遊工房・雑感

日頃のあれこれを綴る日記です

江戸の絵師「暮らしと稼ぎ」

2010-10-15 07:22:34 | 日本の本

51deqya9mbl__sl500_aa300_ 面白かった

この間の大塚先生の個展で

かかった費用と売れた絵の金額

なかなか

絵描きは絵を売って暮らせないなあ

という話になった

 

だいたい

絵を売る市場は今恐ろしく狭まってる

 

この江戸時代の金銭感覚がわからないが

今 絵描きが  ぽっと出で 初回の値段は号二万ぐらいから始まるのかな?

実際に 売り始めるのは号一五千円くらい

それじゃあ高くて手が出ない

という 庶民感覚で言うと 絵は高い

 江戸時代はどうか

1両っていまでいうといくらくらい?  賃金換算で30~40万

池大雅の屏風が2.5両 約百万 これはもう名が出てるのに安いとある

谷文晁の年収が1000両 3~4億? 絵を売るというのは

お客様の注文で描くわけで 芸術家というより画工という感じ

谷文晁の場合 膨大な弟子がいる

平山郁夫の生前の絵の値段を考えると 谷文晁の年収がべらぼうともいえないかもしれない

 

これらのいろいろな話の中で

英一蝶というひと 初めて知った

この人亀岡藩の侍医の息子ともいうけれど確証はなく

ともかく狩野派に弟子入りした

当時狩野派には武士の子は弟子入りできるがそうでないと

いろいろつてを使わなければならないという風だったらしい 

で 二十代三十代は俳諧の世界でも 蕉門のなかで客分的地位を占めてたんだそうで

其角・嵐雪と交友があり 吉原へ通い始めて  

幇間的立場で大名旗本に遊郭での浪費を促し

遊女を大枚を払って落籍せる など幕閣上層部を怒らせる行動で

三宅島に流罪になる

 

三宅島でも絵を売り暮らし 江戸からの注文もこなしたらしい

 

そもそも何を考えてるんだか

興味深い

宗教問題 綱吉の生類憐みの令に対する風刺にもかかわっていたらしい

 

江戸時代の人が 何を考え どういう風に絵を描いていたのか

知らないことが多いなあ

 

模写 粉本の話が出てくると  ここにも剽窃の世界

ンン  興味が尽きない

Img111

これは「雨宿り図」なのだが

いろいろな階層の人を描きこんだ風俗図に

独特の思想を盛り込んだという話もある

図版が小さくて よく見えない!

コメント
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