遅れて出だしたサンシュユの樹液に、ここでは今年初めて見るクロカナブンが1頭きていました。クロカナブンは、ふつう、カナブンより遅れて盛夏から晩夏にかけて出現します。
《サンシュユの樹液を舐めるクロカナブン 2018/08/23》
《サンシュユの樹液を舐めるクロカナブン 2018/08/23》
遅れて出だしたサンシュユの樹液に、ここでは今年初めて見るクロカナブンが1頭きていました。クロカナブンは、ふつう、カナブンより遅れて盛夏から晩夏にかけて出現します。
《サンシュユの樹液を舐めるクロカナブン 2018/08/23》
《サンシュユの樹液を舐めるクロカナブン 2018/08/23》
最近になってやっと出てきたサンシュユの樹液に、シラホシハナムグリやクロカナブンに混じって、アカタテハがやってきていました。不思議なことに、昨年はそれこそ山ほど来ていたカブトムシの姿が、今年はまったく見られません。
チョウの仲間で樹液にやってくるのは、タテハチョウ科とジャノメチョウ科が主です。なかでもスミナガシ、コムラサキ、ゴマダラチョウ、オオムラサキ、ヒメジャノメなどはほとんど花蜜を吸わないのに対し、キタテハ、ルリタテハ、アカタテハ、クロヒカゲ、キマダラヒカゲなどは花と樹液の両方にやってきます(『原色日本昆虫生態図鑑Ⅲチョウ編』参照)。
《サンシュユの樹液を吸うアカタテハ 2018/08/23》
《サンシュユの樹液を吸うアカタテハ 2018/08/23》
この公園にくるといつも立ち寄る歩道脇のコナラの大木は、2~3年前までさかんに樹液を出していましたが、最近は樹液の出が悪く集まってくる虫も少なくなってきています。この日、樹液の出が悪くなった幹の洞に頭をつっこんで一心に樹液を舐めていたのは1頭のチャイロスズメバチでした。
チャイロスズメバチは頭胸部が赤褐色のほか体全体が黒褐色なので、その他のスズメバチの仲間との区別は簡単です。このスズメバチはキイロスズメバチやモンスズメバチの巣を乗っ取る習性をもつことで知られる社会寄生性のスズメバチです。
チャイロスズメバチは少し前まで富山県内でも稀な種といわれていましたが、最近では普通に見かけるようになってきたように思います。
《コナラの樹液を舐めるチャイロスズメバチ 2018/08/19》
《コナラの樹液を舐めるチャイロスズメバチ 2018/08/19》
《コナラの樹液を舐めるチャイロスズメバチ 2018/08/19》
《コナラの樹液を舐めるチャイロスズメバチ 2018/08/19》
何かの気配がするので見上げると、トチノキの横枝に黒い影が動いていました。ノコギリクワガタの♂です。今年この公園で見かけるのは初めてでした。
《トチノキの横枝を歩くノコギリクワガタ♂ 2018/08/18》
《ノコギリクワガタ♂ 2018/08/18》
この公園では、マムシに出会うことが多いような気がします。なので、草むらなどに立ち入るときは、必ず長靴を履くようにしています。
今回マムシを見かけたのは側溝の中。こちらの気配を感じて、尾を小刻みに震わせて威嚇していました。まるでガラガラヘビのようでした。尾を震わせる威嚇はどのヘビでも行い、とりわけマムシはよく尾を震わせて威嚇するとの情報もありますが、こういう行動を見たのはこれが初めてでした。安全な場所から撮影していますが、それでも威圧を感じ、あまり近づけませんでした。
《側溝の中のマムシ 2018/08/19》
《尾を小刻みに震わせて威嚇するマムシ 2018/08/19》
犬の散歩の帰りに、昨日アブラゼミの交尾を見かけた神社に再度立ち寄りました。たくさんのアブラゼミの鳴き声がするサクラの幹などを数分探して、念願の自然状態で交尾しているアブラゼミのペアを見つけました。あっけないくらいでした。その気になって探せば、交尾しているアブラゼミを探すのは案外簡単なのかも知れません。
今度は、ニイニイゼミやツクツクボウシなどの交尾を見つけたいと思います。
《サクラの枝で交尾しているアブラゼミ 2018/08/19》
人の気配に驚いたのか、神社境内のモミの幹から、交尾中のアブラゼミが落ちてきました。子供のころからムシには興味がありましたが、セミの交尾を見るのはこれで二度目、しかも偶然交尾姿勢のまま地上に落ちてきたものを見ただけです。
《止まっていたモミの幹から落ちてきた交尾中のアブラゼミ 2018/08/18》
《止まっていたモミの幹から落ちてきた交尾中のアブラゼミ 2018/08/18》
コブシの幹に、キアシナガバチが営巣していました。市街地で普通に見られるセグロアシナガバチとよく似ていますが、前伸腹節背面に縦筋が一対あり(セグロは全体黒色)、体全体が黄色っぽい感じがします。
よく目立つところにあるので、営巣終了まで見届けたいと思います。
《コブシの幹に作られたキアシナガバチの巣 2018/07/16》
《コブシの幹に作られたキアシナガバチの巣 2018/07/16》
《コブシの幹に作られたキアシナガバチの巣 2018/08/07》
《コブシの幹に作られたキアシナガバチの巣 2018/08/13》
エノキの小枝に、コガタスズメバチ(働きバチ)が死んでいました。今年は酷暑ですが、その所為ではなく、〈巣作り〉〈餌取り〉〈子育て〉などの役割を終え寿命で死んだもののようです。
