ブログ仙岩

各紙のコラムや報道番組、読書の感想、カメラ自然探索など。

本当の教育とは大人の背中の話を聞いて

2014-07-03 08:03:47 | 日記
サタデイーエッセイ「大人の背中の話」哲学者鷲田清一氏のトークを聞いた。

あるお葬式で、お坊さんの読経が始まるや母親と一緒に居た3才の子が、そのお経に唱和し出し、すらすら出て来てお坊さんより先を読むようになり、周りの人がくすくす笑い出したもので、居た堪れない母親は子を連れて退席したという。

自分のことを振り向きもしないで夢中になっている母に疑問を感じた3才の子は母の机を覗き見ると、ジャバラの本を見つけ、これなーにと祖母に聞くので、祖母が説明してお経のCDを聞かせたら、一人でCDを操作して1ヶ月で丸暗記してしまったという。お経終わって何かブツブツと最後の解説まで暗記していたと。

教育は育てる、教えるという動詞で考えるのでなく、昔のように傍で働く親や大人の姿が見える環境を整えてやることである。門前の小僧習わぬお経を読むで、大人の背中を見て育つ空間を与えてやることである。

通勤で親の職場も見えない子が目にするものは、買い物や家でくつろぐ親の姿で背中を見ていない。子は親の背中を見て勝手に育っていくのが本当の教育であると。