じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

ティリチョレイク~シリカルカ

2015-12-14 16:22:16 | ネパール旅日記 2015

11月12日(木曜)快晴 BC~ティリチョレイク~シリカルカ

今朝の支払い1690Rs(1988円)
チーズピザ+紅茶4杯+紅茶をポットで+パンケーキ+ヌードルスープ

5時起床 6時30分朝食 7時15分出発

標高が高く東に開けているので日の出は比較的早かった。
いや、谷間の川沿いの宿では周りの高い山に阻まれ中々陽が当たらないのだ。
ほぼ毎日、朝の出発が8時と、トレッキングのスタートとしてはのんびりなのはこの時間にならないと寒くて歩く気がしないからなのだ。
しかし本日は登りが累積で1000mを超える上に、ティリチョレイクを見たらまたベースキャンプに戻り昼食を食べ、シリカルカまで行かなくてはならない。
先の事を考えると少しでも多く時間が欲しい一日なのだ。

自分らの宿から出たのは1番だったが他の宿のトレッカーは既に歩き出している人達も居て遠くまで見通せる道には点々と人の粒が見えた。
そして、後発の元気な若者にも随分と抜かれ気が焦る。
別に競争をしている訳ではないのだが、普段はあまり人に抜かれる事が無いので今日は調子が悪いのかと思ってしまうのだ。

今日の行程はスタート地点が4150mで水面が4920mのティリチョレイクまで登る。
水面は4920mだが、地図で読むと手前の最高点は5000mを僅かに超えるとなっている。
約5キロで1000mを登る、殆ど登り一方のきつい道が予想された。

実際の道は急登にならないようにジグを切って(スイッチバックのような方式?)登っていたのだが、何分にも標高が高いので息は切れ、辛い。
トレッキングと言うよりも日本人的には完全に登山の領域なのだが、他所の国のカテゴリーではこれはトレッキングなのだ。
手を使わずに足だけで登れるのはどんなに標高が高い山道でもトレッキングであり、岩場などで手を使うようなスタイルはスクランブルと分けるらしい。
そしてロープと道具を使うとクライミングとなるので日本の登山の大半はトレッキングであり、北アルプスの大キレットや西穂辺りがスクランブルなのかと思う。


ガレ場のジクザグ道が終わったら雪道になった


手持ちの高度計で標高5050m 石の道標が親切


丘を越えたらティリチョレークがドデーンと現れた


7123mのティリチョピークに連なる氷河が落ち込んでいる


ティリチョピークに連なる6559mの無名峰


ティリチョBCからの帰り道 下りの方が凄く怖い!!!


まず大丈夫、だが、落ちる可能性はゼロでは無い


素晴らしいトレッキングロードだが、歩く人は皆無口だ

ガレ場のジクザク道を喘ぎながら登り切るとやや平坦な丘場の地形に出た。
宿を出てからほとんど休まず歩き続け、朝方抜かれた若い人達のグループと、前方に蟻のように見えていたトレッカーの大半を抜き返していた。
しかし、一度抜き返した人にまた抜かれるのは沽券に関わるのでその後のポジションが苦しくなる・・・まっ、競争している訳でもないのに馬鹿臭い感覚なのだけれども、どーも拘ってしまう。

標高が上がり荒涼とした岩場の道を行くとルートは次第に雪になり、最後の詰めでは完全な雪と氷の道になった。
ヨーロッパの人達の中には簡易アイゼンを付けている人も居たがそれほどの傾斜ではないので難なく歩ける。

小高い丘の先が何も無くて遠くにダウラギリに続くものと思われる山並みが見えた。
よぉ~し、あそこで終わりかと思うと不思議と頑張る気力が湧く。
と、その時、このトレッキングでは殆どお呼びの掛からなかったアレが来てしまった。
比較的平坦で雪に覆われ隠れるような岩も無い・・・高い所まで登って行くしか無いかと思った時に前方下に石積みの小屋が見えた。
雪とも氷とも言えない中をザクザクと踏んで小屋に辿り着くと、それは茶店かなにかを作ろうしている小屋だった。
まさか小屋の中で用足しをする訳にも行かず、仕方が無いので小屋の影の一番見えなそうな所で尻を出す事にした。
しかし、雪原にぽつんとある小屋は、誰でも一度は目をやる場所でもあり隠れたつもりが角度によっては殆ど丸見え・・・だが事態は風雲級を告げ躊躇している余裕は無かった。
ふう~っ・・・今年も高所での野糞をする羽目になったか、と、少し感慨深い思いが過った。