スズメバチは、女王バチ(♀)を除き、働きバチ(♀)と雄バチ(♂)はその年のうちに死んでしまいますが、それぞれの寿命はよくわかっていないようです。働きバチの寿命は案外短く、2週間から1ヶ月ほどで死んでしまうと書かれたウェブサイトもあります。
《エノキの枝で死んでいたコガタスズメバチ 2018/08/13》
《コガタスズメバチの頭部(頭楯下側の突起が3個です) 2018/08/13》
寺家公園ではナナフシをよく見かけます。この日も、駐車場そばのモミジの幹に、ナナフシモドキがとまっていました。ナナフシの仲間には似た種類がいくつかいますが、ナナフシモドキは翅や体のトゲがなく、触角が短い(前脚腿節の半分ほどの長さ)のが特徴です。自折によるのか、左前脚と左中脚がありません。
同じ場所で、昨年、脚に特徴的な縞模様のあるナナフシモドキの幼虫を見ています。
ちなみに富山県で記録されているナナフシの仲間は、ナナフシモドキ、エダナナフシ属の一種、ヤスマツトビナナフシ、シラキトビナナフシ、タイワントビナナフシの5種です(『富山県産無翅昆虫類および直翅系昆虫類ー富山県の昆虫シリーズ第2号』)。
《モミジの幹に止まっていたナナフシモドキ(自折によるのか左前脚と左中脚がない) 2018/08/05》
《モミジの幹に止まっていたナナフシモドキ(触角が前脚腿節の長さより短い) 2018/08/05》
《サクラの幹に止まっていたナナフシモドキの幼虫(足に縞模様がある) 2017/05/05》
朝から降ったり止んだりしていた雨があがったようなので、散歩にでかけました。熱意がない所為なのか、今年はブログで紹介できる生きものにほとんど出会えません。
いつも立ち寄るエノキの実生株の下枝の葉表で、やっとゴマダラチョウの終齢幼虫(?)を見つけました。
ゴマダラチョウの幼虫は「葉上に薄く糸を吐いて台座をつくり、その上で生活…摂食は夕刻より夜半にかけて行うことが多く…終齢幼虫は直射日光のあまり当たらない下枝を好む傾向」(『原色日本昆虫生態図鑑Ⅲチョウ編』)があります。
《エノキ下枝の葉表に静止しているゴマダラチョウの終齢幼虫? 2018/08/13》
《エノキ下枝の葉表に静止しているゴマダラチョウの終齢幼虫? 2018/08/13》
8月も半ば、日中は暑いのですが朝夕は少しずつ過ごしやすくなり、コオロギの鳴き声が聞こえるようになってきました。季節は確実に移ろっていっています。
足元の草むらから、交尾したベニシジミのペアが飛び出し、近くのキョウチクトウの葉にとまりました。
ベニシジミの雌雄の区別は、「♂の前翅外縁は直線状で翅頂はとがり、♀は大型で翅形はまる味を帯びる」(『原色日本蝶類図鑑』)ことでできるようです。私にはこの写真を見て翅形から♂♀を区別しにくいのですが、右の方が大きいので♀かなと思います。
チョウが交尾しながら飛ぶときに、[♂が飛ぶ]か、[♀が飛ぶ]かは種によって一定しているとされ、ベニシジミは「A-4特定の型をもたないもの」(♂が飛ぶときも、♀が飛ぶときもある)とされています(『原色日本昆虫生態図鑑チョウ編』参考)。この写真の場合、♀の後翅が♂の外側に重なっているので、♀が飛んでいたのではないかと思います。
《交尾しているベニシジミ 2018/08/07》
《交尾しているベニシジミ 2018/08/07》
桜ケ池公園の近くに出かける機会があったので、少しの時間、汗をかきながらキャンプ場の周辺を歩きました。
猛暑のせいか期待していた虫は見つかりませんでしたが、道路の側溝に2㎝ほどの大きさのゴミムシの死体がありました。オオゴミムシかなと思いますが、自信はありません。
《側溝の中で死んでいたオオゴミムシ? 2018/08/04》
《側溝の中で死んでいたオオゴミムシ? 2018/08/04》
カツラの葉陰に黄色いものが見えたので近づいてよく見ると、キボシアシナガバチの巣でした。キボシアシナガバチの営巣後期の巣は、「全体が黄褐色をしているうえ、繭のふたも大型で鮮黄色をしており、ほかのアシナガバチの巣とすぐ区別でき」(『蜂の生態と蜂毒及びその予防、治療対策』)ます。
《カツラの葉陰で営巣するキボシアシナガバチ 2018/08/07》
《カツラの葉陰で営巣するキボシアシナガバチ 2018/08/07》
《カツラの葉陰で営巣するキボシアシナガバチ 2018/08/07》
昨年(2017年)末以来投稿してこなかったこのブログを、再開しようと思います。
今年の夏は、梅雨明けが早かっただけでなく、異常に気温が高く、7月の平均気温は史上最高(富山で28.1℃)を記録しています。この影響は植物や動物にも及んでいるようで、見かける昆虫が心なしか少ないように思います。
昨年はカブトムシやスズメバチ、カナブンなどがたくさん集まってきていた樹をのぞきに行きましたが、樹液はほとんど出ていません。足元から羽音がするのでよく見ると、キイロスズメバチが切り離したカブトムシの脚の肉をかみ切って丸めていました。この肉団子は、幼虫に与えるため巣に運んでいくものです。カブトムシはまだ脚を動かしており、ちょっと前にカラスなどに食べられたのかもしれません。
《カブトムシの脚の肉を団子に丸めるキイロスズメバチ 2018/08/02》
《カブトムシの脚の肉を団子に丸めるキイロスズメバチ 2018/08/02》