南信州のりもの倶楽部♪

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中華125cc2次側クラッチエンジンにS20カムを組んでみた

2010年02月25日 18時59分43秒 | 輸入横型エンジン編
やぁ。「のりもの倶楽部」南信州版です。しかしお久しぶりですな。
最近はずっとガレージに閉じこもっていたので更新する暇も無く、
数日だけでエンジン3機を組みなおしたので、
少しずつでも記録しておくことにいたしましょうかね。

まずは前回に写真を載せたメッキがやたら眩しい中華エンジン。
買ってからずっとノーマルのまま使っていましたが、
前にエンジンを降ろしたついだだったので少し弄ってみまして。
タイトルのように、スー○ーヘッド+RのS20カムを流用して組んでみました。

で、まずはカムスプロケットの製作からってことで、
前に師匠が製作したスプロケをひな形にして、
このエンジンについていたスプロケに穴を開け直します。

上の写真は製作前のスプロケの写真で、
左側がこのエンジンに付いていたスプロケ、右がスペシャルスプロケット。
右側のスプロケと同じ位置に1ヶ所だけ穴を開ければ良いので簡単ですね。









一番左の穴が今回開けたところなんだけど、
実のところそんなに精度を求めて開けなくてもOKです。
スプロケのセンターはカムに装着されたノックピンで出してしまうので、
少しくらい間違えても長穴にしちゃえば問題ないですよ(笑

このエンジンは最初からこのスプロケが装着されていたので加工して使えますが、
僕が見てきた中でこのタイプのスプロケを使ってる中華エンジンは少ないですねぇ。
タイガーエンジンのカムスプロケットは穴のピッチが全然違うのでこの手は使えなかったけど、
このスプロケと同じ物はイージーライダースさんのオンラインストアで売ってる、
WIN120エンジンのカムスプロケットを購入すればマネする事が出来ます。
「中華エンジンは上が回らなくてツマラン」って方はハイカム交換用にどうですか?









これが今回使ったカムで、
右がこの中華エンジンについていたカム、左側が流用するS20カムなんですが
パッと見でも分かるように作用角が全然違いますねぇ。

ちなみに中華カムの小さい方のベアリングに装着されてるのがデコンプシステムで、
カムについてるのはそのワンウェイクラッチですね。
これはタ○ガワRステージ+Dのと全く同じ。
つまり+Dカムを用意すればポン付け出来てデコンプも使えちゃうんですが、
しかし中華エンジンは何でもコピーしてしまいますな。









これは組み込み途中の写真。

まず中華カムの小さい方のベアリングを外してヘッドに入れて、
抜けてこないようにベアリングの周辺をポンチで打って固定します。
その時少しだけ内側にオフセットさせさせましょう。
写真では少しだけ内側にベアリングが飛び出してるのが分かりますかね。

そしたらS20カムの大きい方のベアリングを、カムに対してツライチしずらして組み込み、
あとはさっき作ったスプロケを使っていつも通りにエンジンを組んで、
ロッカーアームのクリアランスを調整すれば終わり。

何でベアリングの位置をずらすかって言うと、
カムの長さが中華とS20では違うから、その帳尻合わせのためなんです。
その他カム山の幅とロッカーアームのスリッパー面の幅が違いますが、
カムはちゃんと仕事してくれるんだし気にしないようにしましょう(笑









エンジンが組み終わったらカムタイミングの点検を行い、
もしずれていたらカムスプロケットの穴を長穴に加工して良い位置にセットします。
S20カムの場合だとIN側のバルブが1㎜リフト時に圧縮上死点前15°と圧縮上死点後で45°ですかね。
EX側も指定はあるんだけどDOHCのようにカムが分かれてる訳でもないので細かい事は気にしない♪


最近は暖かいのでこのゴリラを通勤に使いながら試運転しているんですが、
乗った感じとしてはパワーバンドがそのまま高回転にずれたような感じでしょうか。
キャブがPC20のままなのでとてもスムーズに吹けるし普通に走れます。
しかしキャブの口径が細いのとオイルフィルターローターが重いままなので、
前のLIFAN125ccのようにビックリするような感動も無くて…
(ちなみにLIFAN125ccにS15カムを組んだ記事はコチラ
なので次はフィルターローターを軽量化した物に交換して、
キャブもPWKを入れて乗ってみますかね。

