11月24日 火曜日の午後 ポカラにて
ビレタンティから2000Rsでタクシーの相乗りをしてポカラの街のレイクサイドに着いた。
降りた途端に「あれぇ~ここは何処だ?」でありました。
いや、二年前に二泊三日を過ごしただけの街でありますからそんなに詳しくも無い訳であります。
なのでその時滞在したホテルを起点にすれば何となく判るのでありますが、降ろされた所は見覚えが有るような無いような・・・やっぱし無さそうだな、と。
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閑散としたポカラの街
Rajuが数日前に良い宿を見つけてあると言っていたのだがポカラの街についてみると宿へ向う様子も無くきょろきょろしていた。
ありゃぁ~これはあてにはならないな、と思い、目の前のホテルが並ぶ路地へと入って行った。
少し歩くと、とても汚そうな宿と少しきれいそうな宿とさてもきれいそうなホテルがあった。
きれいそうなホテルは向かい合って二軒有ったのだが、日当りの良さそうな方を選んで部屋を当たった。
まっ、どうせ一泊だけの宿なので吟味しても仕様が無いのだが、外国人の殆どそうするように自分も部屋を見せてもらい料金交渉をして1000Rsで決めた。
角部屋で日当りの良い所を確保したのだがシャワーを浴びている間に隣のホテルの若者が煩いことに気がついた。
隣のビルと言ってもジャッキーチェンなら飛び移れそうな近さなので煩いのはご免だった。
どうも隣が煩そうだからシャワーを使ってしまったが部屋を替えてくれと言うと一番遠い部屋にしてくれた。
しかし、日当りが無くなってしまった。
暖房の無いネパールの宿では日当りは大切な条件なのだ。
今日はポカラで明日はカトマンズへ戻るとなると手持ちの冬用トレッキングパンツでは暑過ぎた。
元々ポカラで夏物のトレッキングパンツを買うつもりだったので一人で買いに出た。
街にはたくさんの登山用品店が有りカトマンズ同様に偽ブランド品を売っていた。
数軒冷やかしてノースフェイスの偽物を1000Rsで買ってその場で履き替えた。
解放された感じがして心地良かった。
ポカラの街は閑散としていて観光客は本当に少なかった。
例年12月ともなるとトレッキングシーズンは終わりで観光客は減るのだが、それにしても少な過ぎた。
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なんか賑やかなので行ってみた
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ひらひらのスカートはこれ以上は上がらないのだ
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イケメンのカメラマン 彼の方が絵になると思うが
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接近して撮っていたら暗幕で隠れてしまった
レイクサイドの商店街を歩いていたら人だかりがしていたので行ってみた。
するとスライダーまで使って撮影をしていた。
黄色いワンピースの女性がリボンを持って踊り、その周りに意味不明のキャラの人が動いていた・・・何の撮影だろう?CMかな? と、思いつつ、カメラマンを見ると、おぉフォトジェニックなのは貴方ですよ、と、撮っていたら、それが嫌だったのか暗幕を被って隠れてしまった。
少し腹が減って一杯やりたくなったので洒落た感じのカフェに入った。
どう見てもコーヒーショップなのだが試しにビールを頼んだら買って来て出してくれた。
ネパール餃子のモモとフレンチフライでビールをやりながら今回のトレッキングの余韻に浸ろうとしてみた。
しかし、三度目のネパールと言うことや今回は厳しいクライミングをしなかったせいか、感傷的な気分や感慨に耽る気持ちにはならなかった。
閑散としつつも異国情緒のあるレイクサイドの通りを眺め、あと数日で12月だが、日本では雪は降っただろうか、と、スキーのことなど考えていた。
一昨年はポカラの街でカレンダーや民芸品の小物など結構な土産物を買ったのだが、それらの全てがカトマンズでもっと安く売っていることを知ったので何も買わなかった。
いい気分で宿に戻った。
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設計はイギリスで製造はインドのエンフィールド
宿へ戻る途中で磨き込まれたエンフィールドを見掛けた。
インドで買えば30万円もしないバイクらしいがネパールでは高価なバイクだった。
バーチカルツインに日本で言うキャプトンマフラー・・・涎が出るほど欲しいけれども、熱にも寒さにも弱い面倒なバイクなのだ。
宿へ戻ると明日のバスのチケットを買いに行くのだと、Rajuが自分を捜していた。
宿のレストランの窓ガラスにはトレッキングの手配やら飛行機やバスチケットの手配などが書かれていたので、ここで良いんじゃないかと言って尋ねてみた。
すると、やはりここで買えるのだった。
おいおいRaju君、しっかりしてくれよ、バスターミナルにチケットカウンターは無いよ、と。
通常500Rsのバスチケットは900Rsになっていたが非常事態なので仕方が無い。
Rajuを連れて日本食レストラン「富士山」に行った。
一昨年足繁く通って少し顔なじみになったウェイターの彼が居たのだが、二年も経てば忘れるのも道理、すっかり忘れていた。
Rajuはヒンドゥー教徒で鶏とヤギの肉以外は食べないと思っていたのでラーメンを食ったら良いと勧めたのだが、いや、自分と同じもので良いと言うのでトンカツ定食にした。
すると、これは美味いとビックリ仰天しつつ、ビールに合うなと言いながらクビグビと飲んでいた。
流石に味噌汁はダメだろうと様子を伺っていたら、それも難なく飲んでしまったので感想を聞くと、デリーシャスだと言った。
Rajuとは16日間の契約で前金を支払っていたが22日間に伸びた6日分の日当を支払わなければならなかった。
そして、彼の最大の関心事項のボーナスと言うかチップと言うのか、それも支払うべき時だった。
ポーターのボーナスは2ドルが相場と言われるので22日を掛けると44ドルだ。
日当6日×12ドル=72ドル・・・〆て116ドルだが、150ドルを渡した。
Rajuは満足そうな顔をして受け取り「カトマンズへ戻ったら是非俺の家に遊びに来てくれ、歓迎するから」と言った。
そうかぁ・・・Raju家かぁ~、山奥らしいからミニトレッキングと山間部のホームスティは悪く無いと思い、折角のご招待だから遠慮なく行かせてもらうよ、と返事をした。
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朝のツーリストバスターミナル
翌朝7時にバスターミナルに行った。
バスの発車は8時なのだが、どう言う訳かネパール人は早く行ってバスの中で待つのが好きな様子だった。
前売りのチケットを買うどのバスもシートナンバーが決まっているのだから発車時刻の少し前で良いじゃ無いかと思うのだが、ネパール流は早く行って待つのだ。
結局バスは定刻の8時に出発し、途中何カ所かトイレ休憩と昼食休憩を取り、午後の2時半にカトマンズに着いた。
またHANA HOTELに戻り、今度は一泊900Rsで泊まれたのだが、250円値切ったからか部屋のランクが落ちていた。
まっ、熱いシャワーが有ってきれいなシーツのベッドが有れば部屋などはどうでも良いのだが。
夜は久しぶりに桃太郎でビールを飲みカツ丼と餃子を食べた。
醤油の味が脳味噌に沁みた。
9時頃就寝。