LOHASな感じ!

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柿の葉ずし:陰翳礼賛

2010-05-09 | 男の料理
「白洲次郎・正子の食卓」新潮社 牧山桂子著の中に、柿の葉ずしの記述があった。
それは柿の葉で鮨を包み、押し寿司のようにしたものなのだ。
明治時代の年期が入った木鉢に柿の葉ずしが盛られ、柿の葉の緑とのコントラストが品良く食欲を誘う。

レシピは著書の中で谷崎潤一郎の陰翳礼賛に載っているとあったので、小生、再び「陰翳礼賛」を手にする事になった。
その中で谷崎はこう説明している。

米一升に付酒一合の割合で飯を炊く。
酒は釜が噴いて来た時に入れる。
飯がムレたら完全に冷えるまで冷ました後に手に塩をつけて固く握る。
この際手に少しでも水気があってはならない。
塩ばかりで握るのが秘訣だ。
それから別に鮭の新巻を薄く切り、それを召しの上に載せて、
その上から柿の葉の表を内側にして包む。
柿の葉も鮭もあらかじめ乾いたふきんで十分に水気を拭き取っておく。
それができたら、鮨桶でも飯櫃でも良い、中をカラカラに乾かしておいて、
小口から隙間のないように鮨を詰め、押し蓋を置いて漬物石ぐらいな重石を載せる。
今夜漬けたら翌朝あたりから食べることが出来、その日一日が最も美味で、
二三日は食べられる。
食べるときに蓼の葉で酢を振りかけるのである...。

うーん、蓼の葉で酢を振りかけるなど、正に谷崎潤一郎らしいなぁ。
鮭の塩気と油が良い塩梅に飯に染み込み、味は格別なものらしい。
ただ、白洲次郎の食卓(著者の牧山桂子?)では、新巻鮭でなくスモークサーモンを使っている。
確かに小生も生の新巻鮭はなんとなく抵抗がある。
それにしてもスモークサーモンとは白洲家らしい取り入れ方だ。

さて、柿の葉を手に入れ支度に取り掛かる事にするか...。