こんな感じで僕はカムを流用して中華エンジンを楽しんでいるんだけど、
口を酸っぱくして何回も言うがマネしたかったら自己責任で。
どんな中華エンジンにでもこの手法が通用すると思ったら大間違いですよぉ。
まぁエンジンの価格が安いからもし壊しても精神的ダメージが少ないからいいか(笑

そんな訳でこの中華エンジンはしばらくこのまま使うとして、
次回は吹けの悪いタイガーエンジンについて書いてみます。
また見て下さいな。



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遠心クラッチ式タイガーエンジンの組み立て その後

2010年02月16日 17時50分28秒 | TIGER125編
やぁ。またすっかりご無沙汰してしまいましたな。
「のりもの倶楽部」南信州版でございます。
最近は仕事を終らせてからガレージに引きこもっているので、
自分のブログなんぞ気にしてる暇も無くて…

今日は暇なので全然関係ない話から始めるけど、今オリンピックの真っ最中ですな。
信州育ちの僕はガキの頃からスケートとスキーがなぜか得意だったので、
やはり冬季五輪は楽しみだし、
普段気にならないような競技にも自然と目が行くようになるので、
やっぱりオリンピックは好きです。

子供にも何でも良いから冬のスポーツはやってもらいたいし、
「他人と競って己を高める」みたいな事はしていただきたい。
が、そんな親の気持ちなんぞ知る訳も無く、
競い事なんぞどうせ「給食の早食い」しかしていないでしょう。
男って奴はしょーもない事に一生懸命になるんだもん。
自分も人の事は言えないけど、ホントバカだねぇ。

なので我が家では「食事は一番遅く食べるのが一番偉い」と教えております。
「早食い早糞芸のうち」なんて言いますが早食いに関してワタクシは全否定。
食事も睡眠と同じ人間の欲求の1つ。ゆっくりと楽しみながら取った方が勝ちです。

まぁそんな話は置いといてオリンピックの話に戻すけど、
僕は小学生の頃、だいたいソウル五輪からテレビでオリンピック観戦してきまして。
その中で思った、オリンピックの一番つまらない観戦方法、
それは「ガンバレ日本」です。
競技自体の背景や選手全員にもっと興味を持ちましょうよ。
今まで以上に楽しくオリンピック観戦できること請け合いです。
そして「お前には愛国心のカケラも無い」とおっしゃる方。
チッ、うるせーな、とだけ(小声で)言っておきましょう。
↑ウソです。反省してま~す










さて、長い時間使って作ってきた遠心クラッチのタイガーエンジンですが、
実は結構前に完成していましてね。
上の写真のように見た目では出来上がっているのですが。

と言うのも完成してしてから早速ゴリラに搭載し、
オイルを入れてキックしてはみたのですが、
何だかキックがやたら軽いような気がする…
なのでキャブも安定性では一番のPC20を装着してエンジンをかけてはみたんだけど、
もうね、絶不調ですよ(笑
「ボベベベベベ」と、とっても情けない音出して吹けるんですわ、これが。

原因を考えてみたんだけど、
ピストンとシリンダーは問題なさそうだったんだが、思い当たるのがヘッド。
実は去年壊したタイガーエンジンのヘッドを何の疑いもせず流用いたしまして。
このヘッドにはすでにカムを入れるお膳立てがしてあったし、
バルブは何も問題無さそうな感じがしたんだけど、
もしかしたらエンジンが壊れた時にピストンとバルブが接触し、
バルブが曲がっていたのかもしれないですねぇ…

なのでこのエンジンはまた降ろしてただ今放置状態。
手が空いたらまたヘッドを分解して様子を見て見ましょう。









タイガーエンジンをゴリラに搭載していたので、
代わりに載っていた中華エンジンを降ろした上の写真が存在するのですが、
このエンジンもせっかく降ろしたんだし何か手を入れてみようって事になりましてね。
実はもう終ってるんだけど、これは次回のネタにしようと思います。

そんな訳で心血注いで作ってきたタイガーエンジンはあえなく撃沈。
しばらくは他のエンジンを弄ったり修理したりしてモチベーションを上げて行きたいと思います。
それではまた見て下さいな。