10時10分 湖着。
ティリチョレイクは美しかった・・・が、氷河を抱く山に囲まれもっと荘厳な雰囲気かと思っていたのだがそれほどの物でもなかった。
地図に「Highest&Bigest Lake」と書かれているのだが、どれと比べて最高で最大なのかが疑問だった。
エベレストベースキャンプ近くやチベットには5000mを楽に超える湖が存在するので4920mでは世界一の高所で無い事は確実。
そして高所の湖で世界一大きいと言うのもチベットにはもっと高い所で大きな湖があるので違うのは分り切っている・・・この地図の範囲では最高所で最大の湖と言う事なのか?

湖の見える丘には茶店が有った。
ネパールでは標高5000m以上でも人さえ集まる場所なら普通に茶店が在り、お茶や食事を提供する。
自分が息を切らして喘ぎながら登ってきた道をポーターが毎日石油や食料を運び上げて来るのだ。
その事を思うと、高所のトレッキングにかなり悲壮な面持ちで挑んでいる自分が情けなくなる。

自前のポットを持っていたので茶店では飲まなかった。
チャメの先で買ったリンゴを1個、半分に割ってRajuと二人で齧った。
日差しが強く寒さは感じないが温度計は氷点下4度を指し、冷えたリンゴがうまかった。

周囲の人達は溜息混じりに風景を賞賛しているのだが、何処を見ても何処かで見たような感じがして、確かに美しく壮観なのだが、息をのむ風景と言うほどのものでは無かった。
自分としては湖よりもティリチョピークの連山から落ちている氷河が間近に見える事に感激した。
ヒマラヤの高地では随所で氷河が見られるのだがトレッキングで行ける高さから見える氷河は大概白く無く下手をすると全面的に土埃を被って地面と判別つかない物も多い。
そんな中でティリチョの氷河は真っ白でトレッキングで間近に見られる中では一番美しいと思った。
大したものでは無いと言いながら気がつけば45分も眺めていて、11時下山開始。

日が高くなり雪道がまぶしかった。
黄色人種はこの程度の短時間では雪目の心配は無いが、しかし、目を細めないと辛い。

膝の調子が良かったのでガレ場を小走りで駆け下りた。
高所からは下るほどに力が湧いてきて酸素が濃くなる事が実感できる。
とは言っても登りで使った体力が回復する訳では無く、呼吸が楽になる事での錯覚なのかもしれないが。

下りの途中で後が詰まっても抜かせてくれないフランス人の一行を少し強引に追い抜いた。
するとフランス語らしき言葉で何やら怒鳴ったので、自分はひと言「ばぁーか」と日本語で言って微笑んでやった。
またフランス人だった・・・自分との相性の悪さは決定的だと確信した。

12時30分ティリチョBC到着。
昼飯にヌードルスープを食べ、ポットの紅茶を貰いテルモスに補給した。

13時15分 BC出発。
目的地はシリカルカ。
地図で見た距離は5キロ程度で標高差も殆ど無いと読めるのだが、ランドスライド地帯は危険箇所や岩場を避ける為にアップダウンが多く体力的にも精神的にもきつい道だった。

15時30分、シリカルカに到着するとRajuが疲れたと言った。
宿は昨日昼食を食べたロッジだった。
宿の前の広場にテントを張ったパーティーが居た。
テントの人が食堂でお茶を飲んでいたのでどこへ行くのか尋ねるとティリチョレークからジョムソンに抜けるのだと言う。
このルートだと一泊だけテントが必要になるのだが、全行程をテント泊で過ごし、既に12泊目だと言う。
たった3人のトレッカーに5人のポーターとガイドとキッチンスタッフがついていて、キッチンテントとダイニングテントが在る大名行列であった。

ティリチョBCとシリカルカは殆ど同じ標高なのにシリカルカは暖かかった。
BCでは水が凍って出なくなっていたがここでは外の水道も凍らなかった。

7時半就寝。
動悸は少し収まったが横になると感じる。
5000mから下ってきたのだから順応としては理想的なのだが・・・歳か?









