デジスコ撮影実習日誌

デジスコとデジカメで野鳥や草花を撮影するのが楽しくて実習に励んでいます。 最近では電子工作にはまっています。

いつでも消火できるようになった   - 火を燃やすのは簡単だが消すのは難しい -

2012年11月14日 19時32分41秒 | 工作実習
2012/11/14 (水曜日) 晴れ


工作したスチームエンジンボートはパワーがなくてヨタヨタと動くばかりだ。
これはスチームエンジンがいい加減な作りなので力がなく、スクリューを
勢いよく回すことができないからだ。
エンジンを作り直そうかと思ったが、碌な工具も無い手作りだからまた同じ
ようなエンジンになってしまう公算が大きい。
そうなると、ボイラーの改造に頼るしかない。
ボイラーにもっと熱を加えて強力な蒸気でエンジンを回すばかりだ。
燃費の悪い最悪の手段だが止むを得ない。

ボイラーにもっと熱を加える・・・といっても簡単にはいかない。
このスチームエンジンボート(以下ボートという)では固形燃料4個を
同時に燃やしているが、固形燃料4個を並べるとかなりの面積を占める。
大体10cm×10cmぐらいの面積が必要だ。 
同時に燃やす固形燃料を増やすにはボイラーの構造から変更しなくてはならない。

ガスコンロで熱する・・・・ これはボイラーにかなりの熱を加えることが
できるし、点火、消火が簡単で火力の調整も可能であり便利だ。
だけど、ガス(気体)を扱うので工作はなかなか難しいだろう。

というわけで現状の構造を変えないで固形燃料に代わるものというと、
燃料アルコールが一番てっとり早い選択肢だ。
第一、固形燃料と燃料アルコールは親戚みたいなものだからね。
それに、アルコール燃料は長年使い慣れたおなじみ燃料だ。
スターリングエンジン用の熱源にアルコールランプを使ってから、その後の
スチームエンジンはほとんどアルコールランプもどきを熱源にしてきた。

最初はランプそのものの1灯心。
それでは熱量不足と、灯心3本の強力ランプ。
さらにそれでも熱量不足と灯心8本の超強力ランプ。
もっともこの灯心8本の超強力ランプはテスト燃焼のとき自身の発熱で
ランプの筐体接続部(半田付け)が溶けてしまい、燃料がこぼれて燃え上がり
とても恐ろしい思いをしたことがある。
以降、ランプの灯心は3本止まりだ。

話が長くなってしまった。 結論をいうと、

このボートのボイラー熱源はアルコール燃料。
それを灯心21本で燃やす。

で、その工作を始めた。
灯心を支えるパイプを取り付けた箱や燃料タンクはお手の物だから難なく出来たが
いざ出来上がってみると、その芯だらけの燃焼器は見ただけで空恐ろしくなるもの
だった。

「この灯心21本に火を点けたらどうなるだろう!?」

いかにバカ丸出しの実習生でも、いきなり全部の灯心に火を点けるのは躊躇(ためら)われた。
そこで先ず、半分(灯心10本)で燃やすことにした。
灯心を抜いたパイプには蓋を嵌めて火が入らないようにした。
そして緊急時には火が消せるようにと、燃焼器をすっぽり覆い隠して空気を遮断する
ボックス(箱)を用意した。

そしていよいよ点火・・・・・ ぼーぼー、と炎が上がる。
恐ろしいほどの火勢だ。 
これなら強力な蒸気が発生できるだろう。
早速、ボートを側に置いてエンジンと、机上のボイラーとを結合してテストを始めた。
燃焼器はすごい火勢で燃えている。
もうすぐ燃料が切れるはずだ。
このままでは灯心が燃えてしまう。
(灯心式の燃焼器でも灯心が燃えてるわけではないのだ。 灯心が吸い上げたアルコールが
 気化してアルコールが燃えているのだ。 だから燃焼に関しては気化式のアルコールと
 全く同じなんだよ。 ただ、燃料切れのまま燃やしておく灯心が燃えてしまうけどね)

用意しておいた火消し用ボックスを炉内に入れて燃焼器を覆い隠した。
これで空気が遮断されて消火するはずだ。
ところが火は消えない。 
ボックスの周りがぼーぼー、と燃え続けて消えるそぶりは全く無い。
しかたが無いのでバケツの水を手ですくってボックスの上にかけた。
ジューっと音がしてやっと火が消えた。

やれやれ、火は燃やすのは簡単だけど消すのは難しいものだ・・・・・

でも、ボックスを被せて空気を遮断したのにどうして消火しないんだろう?
昨夜、寝ながらあれこれ考えた。
そうか・・・ 多分あれが原因だ。
あの間引きした灯心の支えパイプとその蓋だ。
蓋は嵌めやすいようにちょっと太めにしてある。
長時間の燃焼で(といってもたかだか10分程だが)燃焼器が熱くなって
中のアルコールが煮えたぎって蒸気がその隙間から噴出して燃えているんだろう。
覆いボックスの隙間からも蒸気が漏れて燃えているんだ、きっと。

よーし、明日はあの“蓋”を“栓”に替えてぴったり塞いでみよう。



↓ 今日の工作で灯心を間引いたパイプの“ガボガボの蓋”を“ピッタリの栓”に替えた。




これは成功だった。
燃焼器の炎は消火ボックスを被せると完全に消えてくれた。



テストの様子を動画でご覧ください。







さて、この多心燃焼器と固形燃料とでパワーはどのくらいの差があるんだろうか。
今日、100円ショップでおもちゃのような秤を買ってきた。
20gの重さから1000g(1kg)まで計れるようになっている。
これを使えば極弱い牽引力でも計れると思う。
スクリューの工作にも役立ちそうだ。
明日が楽しみだ。
あっ、その前に燃料アルコールを買いに行かなくっちゃ・・・・・・













コメント
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