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お金って奴は不思議とお金持ちの所に集まる

2010年02月09日 17時53分38秒 | 輸入横型エンジン編
みなさんこんにちは。「のりもの倶楽部」南信州版でございます。
またまた久しぶりの更新となった訳ですが、
そんな間にもエンジンも組んだりバイクを弄っていたのでございますが、
ここに来てまた新しいエンジンを購入したので書いておくことにいたしましょう。

今回購入したのは上の写真の腰下だけのエンジンで、
中華エンジンを知ってる方なら一度は聞いた事があるであろう、
イージーライダースのWIN120エンジンでございます。
よく雑誌や某オークションでは高値で紹介されていて、
「こんな高い中華エンジン買えねぇよ」などと思っていましたが、
今回腰下とヘッドだけのを発見しましてね。
面白そうなので買ってみました。

で、届いたので早速確認をしてみたんですが、
クラッチのカバーには確かに「イージーライダース」のロゴが入っていますな。
このエンジンの詳細はとっくの昔に確認済みで、
まずボアストロークは52.5×55.5ミリの120cc。
スタッドボルトピッチは、よく52.5ミリピストンを使ってる中華エンジンと同じワイドピッチで、
国産エンジンとの共通性は当然ながら無し。
その代わり僕らが所有してるタイガーエンジンや、
昔に当倶楽部でも扱ったLIFANの125cc2次側クラッチエンジンと同じピッチですな。

ヘッド関係でいくとバルブ径は27ミリと23ミリのビッグバルブ。
カムにはデコンプ機能も付いていて、
カムを交換しようと思えば国産12Vのハイカムも入れる事が可能な、
弄る立場とすれば優れた素材と言えるのではないでしょうか。

そして52.5ミリのピストンが入っているならばピストンピンは13ミリのはずなので、
このエンジンにピストンとシリンダーが無くたって、
57ミリのピストンとメッキシリンダーでも入れてやればいきなり140cc以上に排気量アップ。
ハイカムも入れてオイルフィルターローターを軽量化すれば…
「ウヒョ~♪」な~んて買う前から取らぬタヌキの皮算用をしていたんだけど…

調べた結果クランクのスモールエンドは14ミリ、
カムスプロケットは32丁なんだけどセンターの穴が大きい3本締めタイプ、
つまり穴を開け直して12Vエンジンのハイカムを入れるテクは使えず、
ただヘッドは予想通りのビッグバルブヘッド。
燃焼室の形状から見るとどうやら54ミリのピストンが入っていたらしく、
約125ccの排気量から逆算するとストロークも54ミリ。
「このエンジンどこかで見たなぁ?」と思っていたら、
見たも何も現在自分のゴリラの搭載してある中華エンジンと全く同じ。
全然WIN120エンジンぢゃないじゃんよ(涙
お金もお金持ちの所には行くけど無い人の所には行かないのと同じで、
ある所には集まるもんなのかねぇ。

なので比較用として冒頭の写真を撮影したんだけど、
クランクケースやその他全てが前にシャリー用として買った中華エンジンと全く同じ。
ただクラッチのカバーにイージーライダースのロゴが入っているだけの、
言ってみればコピーエンジンの偽コピーエンジン。
こんな感じでしょうかね。
まぁ中華エンジンなんで今さらコピーがどうのこうの言っても始まりませんが。
元々全てがコピーのようなもんですし。









これはヘッドを上から見た写真。
見ての通りタペットカバーがボルト2本のヘッドはビッグバルブヘッドで、
この写真とクラッチ側のカバーのロゴに騙されて買ったは良いけど甘かった…

このヘッドは前に買った中華エンジンのヘッドと全く同じ物なので、
部品取りとしては問題無く使えそうですねぇ。
って言うか腰下も全てが部品取りとして使えるんだけど(汗

ちなみにロッカーアームの右側の物がデコンプシステムで、
これはタ○ガワのデコンプとも同じなんだけど、
僕の中華エンジンにも装着はされてましたが時々裏切って圧縮を抜いてくれない時があるので、
僕はデコンプは頼りにせず自分で圧縮上死点を出して蹴ってました。
まぁハイカムに交換しちゃえばデコンプは使えなくなりますがね。