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マナンの街の朝

2015-12-14 15:07:32 | ネパール旅日記 2015

マナンの街の朝の風景


マナンの街の朝 中々陽が昇らない


新言を唱えながらストゥーバの周りを回る人々


ゴミ焼きではない 巨大な香炉なのだ


新しいロッジ街の他は石畳に石の壁が迷路のように続く


ガラスの無かった時代の窓だろうか?


おそらく赤を基本に派手な彩色が施されていた筈


古い「マニ」は今でも大切に回されている


街外れの峠から見た朝のマナンの街は煙っていた

マナンの街は標高3540mの高所ある事を踏まえると、かなり大きいと思う。
今は近くに発電所が有って電気が使えるが、それ以前だと生活に一番必要なのは水と考えると、ここは高地のわりには水は得やすそうだ。
しかし最大の理由は、街の周りにヤクを放牧するのに都合の良い牧草地がある事だと思う。
11月は既に初冬で草は枯れ放牧のヤクは多くは見られないが、「カルカ」と付く地名が多いのがそれを物語っている。
カルカとは夏の間の放牧地で、冬は雪に閉ざされるので人は住まないが、放牧の時期にだけ使う簡素な家がある。

マナンの街はチベット仏教の影響下で、古い寺やストゥーバが沢山在る。
そして、街の人達は昔ながらの仏教徒で古いチベット仏教の形を守っている。
大通りに大きなストゥーバ(日本語の卒塔婆と同じ)があって朝早くからマニの周りを回って真言(オムマにペネホム)を唱える人の姿が見られる。

ストゥーバの傍では大きな香炉にお香を焚く人が居た。
焚かれるのは杉に似た生木の枝と葉っぱでこれが清々しい香なのだ。
杉の葉っぱのお香は朝に各家庭でも焚かれる。
専用の小さな火鉢のような香炉で焚く家もあるが大概は空き缶で代用していて、一寸見にはゴミでも焼いているのかと思ってしまう。

ヒマラヤ(ヒマール)とは白い山と言う意味だそうだが、雪を被っていなければ岩だらけの黒い山である。
だから森林限界から上は土は乏しく岩だらけである。
森林限界より上となれば材木も豊富ではない。
石や岩だけしか無いとも言える地で家を作るとなるとそれらが材料となるのは道理と言える。
それがマナンの街や峠を越えたムスタン地方の村に石の家が連なる理由と思う、が、まっ、自分の勝手な想像なので本当の所は分らない。

この手の街でのんびりしていると「こんな所で暮らすのも悪く無いかも」などと一瞬思う事がある。
それは大体夕暮れ近くの事で、未だ陽が残っていて寒く無く、のんびりと紅茶など飲んでいる時に思うのだ。
しかし、日が陰り出すと急に冷えてきて「とてもこんな所にゃ住めないわ」と、簡単に思い直す。

今はヒマラヤ山麓の大概の村で衛星テレビが見られインターネットも繋がる。
だから世界のニュースなど見ようと思えば遅滞無く見られるのだけれど、この地に住んでいたらそんな情報は何の意味も持たない、不要だと感じる。
そして我が事を顧みれば自分もそんな情報から遮断されて数日が過ぎているのだが何の不自由も無いし、知る必要は全くない事に気がつく。

普段自分が大事な情報だと思っている物の全ては要らない物である事を痛感する。
自分はマナンには住めないし、滞在しても二日が限度と思う。
ここで暮らすには文明の垢に染まり過ぎている・・・ああ、なんて不自然な我、などと思ったマナンの街であった。




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午後の独り言(雑談)

