福沢諭吉心訓は偽作であるという？

福沢諭吉心訓では　「世の中で一番～なことは」
1.立派なことは　一生を貫く仕事をもつこと　2.みじめなことは　人間として教養のないこと
3.さびしいことは　する仕事のないこと　　4.醜いことは　他人の生活をうらやむこと
5.尊いことは　人の為に奉仕し決して恩にきせないこと　　6.美しいことは　すべての物に愛情を持つこと
7.悲しいことは　うそをつくこと

これは諭吉の時代の文章とは違う現代文であり、諭吉の創始した慶応義塾にもそれらしき文献はないという。また、清水義範氏はきっぱりと偽作と言っている。

「天ハ人ノ上ニ人ヲ造ラズ人ノ下ニ人ヲ造らず」で始まる学問のすすめは1872年初編が刊行、1876年17編完結、1880年一冊の本になった。

その中には、万人は生まれながら貴賤上下の差別なく・・・人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり・・・天は富貴を人に与えず、これをその人の働きに与うるものなり・・・
しかるを支那人などごとく、わが国よりほかに国なきごとく、外国の人を見ればひとくちに夷狄夷狄と唱え、四足にてあるく畜類のようにこれを賤しめこれを嫌い・・・外国人を追い払わんとし・・・と7つの内容が網羅されている。偽作としても心訓の内容が「学問のすすめ」に含まれていることは確かである。