ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

観光立国へ、個人でも貢献できること ― 路上のゴミ拾い

2016-04-08 17:35:54 | 世相
 希望とは “よりよい状態を期待して、その実現を願うこと”(新明解国語辞典)

 今回書く内容は、希望というより、あるいは夢の類かもしれません。前々回の「老いた今こそ希望に挑戦」の続編のつもりで読んでいただきたいと思います。こちらの方が実は本音です。

 昨今の日本は、想定以上の外国からの観光客で、いよいよ観光立国だと沸き立っています。観光キャンペーンは日本人独特の “おもてなし” です。オリンピックを招致できたのもこの “おもてなし” のキャンペーンが好評を博したからだと浮かれています。確かに “おもてなし” も日本の素晴らしい長所に違いありませんが、同じぐらい外国人に受けていることもあるようなのです。

 大規模災害時でも黙々としかも整然としてとる人々の行動、渋谷のスクランブル交差点で見せる整然として澱みない人々の流れ、そしてゴミの少ないきれいな街中など、これらは外国人が信じられないと驚く日本の光景です。いわば普段着姿の日本への讃辞だと思っています。このように外国人が驚愕し称讃する日本のイメージというのは、つまるところ秩序を重んじる人々の住む国ということのようです。これらの光景から受けた強烈な印象が彼らの中にイメージとして定着しつつあるのだと思います。

 日本人は秩序が大好きな国民性です。生真面目で意外性に乏しい、おもしろみに欠けるとも見られそうですが、世界に誇るべき長所だと考えています。我々日本人にとって、秩序をほどよく保つことは何ら特別に構えることではなく、普段通りに振る舞えばよいだけの話のはずです。“秩序を重んじる人々の住む国”、このイメージが壊れることなく外国人観光客に持ち続けてもらいたい、これは日本人なら誰もが願うことではないでしょうか?

 人は生きている限り、お金を使うこととゴミを出すことが付きものです。大勢の人が行き交うところ、集まるところには間違いなくゴミも散らかっているものです。アルピニストの野口 健氏によれば、あのエベレストでさえもゴミだらけ、富士山だって登ってみると文字通りゴミの山だそうです。

 国内の繁華街はまだマシな方かもしれませんが、そのすぐそばの歓楽街のゴミの散らかり様ときたら半端ではありません。幹線道路を見れば、沿線の道端や道路脇にはペットボトルやアルミ缶、弁当の空箱、タバコの空き箱・吸い殻、菓子袋などお決まりのゴミが大量に散乱しています。住宅街にしても住民の意識次第で様々です。普段気付かないふりをしているだけで、まともに目を向ければ目を覆いたくなるようなひどい惨状があちこちに見られます。大勢の外国人観光客が集まる所にも間違いなくゴミが散らかっていることでしょう。

 “もったいない” も立派な日本的精神です。こんな無残な光景を目の当たりにしたら、まさしく “もったいない” ですよね? こんな状態を無策のまま放置していては観光立国が泣きます。笑止千万です。秩序が念頭にあるのなら、観光立国の鍵を握るのは、案外 “ゴミの少ないきれいな街中” の維持ではないかと私は考えています。特に、マナーがよく素質が高いリピーターを増やすには一番の策ではないかとさえ考えています。

 “類は友を呼ぶ” といいます。清潔が保たれているところには、マナーを弁えた人々が集まりますし、治安もよくなります。逆にゴミの散らかったいかがわしいところには、いかがわしさを求める人々が集まるものです。人の嫌がることをするのが好きという手合いもいるそうですが、論外です。

 辛口の随筆家として知られた山本夏彦氏はかつて、日本人は内(うち)、つまり家の中に対する意識と家の外に向ける意識とでは、まるっきり対応が変わってしまうという趣旨の話を書いていました。家の中はきちんと片付けられてお行儀もよいのですが、家の外へ一歩出た途端、どんなぞんざいなことでも平気でやらかしてしまう気質のことです。

 平気で道にポイ捨てする人でも、客人を迎えるときの家の中はきれいに片付けていると思います。誰もが心掛ける “おもてなし” の基本中の基本で、どこの家庭でもやっている暮らしの流儀だからです。・・・であれば、日本の国土全体を内と見做すように意識を変えさえすればいいのでは? 「内の中をきれいにしよう!」これで “ゴミの少ないきれいな街中” を維持する課題の解決策になりそうです。普段、家でやっている暮らしの流儀をそのまま国の内まで拡げればよいだけの話です。

