マチンガのノート

読書、映画の感想など  

愛のまなざしを 監督 万田邦敏 出演 仲村トオル 杉野希妃 斎藤工 感想 ネタバレ

2023-07-02 22:58:43 | 日記

一時期何かと取り上げられていた、境界例の人を扱った映画になると思います。

【あらすじ】

精神科クリニックを経営する医師の貴志(仲村トオル)は、自身も妻を亡くし、

なかなかそのことから立ち直れないのですが、患者さんの話をしっかり聞く医師なのでした。

ある日そのクリニックに、裕福そうな身なりをした綾子(杉野希妃)が患者として訪れます。

しばらくした後、彼女が良くなってきたことから貴志は個人的に彼女と付き合うことにするのでした。

【感想】

以前は生育歴の特定の時期の問題が原因ではないかと議論されていて、最近では様々な

トラウマなどの影響も原因としてあるのだろうとされている境界例の人を扱った映画ですが、

原因論はともかく、いかに治療者などが公私混同せずに関わり、境界や治療構造を守ることや、

作ってゆくことが大事なのかが解る映画になっていました。

最近は様々な境界や構造が無いことで、様々な不適応状態に陥いり、来院する人が増えていそうに

思いました。

政治の世界でも自分の気に入らないことは『フェイクニュースだ』と言う人が増えているくらいですから、

日常で様々な嘘を言ったりして、周囲を混乱させる人は増えているのでしょう。

「愛のまなざしを」予告 


父親の独特な発言の基について

2023-07-01 22:57:10 | 日記

うちの父親は今なら自閉症スペクトラムと診断されるような変わった人で、

誰からも相手にされなく寂しさを感じていて、周囲と未分化だったこともあり、

安部譲二が書いた『塀の中の懲りない面々』と言う本の中で、主人公が刑務所の中での周囲の受刑者たちとの

交流を描いていた内容が羨ましかったので、こちらに対しても、『刑務所に入れ』と言ってきたりしたのだろう。

こちらはその本を読んでいて、何故そういうことを言うのかが解っていたが、

多くの人にとって、そのような発言は、意味不明なものだろう。

相手の特性や読書歴を知れば、ある程度の意味不明な言動も、理解可能な場合があるのだろう。

 

『塀の中の懲りない面々』安部譲二 | 文庫

泥棒、詐欺男、殺人犯、ヤクザ、過激派等々、犯罪のプロばかりが集う府中刑務所。ふてぶてしくて奇っ怪だけど、どこかユーモラスで憎めない人間群像を活き活きと描く。(植...

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