ブログ仙岩

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アランの幸福論を合田正人が解説する

2013-08-27 07:35:41 | 日記
私の好きなプロポ「人を幸せにする富はそこからさらに計画や仕事を必要とするもの、ついに手に入れて自分のものにするまで、農夫にとっては欲しくてたまらず、最後の最後になってようやく手に入る田畑のようなものである。私たちが享受するのは、停滞している力ではなく、活力の力なのだ」

合田はアラン(本命エミール)のプロポを「話とか提案」の意味というが、私はアランが新聞記事へコラム投稿していたことからその延長での短文による提案と解釈する。また、アランのプロポは健康な体によって心の平静を得て礼節を保ちながら上機嫌に振る舞うことの表現から健康人と思われるが、確かに頑健な体でも、リュウマチや大戦で負傷した足で跛行、脳卒中で車いす生活から必ずしも恵まれた体ではなかった。

1928年に出版した幸福論は「哲学を文学に、文学を哲学に」変えようとする独特の文体で、アラン自身「海が私の教育者だ」という。しかし、海だけでなく、山河に生息する動植物を含めた自然が教師であった。
それで、宗教からの幸福論のヒルティや外部に目を向ける幸福論のラッセルよりも、アランの方が私の性に合う。