面白かった
この間の大塚先生の個展で
かかった費用と売れた絵の金額
なかなか
絵描きは絵を売って暮らせないなあ
という話になった
だいたい
絵を売る市場は今恐ろしく狭まってる
この江戸時代の金銭感覚がわからないが
今 絵描きが ぽっと出で 初回の値段は号二万ぐらいから始まるのかな?
実際に 売り始めるのは号一五千円くらい
それじゃあ高くて手が出ない
という 庶民感覚で言うと 絵は高い
江戸時代はどうか
1両っていまでいうといくらくらい? 賃金換算で30~40万
池大雅の屏風が2.5両 約百万 これはもう名が出てるのに安いとある
谷文晁の年収が1000両 3~4億? 絵を売るというのは
お客様の注文で描くわけで 芸術家というより画工という感じ
谷文晁の場合 膨大な弟子がいる
平山郁夫の生前の絵の値段を考えると 谷文晁の年収がべらぼうともいえないかもしれない
これらのいろいろな話の中で
英一蝶というひと 初めて知った
この人亀岡藩の侍医の息子ともいうけれど確証はなく
ともかく狩野派に弟子入りした
当時狩野派には武士の子は弟子入りできるがそうでないと
いろいろつてを使わなければならないという風だったらしい
で 二十代三十代は俳諧の世界でも 蕉門のなかで客分的地位を占めてたんだそうで
其角・嵐雪と交友があり 吉原へ通い始めて
幇間的立場で大名旗本に遊郭での浪費を促し
遊女を大枚を払って落籍せる など幕閣上層部を怒らせる行動で
三宅島に流罪になる
三宅島でも絵を売り暮らし 江戸からの注文もこなしたらしい
そもそも何を考えてるんだか
興味深い
宗教問題 綱吉の生類憐みの令に対する風刺にもかかわっていたらしい
江戸時代の人が 何を考え どういう風に絵を描いていたのか
知らないことが多いなあ
模写 粉本の話が出てくると ここにも剽窃の世界
ンン 興味が尽きない
これは「雨宿り図」なのだが
いろいろな階層の人を描きこんだ風俗図に
独特の思想を盛り込んだという話もある
図版が小さくて よく見えない!