8/29(土) 今朝の郵便で或る写真が届いた。
送り主は、長く田舎の高校の在京同窓会の世話人を務めてくれた乾さん。
先月、高知県人会の集まりがあり、その席で乾さんから「古い写真の整理に困っている」との相談を受けた。在京同窓会の世話人になっている関係で、私がお預りすることとした。今回で写真が送られてきたのが三度目となる。
今朝届いた写真を改めると、私と三歳年下の従兄弟が一緒に写っている同窓会でのスナップ写真があった。
従兄弟の名前は、「章」と云う。この時の彼は、二十代の後半。私は三十代になったばかりの頃か。
右が『章』
少しピントが外れているところが好い。
章は、この写真の十年後、突然倒れて不帰の客となった。
章と私の家は隣同士、父親が兄弟。男兄弟がいない私達は、兄弟のようにして育って来た。子供の頃、イタズラ小僧でよく叱られていた章だったが、すばしこくって魚捕りが上手な、気の好い男だった。
彼が、大学に入学する時、四年生だった私は私鉄沿線の剣道部の合宿所まで送って行った。休みの時、よく私の下宿まで遊びにきたが、稽古の辛さ、弱音を吐いたことはなかった。
卒業後、或る生命保険会社に入り、中堅どころとなりこれからと云う時、妻と三人の幼子を残して逝ってしまった。彼が倒れたという突然の連絡電話、暫くして救急病院に電話して安否を聞いたときの「駄目です」いう病院の応え。
丁度、昭和から平成へと変わる頃。弱い、朝の陽が差していたオフィスのデスクでの電話のやり取り。あの時の情景は、私の脳裡に刻みこまれて消えることがない。
すっかり忘れていたが、こんな写真があったんだ。乾さんに写真が届いた連絡と併せた御礼を書く、誰も居ない夕暮れの事務所。
来月は田舎に行く。あの岡の中腹から川を見下ろしている彼の墓に参ろう。