ブログ仙岩

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ゲンが松江市小中で閲覧制限に思う

2013-08-17 11:17:44 | 日記
広島での被爆体験を描いた、故中沢啓治さんの「はだしのゲン」が、昨年12月から松江市内小中学校の図書館で閲覧できないという。

市教委は旧日本軍がアジアの人々の首を切り落としたり、銃剣術の的にしたりの残虐な描写が自由に見られる状態は不適切ということで、校長会は閉架図書にする指示をしたという。

確かに、ゲンは中沢さんの体験記であり、母の話をもとにしたり自分で耳にしたことが含まれている。約20ヶ国語に翻訳されベストセラーとなっている。

夏休みこども体験で、興味しんしんでお化け屋敷に入って泣いて出て来る姿もあるから、閲覧禁止もやむおえないと思うが、一方で、困難に負けず強く生き、悲惨な原爆戦争の本質を見抜く力も備わっていることも考慮してのことであろうか。学校という公共施設での閲覧禁止に対して、真実の地獄絵から少し遠ざけ読者が怖がらないように配慮した中沢さんは生きていればさぞ嘆くであろう。