今日(4月1日)「地域団体商標制度」スタートの日。
今日(4月1日)は、2006(平成18)年4月1日に、「地域団体商標制度」が施行され、「地域団体商標制度」に係る商標登録出願の受付が開始されて、2年目の日である。
制度導入の理由等は以下、特許庁HPの記載によると”近年、特色ある地域づくりの一環として、地域の特産品等を他の地域のものと差別化を図るための地域ブランド作りが全国的に盛んになっている。このような地域ブランド化の取組では、地域の特産品にその産地の地域名を付す等、地域名と商品名からなる商標が数多く用いられている。しかし、従来の商標法では、このような地域名と商品名からなる商標は、商標としての識別力を有しない、特定の者の独占になじまない等の理由により、図形と組み合わされた場合や全国的な知名度を獲得した場合を除き、商標登録を受けることはできなかった。このような地域名と商品名からなる商標がより早い段階で商標登録を受けられるようにすることにより、地域ブランドの育成に資するため、平成17年の通常国会で「商標法の一部を改正する法律」が成立。2006(平成18)年4月1日に同法が施行され、地域団体商標制度がスタートしたものであり、現在までに600件以上の出願が行われており、高い関心を集めている。 (2007.3.6)・・・とある。また、この制度の概要については、以下参考に記載の特許庁ホームページの「地域団体商標制度の概要」を見られるとよい。
現在の都道府県別地域団体商標一覧(平成19年2月末日まで)を見ると、兵庫県のものでは、「明石鯛」「明石蛸」「但馬牛」など39種があるが、その中で、神戸のものに限れば、「神戸ビーフ」「神戸肉」「神戸牛」(兵庫県食肉事業共同組合連合会)「垂水産焼あなご」「垂水わかめ」「神戸イカナゴ釘煮」「須磨海苔」「灘の酒」「神戸シューズ」「有馬温泉」など11種が登録されている。
ただ、兵庫県の登録の中身を見ていると、兵庫県特産の牛肉について言えば、但馬農業共同組合が、「但馬牛」を、兵庫県食肉事業共同組合連合会が、同じ名前の「但馬牛」の他「但馬ビーフ」、「神戸ビーフ」「神戸肉」「神戸牛」を、また、兵庫六甲農業協同組合が、「三田牛」「三田肉」「三田ビーフ」を登録している。つまり、「但馬牛」に関して言えば、2箇所が登録しているのである。
「神戸肉・神戸ビーフ」をはじめ「松阪肉」「近江肉」などの、もと牛はすべて但馬牛であり、また現在全国の有名ブランド牛は例外なくこの但馬の血を引いているといわれている。前沢牛・佐賀牛も但馬の系統だそうだ。(以下参考に記載の「但馬牛について」より)
そのようなことから、兵庫県内で起きている「但馬牛」の地域団体商標の問題も、伝統的な生産者と消費者を切り開いてきた流通業界の関係をどう整理するかが一つの論点となっているようだ。(以下参考に記載の「 和牛(下)地域団体の商標制度が始動 」参照。)
「神戸肉・神戸ビーフ」など神戸を冠にした牛肉については、以下参考に記載の「神戸ビーフの定義/神戸元町辰屋」見ると、「神戸肉・神戸ビーフ」とは、”「兵庫県産(但馬牛)」のうち、本県産和牛の但馬牛を素牛とし、子牛から肉牛として出荷するまでに当協議会の登録会員(生産者)が肥育し、本県内の食肉センターに出荷した、未経産牛・去勢牛であり、枝肉格付等が定めた基準に該当するものとする。”・・とある。しかし、以下参考に記載の「ほんまもん・元湯の特選三田和牛(たきや)」を見ると、"本物の三田牛とは神戸牛の中でも、六甲山北側の三田で飼育したものが最高とされ、近年独立して呼ばれることが多くなっております。"・・・とあるが、ここに書いてあることが、どこまでどうなのかは知らないが、どうも、よく分からないところである。よく騒がれていたが、大分県の「関あじ」・「関さば」は、高級ブランドとしての認知が高まるにつれ、関あじ・関さばの偽物が出回るようになった。このため、佐賀関町漁協(現大分県漁業協同組合佐賀関支店)では、関あじ・関さばの商標を出願し、1996(平成 8)年に水産品として全国初となる商標登録が認められた。また、昨・2006(平成18)年10月には、地域団体商標の第1弾として関さばが登録されている。関あじ・関さばは、豊予海峡(速吸の瀬戸)で漁獲され、大分市の佐賀関で水揚げされるサバであるが、豊予海峡と言うのは、大分県大分市(旧佐賀関町)の関崎と愛媛県伊方町(旧三崎町)の佐田岬によって挟まれたところである。