身であった。 化け猫が庭に踊り出る。
http://homepage2.nifty.com/e-tedukuri/sagayasiki.htm