これはジェネレータ側から撮影したもの。
どちらも内容は全く同じエンジンなので使われているジェネやローターも同じ物でした。
つまり12Vは発電できるけど発電量は多くないタイプのジェネ。
分かりやすく言うとこんな感じですかね。

今回このエンジンを買って思ったんだけど、
何か新しいエンジンうを買ったと言うよりは、
「持ってるエンジンの部品取りを買っただけ」で終ってしまったような気がします。
ただミッションやクラッチは他にも使えるし、
何しろこのエンジンはクラッチレバーを握ったままでもキックできるタイプ。
その気になればまたLIFANの125cc2次側クラッチエンジンを用意して、
部品を混ぜ合わせて新しいエンジンを作っても面白そうですな。

そんな訳でまたエンジンが増えましたが、
次回からも今あるエンジンを完成させてからにしましょうかね。
そうしないとウチのガレージ、横型エンジンで溢れかえっております…



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遠心クラッチ式タイガーエンジンの組み立て

2010年02月03日 16時15分54秒 | TIGER125編
みなさんこんにちは。「のりもの倶楽部」南信州版でございます。
ついこの間我が南信でも大雪が降りまして。
まぁ大雪と言っても数十センチも積もりはしませんが、
それでも最近では大雪の部類。
おかげで修理の車が増えて最近は忙しく働いている訳でございます。

さてさて、またタイガーエンジンのお話なんですが、
上の写真の通り腰下はもう組み終わってまして。
実はほとんど完成間近まで来ているのですが、
組み付けの最中にあった事についてだけ記録しておく事にしましょう。

まずはCD90用を流用したメインシャフト。
クラッチを組んでいる時にやっと気が付いたんだけど、
タイガー純正のメインシャフトと5ミリほど長さが違ってまして。
今回使ったCD90の物の方がどうやら短いみたいでした…

ここで何が困るかって言うとクラッチの固定。
メインシャフトだけ短くなってしまったのでロックナットがギリギリまでしか締まらず、
困ったあげくにクラッチ裏のカラーを外したりして帳尻合わせを行う。
クラッチバスケットのギアとクランクシャフトのギアとの兼ね合いもあったんだけど、
何とかクラッチの本体はロックナットで固定する事ができ、
位置的な問題も何とか回避できました。

と、思ったら今度はクラッチ本体がクランクケースに少し近づいた形になったので、
アームの位置が足りなくなってしまい、このままでは変速時にクラッチが切れなくなってしまい、
クラッチ下のオイル受けとも干渉してしまう始末。
まぁこんな事で悩んでも仕方ないので、
アームは内側に少しだけ曲げて調整し、
オイル受けは強引に曲げて何とかしました。
何だか無理矢理っぽいですが機械的に問題は無いのでこれで良いでしょう(汗










今回はオーバーホールが目的なのでピストンはカーボンを落とし、
シリンダーはほんの少しだけホーニングして腰上は終わり。
しかしまたここで問題が。

カムスプロケットは前に壊したタイガーエンジンのを使ったんだけど、
カムチェーンを張っていたら何だか切り欠きとの位置がしっくり出ない。
ここもさんざん悩んだあげくピストントップが正確に出ているか調べてみたら、
マイクロメーターで出したトップとローターのTマークとでは3度ほどずれてたみたいでした。
このまま組んだら調子悪かったでしょうねぇ。

なので精密に測ったピストントップでチェーンを張り、
今回も流用したS15カムの位置は前回と同じく、
クランクを180度回転させ、カムもオーバーラップ時で固定してからカムスプロケを締め付けます。
本当はバルブが1ミリリフト時のクランクの位置を測れば良いんだけど、
この方法でもバルブとピストンは干渉しないので良いでしょう。
とは言ってもS15カムはバルブが両方とも開いている時が無いので、
あまり気にして組まなくても壊れる事は無いと思いますが。


こんな感じでエンジンを組んでいる訳なんだけど、
カムシャフト内部の拡大を忘れたまま組んでたので、
今はまた分解してそのままにしてあります…
次回には完成すると思うのでまた見て下さいな。



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