 手始めとして何から手を付けるべきでしょう? 官の方には観光インフラの整備とせいぜいキャンペーンを張ってもらうぐらいが関の山と思います。「日本の伝統美 ゴミの少ないきれいな街でおもてなし!」とでもキャンペーンを打ってもらい、少しでも国民の意識改革に役立てば良しとしましょう。官に頼むよりも、まず我々住民がそれぞれ身近な所からボランティア(奉仕)精神で手を付けるべきだと思います。地味で手間がかかる地道な活動は住民の奉仕を通じてしか得られないと思うのです。

 秘策はレジ袋や水漏れ防止用の小ポリ袋の活用にあると思います。どちらもスーパーなどでは原則タダでもらえるもので、畳めばガサばりません。これらをゴミ入れ用として、いつもポケットやハンドバックに持ち歩くだけでいいのです。ゴミを見かけたら、どこでも拾えるようにしておくのです。私は外出する度に小レジ袋か2~3枚の小ポリ袋をポケットに入れて持ち歩いています。片道30分の行程で、およそ小ポリ袋1枚分ぐらいのゴミが拾えます。これを駅のゴミ箱に引き取ってもらっています。道を行き交う人々が私の奉仕活動を見て温かく声をかけてくれるようにもなりました。

 最近の人々は便利なことに馴れすぎたせいなのか、ゴミはゴミ箱へという意識が希薄になっています。無神経なポイ捨ての横行などはその現れだと考えています。ポイ捨ては伝染します。さらなるポイ捨てを呼びます。落ちているゴミに釣られてマネする人が出て来ます。こんなことを外国人観光客へ簡単に伝染させてはいけません。そのためにも、道にポイ捨てするような不埒なマネを許しておくわけにはいかないのです。

 最初は気恥ずかしく恰好が悪いと思うかもしれません。本当は尻拭いをさせている人の方が恰好悪いのです。まず、一人々々が奉仕の精神を発揮し、人前でゴミ拾いの範を示すことです。ゴミを拾う人の前でポイ捨てをする人はいません。できる範囲内で奉仕活動を実践しさえすれば、まわりの人々を感化し、進んでゴミ拾いに加わってくれる人も出て来るはずです。活動の輪は必ず拡がります。

 外国人観光客は客人です。観光目的の客人にゴミで散らかった日本の内を晒し、失望させてはいけません。ゴミが散らかっていない、きれいな普段着の日本にお客様をお迎えし、さすがと称讃してもらおうではありませんか。これこそ心のこもった “おもてなし” です。私はこれも実現可能な夢=希望だと思っています。

 私が期待しているのは同年輩の高齢の方々です。完全退職後の、無聊を託っている方々です。何もすることがなければ、“廃用性老化症” にまっしぐらとなりかねません。ゴミは道に毎日出ます。だから毎日でもやることがあります。「人々の見ている前で黙々とやる」、これがコツです。これで周りに知ってもらえます。遥かに生き甲斐があり、元気な人生を請け合いますよ。

 たかが一年ぐらいの経験のくせに偉そうなことを・・・とお思いでしょう。まあ、ムキになればなるほど人は引くもの、・・・ということも弁えているつもりなので、これぐらいで終わりにします。

 ご参考のため、私の “路上のゴミ拾い” 七つ道具を再びご紹介しておきます。コトを始める際は、その日どこまでやったら切り上げるのか、予め決めておくことをお勧めします。

  ● 軍手
  ● 火バサミ
  ● レジ袋(可燃ゴミ用、不燃ゴミ用各2枚以上:大・中の方が
    便利)
  ● スーパーの商品水漏れ防止用小ポリ袋(犬の落し物用3~4枚)
  ○ 大き目の袋(予備品持ち歩き用)
  ○ 黄色のウィンドブレーカー(交通事故防止用)
  ○ 麦わら帽子


以下の記事もご参照ください。
老いた今こそ希望に挑戦
自分で始末をつけられる生き方
 

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