佐賀関港に水揚げされるアジとサバは、一本釣りや活けじめといった漁法や品質管理と相まって「関あじ」「関さば」として全国的に有名なブランドとなっているが、、同じものが三崎側で水揚げされると「岬あじ」「岬さば」と呼ばれ、より安価で取引されるのである。また、静岡県の「浜名湖のうなぎ」が登録されているが、ウナギの産卵場所がグアム島沖のスルガ海山付近であることを2006年に、東京大学海洋研究所の塚本勝巳教授がほぼ突き止めたといわれているが、浜松のうなぎにしてもその稚魚は、その辺で取れたうなぎのものであり、それを浜松で育てただけだろう。これは、高知県の四万十川の鰻にしても同じである。勿論、「関あじ」「関さば」の一本釣りや活けじめといった漁法やうなぎの養殖の技術などによって、品質にさも出るのだろうが、このような商標の登録によって、ブランドとしての価値を高め高く売ろうという魂胆がある様な気がしてならない。これは、なにか、ブランドのバブル現象か?・・・と思っていると、日本知的財産協会 専務理事が、2006年12月に、「知財バブルについて」と題して、そこで、”国の知財政策や一部の組織、団体の動きを見ていると知財立国へ向けてしっかりと地歩を固めつつ前進しているというよりも知財バブルが起こっているように感じられる。皆さんはどう感じますか?数十年くらい経って、冷静にふり返って見たときに「あれは何だったんだろうか?日本にとって何ももたらさなかったバブルとその崩壊だった。」と思われる時代を今、我々は自ら歴史として刻み、歩んでいるのではないだろうか?「みんな内心では薄々高すぎる価格だと思いつつも、まだ他の多くの人が買おうとしているから値段が上がると思い続ける結果、実態の需給関係とはかけ離れてどんどん価格上昇が続いて、ある時、些細なきっかけから暴落する。」という現象を”バブル”と”価格崩壊”と言います。」・・・と延べているが、もう少し、きっちりとした仕事のやり方を研究し実行することが大切な事なので、商標登録をして権利を獲得することばかり考えているとおかしくなりますよという警告なのであろうと思う。
我々のような庶民は、資源の少ない日本で、ブランド化して、高いものばかり作るのではなく、美味しくて安く食べれるものの開発に努力して欲しいものだ。家電などの第二次産業や、チェーンストアーなどの第三次産業などには良い物を安くの努力が見られるが、農業や漁業などには、どうもそのような姿勢が少ないように思われる。これから「地域団体商標制度」がどのような方向に進んでいくのかじっくりと見て行きたいものだ。
(画像は関あじ)
参考:
特許庁ホームページ
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/t_dantai_syouhyou.htm
地域ブランド - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89
知財Awareness - 2006年4月スタートの「地域団体商標」,出願・登録の留意点
http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/etc/motomiya20051209.html
知財バブルについて(日本知的財産協会)宗定 勇(日本知的財産協会 専務理事)
http://www.jipa.or.jp/content/coffeebreak/yakuin/yaku061204.html
但馬牛について(銘柄牛 神戸牛 松阪牛 但馬牛)はまだの豆知識
http://www.tajima-beef.jp/about/himitu.html
和牛(下)地域団体の商標制度が始動
http://www.business-i.jp/news/for-page/chizai/200605100001o.nwc
神戸ビーフの定義/神戸元町辰屋
http://www.kobebeef.co.jp/untiku/untiku1.html
ほんまもん・元湯の特選三田和牛(たきや)
http://motoyu.main.jp/a-takiya.htm
特許実務日記 - 知財協“Coffee break”のコラム『知財バブルについて』
http://d.hatena.ne.jp/Nbenrishi/mobile?date=20070111
ウナギ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%8A%E3%82%AE
産業 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%A3%E6%A5%AD
