南信州のりもの倶楽部♪

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遠心クラッチタイガーエンジン 完成編

2010年05月21日 12時46分52秒 | 輸入横型エンジン編
やぁ。「のりもの倶楽部」南信州版です。
携帯では何回か更新してきましたが、すっかりご無沙汰になってしまいましたねぇ。
実はキーボードに向かうのが面倒になってしまっていただけなんですけど。

え~と、去年から分解を始めて3月頃に1度は完成した遠心クラッチのタイガーエンジン。
その時はトラブルだらけで修理するもの面倒になっていて放置していたんですけど、
水面下では少しづつ原因を対策しながら手をつけていましてね。

前に組んだ時のトラブルは…

1 エンジンが非常に調子悪く吹けない

2 ギアチェンジできない

3 チェンジできたとしても抵抗が大きすぎる

4 エンジンをかけると異音がする

こんな風になる気さええ失せてしまうようなトラブルだらけだったのですが、
まず1のトラブルは、その時に使ったヘッドが壊れたタイガーエンジンの物で、
良く調べたらバルブが曲がっていて圧縮漏れをしていただけと判明。
これはヘッドをオリジナルの物と交換する事で解決しました。

だけど迷ったのは2~4のトラブル。
全部クラッチやミッションらしいので大変でしたが、まず2のトラブルですが…









タイガーの遠心クラッチはこんな風になっているんだけど、
2次側クラッチのセンターに付いてる変速カムとレバー、
この組み方がどうも悪かったらしく、変速しようにも作動域不足で変速できていなかったらしいです。

写真の組み方は間違って組んでしまった例で、
実際のレバーの向きはもう少し上を向いていなければいけなかったみたいですね。
僕は「穴のセンターでOKじゃね?」みたいな感じで組んでいたんだけど、
これだとシフトダウンの時(アームが下に動く時)に、
レバーが穴の中でつっかえてしまって変速できませんでした。
ここは適切に組むだけで修理できていたんだけど、
もっと大変だったのはここから。

3のトラブルは抵抗が大きいって事だったんだけど、
クラッチを分解してみて原因は直ぐ分かりました。









写真の2次側クラッチのセンターに注目してもらいたいんだけど、
本来はメインシャフトのスプラインが見えていなければいけないんだけど、
この写真では見えていませんね。

僕らはこの状態でロックナットを締めてしまっていたので、
結果としてクラッチがミッション側に移動

しかし移動が出来る訳ではないのでメインシャフトがクラッチ側に引っ張られる

メインシャフトがクランクケースのベアリングに押し付けられて大きな抵抗になる

こんな風にして大きな抵抗が生まれていたみたいです。
原因は長さが少し短いCD90のメインシャフトを流用してしまったのが仇となったみたいで、
深い事を考えずに組んでしまった僕が悪い…

で、対策なんだけど、短いメインシャフトを長くすることは念力でも使わないと無理。
なのでクラッチのセンタープレートの中心を旋盤で座繰る事にしておきました。









これは切削前の写真なんだけど、
ここから5~6ミリだけ中心を切削することにより、
メインシャフトのスプラインがセンターの穴から見えるようになり、
この状態で締め付ければプレートはいくら締めても内側の追いやられなくなりますよね。

後から分かった事なんだけど、
CD90純正のメインシャフトより、ネットで補修部品として購入できるWIN120のシャフトの方が長いみたいで、
WIN120はプライマリドライブギアがクラッチの裏側に入っているので、
CD90に比べて1センチほど長くなっているみたいです。
こっちを買っておけばこんな事で悩むことも無かったですね…
長さが余ってもワッシャーを入れればどうにでもなる事だし。










4のトラブルである異音は直ぐに判明。
メインシャフトが短くなってしまったので結果クラッチが内側に追いやられて、
クラッチバスケットとプライマリギアが干渉していたみたいです。
バスケットに干渉した時の傷があるので直ぐ分かりますね。

ただクラッチ本体はメインシャフトの長さ不足で位置が換えれず、
仕方ないのでプライマリギアを少しだけ削って対処しました。
が、切削を依頼した友人曰く
「ギアに焼きが入ってて、ギアじゃなくて旋盤のバイトの方が削れて行く」って言うくらい、
プライマリギアは強度を持たせて作られているみたいですね。
最後は超鋼のチップで無理矢理削ってもらいましたが、
それでも0.01ミリづつ削るのがやっとみたいでした(汗

写真は切削前なんだけど、ギアの手前側を2ミリほど削ったら干渉もしなくなり、
クリアランスも生まれたので良しとしておきました。
しかしクラッチの位置やクリアランスは全て現物合わせで全てが絶妙な位置で収まっている。
もうこんな仕事したくないっす。









これが全ての作業を終らせて僕のゴリラに搭載した時の写真。
このエンジンはカブと同じロータリーミッションなので、
チェンジペダルはシャリーについていたシーソーペダルを取り付け、
キャブは今まで使っていたPD22をそのまま使いました。

で、乗ってみた感想ですが、
まずパワーは今まで使っていた1P56FMIエンジン+S20カム仕様よりは上。
1P56FMIはストックで圧縮比が低すぎるので比べても仕方ないんだけど、
タイガーエンジンは最初からある程度圧縮比が高めで、
さらにメタルガスケットも入れてあるのでパンチが全然違います。

排気音も1P56FMIは低圧縮で湿った音がしますが、
このタイガーエンジンは排気音の歯切れもよく乾いた音がします。

肝心のクラッチやミッションなんですが、
やっと異音も消えてチェンジもスコスコ。
いつもの癖でクラッチペダルを握ってみたくなりますが、
慣れてしまえばカブに乗ってるのと感覚は全く同じです。
パワーは比べ物になりませんが。

ただ、パワーが前より出てしまったためか、
クラッチが滑るようになってしまいまして…
まぁ20馬力も出てる訳ではないので2次側クラッチは問題なさそうなんだけど、
プライマリクラッチは持たないかもしれませんねぇ。

エンジンが温まってしまえばクラッチが滑る事はないので今は良いですが、
プライマリクラッチを修理したかったらウェーブかドリームの部品流用、
もしくはスーパーカブ110のプライマリクラッチも形は似てるので何とかなりそうだからいいか。

そんな訳でこのエンジンはとりあえず完成。
このまましばらく乗ってテストしてからTIGER125にでも載せてみましょうかね。
次回の更新はまた未定になってしまいますが、
たぶん他のエンジンか、もしくはこれから作る8インチシャコタンカスタムも事でも書ければ。
それではまた見て下さいな。



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2010年05月18日 11時14分36秒 | オートバイのある生活
遠心クラッチのタイガーエンジンが完全復活(^-^)V
ハイカムとメタルガスケット入れたので以外にパワーがあります♪

が、軽くクラッチが滑ってる…
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スタイルと性能の両立は難しい

2010年05月04日 16時48分15秒 | オートバイのある生活
フロントサスがフルストロークしたせいでフェンダーがエンジンに引っかかり、反動で前方向はタイヤに接触し溶けてしまった…

危うく転倒するところだったけど無事で良かった(恐)
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