2015-12-14 13:41:58 | 日記的雑談
先程テレビのニュースを見ていたら「モランボン楽団」と言う名前が出てきて、どっかで聞いた感じだなと思ったら、昔使っていた焼き肉のタレの会社であったと思い出した。
で、ニュースに拠ればモランボン楽団とは北の金さんの肝いりで出来た楽団ナンだそうで、流石に粒ぞろいだな、と、目を見張っちまいました。
いや、何が良いかと言うと、若いと言うよりもまだ小便臭い娘を持ち出す事しか考えない日本の芸能関係と違って、しつかりと成熟した大人の女性が揃っていると言うのに好感が持てる訳です・・・しかも、リーダーは金さんの元カノ、ですってぇ?
私しゃ政治家や指導者になりたいなんて1ミリも0.5グラムも思いませんけれども・・・もしもですよ、ドーしても何処かの指導者にならなければならないとしたら、是非北朝鮮を選びたいと思います・・・その心は・・・いや、皆までは言いますまい。

本日は朝も早くからジムに行って無駄な筋肉など付けるべく奮闘してきた訳なんですけれども・・・いやぁ~ネパールから帰ってきて2週間・・・体重が1.2キロ増えちまいました。
これは脂肪なんかでは無くて筋トレの後で計っているんで肉汁ですね。
筋トレやって壊した筋繊維の隙間に溜まる肉汁でして、破壊した筋繊維補修の為に普段は汁気の少ない筋肉の隙間に汁が溜まるんですね・・・と、言っては見ましたが、1.2キロってことは無いなぁ・・・単純に太ってきてるのかな? でしょうな。

で、車で行く訳ですけれども・・・ゴミ箱の中に缶コーヒーの空き缶を立ててある訳なんですが、それが倒れないように運転している訳です。
いや、ただのプラスティックの箱の中にポツンと空き缶を立てているだけでして、固定も何もしてません。
それが倒れないように運転すると燃費はとても良くなる訳であります・・・急のつく動作は全て御法度・・・のろい加速に間延びした車間距離と信号にあわせた減速・・・後ろに着いた車は少しイラっとするかも知れませんけどもう急いでも得な事は無いと言うご時世でありますから、意外と後続車も似たように合わせて来るもんだなと思う今日この頃・・・月曜日の午後、皆様におかれましては如何お過ごしで在りましょうか?
そーですか、お忙しいでありますか・・・そうでしょうとも、無職の私とは違いますもんね。

で、何気無く車の走行距離を見たら、六月からで1000キロしか走っていない訳です。
1月から6月までの半年で9500キロ走っていて、残りの半年は1000キロと言うのは、随分と偏っている訳ですけれども・・・まっ、車で九州に行ったのもアレなんですが、夏場はバイクで出歩くので車に乗らないと言う事なんでありますね。
でも、スキー場通いが始まれば週に400キロ位走っちまうんでまた伸びますけれどもね。
我が家近くのガソリンは、レギュラー110円で、ハイオク120円と言うのが最安値・・・昨年同期と比べたら35円くらい安いんで、一度の満タンで1000円以上違ってきます・・・とても嬉しい。

本日の外気温は車載の温度計で8度でありました・・・日差しの無い曇天であります。
しかし、今時の温度としては決して低くは無い訳でして、ジムで身体がほてっている帰り道、車の窓も開けて走って気持ち良し、でありました。
スキー場に雪が無くなっちまいまして、今週金曜日のオープンは雪無し行事になるんでありましょうか?
木曜日に寒波が来るらしいんですけれども・・・私の財布も空っぽなんでカンパが欲しい所であります。

ジムのそばにパソコン教室など有ってその前を通って来るんですけれども・・・平日の真っ昼間と言うと、生徒はシルバー世代が多い訳です・・・と、言うよりもそれしかいない、であります。
で、思うんですけれども・・・パソコンのナニを教わるんダベ、と。
リタイヤして公的な社会との交わりが薄くなる一方の年寄りが今更エクセルだのワードだのって、要らネェべゃ、とか思うんですけれども・・・年賀状作りとかなら何も教室に通わなくても・・・まっ、ナニかを覚える事よりもそこへ顔を出すのが楽しいとか、サウ言う楽しみ方も有りますからね・・・喜び方は様々、と。

ネパールから戻って2週間・・・旅に出たいと思う今日この頃。
重たそうな曇り空を見上げて、フゥ~っ、であります。

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