今日(4月1日)は、2006(平成18)年4月1日に、「地域団体商標制度」が施行され、「地域団体商標制度」に係る商標登録出願の受付が開始されて、2年目の日である。
制度導入の理由等は以下、特許庁HPの記載によると”近年、特色ある地域づくりの一環として、地域の特産品等を他の地域のものと差別化を図るための地域ブランド作りが全国的に盛んになっている。このような地域ブランド化の取組では、地域の特産品にその産地の地域名を付す等、地域名と商品名からなる商標が数多く用いられている。しかし、従来の商標法では、このような地域名と商品名からなる商標は、商標としての識別力を有しない、特定の者の独占になじまない等の理由により、図形と組み合わされた場合や全国的な知名度を獲得した場合を除き、商標登録を受けることはできなかった。このような地域名と商品名からなる商標がより早い段階で商標登録を受けられるようにすることにより、地域ブランドの育成に資するため、平成17年の通常国会で「商標法の一部を改正する法律」が成立。2006(平成18)年4月1日に同法が施行され、地域団体商標制度がスタートしたものであり、現在までに600件以上の出願が行われており、高い関心を集めている。 (2007.3.6)・・・とある。また、この制度の概要については、以下参考に記載の特許庁ホームページの「地域団体商標制度の概要」を見られるとよい。
現在の都道府県別地域団体商標一覧(平成19年2月末日まで)を見ると、兵庫県のものでは、「明石鯛」「明石蛸」「但馬牛」など39種があるが、その中で、神戸のものに限れば、「神戸ビーフ」「神戸肉」「神戸牛」(兵庫県食肉事業共同組合連合会)「垂水産焼あなご」「垂水わかめ」「神戸イカナゴ釘煮」「須磨海苔」「灘の酒」「神戸シューズ」「有馬温泉」など11種が登録されている。
ただ、兵庫県の登録の中身を見ていると、兵庫県特産の牛肉について言えば、但馬農業共同組合が、「但馬牛」を、兵庫県食肉事業共同組合連合会が、同じ名前の「但馬牛」の他「但馬ビーフ」、「神戸ビーフ」「神戸肉」「神戸牛」を、また、兵庫六甲農業協同組合が、「三田牛」「三田肉」「三田ビーフ」を登録している。つまり、「但馬牛」に関して言えば、2箇所が登録しているのである。
「神戸肉・神戸ビーフ」をはじめ「松阪肉」「近江肉」などの、もと牛はすべて但馬牛であり、また現在全国の有名ブランド牛は例外なくこの但馬の血を引いているといわれている。前沢牛・佐賀牛も但馬の系統だそうだ。(以下参考に記載の「但馬牛について」より)
そのようなことから、兵庫県内で起きている「但馬牛」の地域団体商標の問題も、伝統的な生産者と消費者を切り開いてきた流通業界の関係をどう整理するかが一つの論点となっているようだ。(以下参考に記載の「 和牛(下)地域団体の商標制度が始動 」参照。)
「神戸肉・神戸ビーフ」など神戸を冠にした牛肉については、以下参考に記載の「神戸ビーフの定義/神戸元町辰屋」見ると、「神戸肉・神戸ビーフ」とは、”「兵庫県産(但馬牛)」のうち、本県産和牛の但馬牛を素牛とし、子牛から肉牛として出荷するまでに当協議会の登録会員(生産者)が肥育し、本県内の食肉センターに出荷した、未経産牛・去勢牛であり、枝肉格付等が定めた基準に該当するものとする。”・・とある。しかし、以下参考に記載の「ほんまもん・元湯の特選三田和牛(たきや)」を見ると、"本物の三田牛とは神戸牛の中でも、六甲山北側の三田で飼育したものが最高とされ、近年独立して呼ばれることが多くなっております。"・・・とあるが、ここに書いてあることが、どこまでどうなのかは知らないが、どうも、よく分からないところである。よく騒がれていたが、大分県の「関あじ」・「関さば」は、高級ブランドとしての認知が高まるにつれ、関あじ・関さばの偽物が出回るようになった。このため、佐賀関町漁協(現大分県漁業協同組合佐賀関支店)では、関あじ・関さばの商標を出願し、1996(平成 8)年に水産品として全国初となる商標登録が認められた。また、昨・2006(平成18)年10月には、地域団体商標の第1弾として関さばが登録されている。関あじ・関さばは、豊予海峡(速吸の瀬戸)で漁獲され、大分市の佐賀関で水揚げされるサバであるが、豊予海峡と言うのは、大分県大分市(旧佐賀関町)の関崎と愛媛県伊方町(旧三崎町)の佐田岬によって挟まれたところである。佐賀関港に水揚げされるアジとサバは、一本釣りや活けじめといった漁法や品質管理と相まって「関あじ」「関さば」として全国的に有名なブランドとなっているが、、同じものが三崎側で水揚げされると「岬あじ」「岬さば」と呼ばれ、より安価で取引されるのである。