今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

インテリアを考える日

2007-04-10 | 記念日
今日(4月10日)は、「インテリアを考える日」
日本インテリアファブリックス協会「4月10日はインテリアを考える日」実行委員会が制定とのこと。「よい(4)戸(10)」の語呂合わせかららしいが、4月10日は、日本建具組合連合会が、「建具の日,良い戸の日」に制定している。
インテリア(interior)とは、日本語で室内装飾品という意味であり、室内の装飾やそれに付随する照明、装飾家具を表す。広義のインテリアは室内を装飾する品物全般を指すが、狭義ではその中で装飾性に特化されたものだけを指す。その中には空間という概念が強い。
インテリアの代表的なアイテムに内装材カーテンカーペット壁紙フローリング(床材)などがあり、そのほかブラインド、ロールカーテン(Roll curtain)、カーテンレール、家具照明器具、ドア、間仕切りなどが含まれる。和室では和室の障子欄間などが当てはまる。反対に、屋外の装飾はエクステリアというが、エクステリアはインテリアほど装飾性が重要視されない違いがある。
人気のあるTV「はなまるマーケット」のレギュラー出演者である岡江さんのHP「今日の岡江久美子」をたまたま見ると、4月10日が「インテリアを考える日」だというので、”いつから始まって、何を考えるのか?と協会に問い合わせたところ、昔のことで分かる人間がいないとか・・・。岡江さんはインテリアにはこだわらない派。”・・と書いてあった。インテリアには結構こだわる人(特に女性に多いように思うが・・)、と反対に岡江さんのように余りこだわらない人に分かれているのかもしれない。
西洋諸国は年中を通して降雨が少なく乾燥している代わりに、緯度が高いため日射しが弱い。そのため気温は低く、冬の寒さが厳しく、堅牢な壁を施し、室内に暖炉を配し、熱を外に逃がさない家造りが行われた。そのため、インテリアはそのような家を装飾するための手段であり、室内環境の向上を目指したものである。そして、室内と室外は隔離されており、ガーデニングやエクステリアといった概念が登場し、それぞれ独自の発展を遂げた。それに対して、日本におけるインテリアの概念は西洋のそれとは大きく異なっていた。その原因の大きなものが、先にあげた気候の違いである。
日本の気候は年中を通して温暖湿潤で、夏の暑さを避けるための工夫が施されている。
吉田兼好が書いた随筆『徒然草』第55段には、”家のつくりやうは夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑き頃わろき住居(すまひ)は堪へがたきことなり。深き水は涼しげなし、淺くて流れたる、遙かに涼し。細かなるものを見るに、遣戸〔横に引いてあける戸〕は蔀の間〔格子のはまつた部屋〕よりもあかし。天井の高きは、冬寒く、燈くらし。造作〔家の建具類〕は用なき所をつくりたる、見るもおもしろく、よろづの用にも立ちてよし。」とぞ、人のさだめあひ侍りし。 ”・・・と、書かれている。
そのようなことから、畳張りで、間仕切りには開閉可能な襖や障子が配され、家の中にがふんだんに通るように工夫されている。そして、用なきところとして、床の間縁側また土間といったものを配している。このような家のつくりには、西洋諸国の建築のようなインテリア、エクステリアといった概念はなく、室内と室外が一体化して一つのとなっていた。日本庭園などでも建築は庭園を構成するひとつのパーツとして取り込まれているし、部屋からの庭の景色や明月院の丸窓(ここ参照)からの眺めなど窓からの眺める景色もそうである。
また、日本は武家社会に見られた侘び寂びの精神など、質朴なものが好まれる傾向にあった。また、貧しい者らは自宅を装飾する金銭的な余裕もなかったことから、インテリアのような装飾文化は庶民の間では浸透せず、一部の豪農や商人、寺社などで欄間、彫刻など、襖絵などが用いられたに過ぎなかった。
そのような日本も敗戦後の住宅の絶対的不足を背景に、低所得者向けの公営住宅の供給、中所得者向けの公団賃貸住宅の供給、公庫融資による持家促進策が進められたが、従来の日本建築は防災上の観点などもあって欧米式住宅の増加を促した。そこへ、高度経済成長期を迎えて、中産階級層に生活上のゆとりが発生し、三種の神器3Cなどといった機能目的の電化製品を買い揃えることに始まり、次第にインテリアのニーズも高まっていった。その目的は生活環境の向上のため、また個性の主張、階級の差別化など様々であるが、生活を豊かにするためのアイテムとして需要が高まっていったものである。そして、今日では次第に失われていった木のぬくもりや和の心、またはロハスなどといった概念もあって、日本住宅や和風のインテリアが見直され、和洋折衷ともいえるものも多くなってきた。(木製ブラインドや障子紙のロールスクリーン、藺草の絨毯など)。洋風住宅の中に和室が設けられることも多い。
インテリアは、生活に直接結びつくため、近年では健康面の問題として壁紙が、シックハウス症候群の直接的原因として、カーペットはアレルゲンとなるダニの温床となっていることが問題が指摘されているのでこれらの配慮が必要である。
大きなリフォーム工事をしなくても、インテリアの工夫によって、同じ部屋でも全く違う空間に生まれ変わる。インテリアは五感(視・聴・嗅・触・味覚)のハーモニーで完成されるが、特にカラーコーディネート(Color coordination)が重要である。
今日は「インテリアを考える日」・・・丁度、寒い冬から春になったところである。春向きの明るいカーテンや壁紙に替えるだけでも気分一新するので、ちょっと、家具の配置などとともにインテリアについて考えてみても良いね。
(画像はインテリアの通販カタログ)
参考:
日本インテリアファブリックス協会
http://www.nif.or.jp/
インテリア - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%A2
和室 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E5%AE%A4
今日の岡江久美子HP
http://www.rgs680.com/okakumi/2003_04_07_bn.html
[ガーデニング]All About
http://allabout.co.jp/interest/gardening/
わび・さび - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%8F%E3%81%B3%E3%83%BB%E3%81%95%E3%81%B3
徒然草 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%92%E7%84%B6%E8%8D%89
徒然草(日本文学大系)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~Taiju/turez_1.htm
徒然草(吉田兼好著・吾妻利秋訳)
http://www.tsurezuregusa.com/
明月院 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%8E%E6%9C%88%E9%99%A2
明月院の丸窓
http://homepage3.nifty.com/farm_nomiya/Omoide/kamakura/marumado.html
アレルゲン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%B3
建具屋さんのホームページ
http://www.zenkokutategu.com/gaiyou/gaiyou.html