また、静岡県の「浜名湖のうなぎ」が登録されているが、ウナギの産卵場所がグアム島沖のスルガ海山付近であることを2006年に、東京大学海洋研究所の塚本勝巳教授がほぼ突き止めたといわれているが、浜松のうなぎにしてもその稚魚は、その辺で取れたうなぎのものであり、それを浜松で育てただけだろう。これは、高知県の四万十川の鰻にしても同じである。勿論、「関あじ」「関さば」の一本釣りや活けじめといった漁法やうなぎの養殖の技術などによって、品質にさも出るのだろうが、このような商標の登録によって、ブランドとしての価値を高め高く売ろうという魂胆がある様な気がしてならない。これは、なにか、ブランドのバブル現象か?・・・と思っていると、日本知的財産協会 専務理事が、2006年12月に、「知財バブルについて」と題して、そこで、”国の知財政策や一部の組織、団体の動きを見ていると知財立国へ向けてしっかりと地歩を固めつつ前進しているというよりも知財バブルが起こっているように感じられる。皆さんはどう感じますか?数十年くらい経って、冷静にふり返って見たときに「あれは何だったんだろうか?日本にとって何ももたらさなかったバブルとその崩壊だった。」と思われる時代を今、我々は自ら歴史として刻み、歩んでいるのではないだろうか?「みんな内心では薄々高すぎる価格だと思いつつも、まだ他の多くの人が買おうとしているから値段が上がると思い続ける結果、実態の需給関係とはかけ離れてどんどん価格上昇が続いて、ある時、些細なきっかけから暴落する。」という現象を”バブル”と”価格崩壊”と言います。」・・・と延べているが、もう少し、きっちりとした仕事のやり方を研究し実行することが大切な事なので、商標登録をして権利を獲得することばかり考えているとおかしくなりますよという警告なのであろうと思う。
我々のような庶民は、資源の少ない日本で、ブランド化して、高いものばかり作るのではなく、美味しくて安く食べれるものの開発に努力して欲しいものだ。家電などの第二次産業や、チェーンストアーなどの第三次産業などには良い物を安くの努力が見られるが、農業や漁業などには、どうもそのような姿勢が少ないように思われる。これから「地域団体商標制度」がどのような方向に進んでいくのかじっくりと見て行きたいものだ。
(画像は関あじ)
参考:
特許庁ホームページ
http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/torikumi/t_torikumi/t_dantai_syouhyou.htm
地域ブランド - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89
知財Awareness - 2006年4月スタートの「地域団体商標」,出願・登録の留意点
http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/etc/motomiya20051209.html
知財バブルについて(日本知的財産協会)宗定 勇(日本知的財産協会 専務理事)
http://www.jipa.or.jp/content/coffeebreak/yakuin/yaku061204.html
但馬牛について(銘柄牛 神戸牛 松阪牛 但馬牛)はまだの豆知識
http://www.tajima-beef.jp/about/himitu.html
和牛(下)地域団体の商標制度が始動
http://www.business-i.jp/news/for-page/chizai/200605100001o.nwc
神戸ビーフの定義/神戸元町辰屋
http://www.kobebeef.co.jp/untiku/untiku1.html
ほんまもん・元湯の特選三田和牛(たきや)
http://motoyu.main.jp/a-takiya.htm
特許実務日記 - 知財協“Coffee break”のコラム『知財バブルについて』
http://d.hatena.ne.jp/Nbenrishi/mobile?date=20070111
ウナギ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%8A%E3%82%AE
産業 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%A3%E6%A5%AD