ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

アル中の哀しきクセ

2017-05-30 05:53:02 | 病状
 お決まりのコースでほぼ毎日ゴミ拾いをしていると、結構顔見知りが多くなります。その日、バス通りの歩道のベンチに座っていた人もそんな一人です。ワンカップを手に真っ昼間から飲んでいました。

 このところほぼ毎日そのベンチ下に、決まってワンカップの空きビンが2個、隠すように放置されているのを見ていました。明らかにアル中のやる行動パターンで、引き籠もりになる末期にあと一歩の状態なのだろうと考えていました。その日もベンチの足元に、いつものワンカップの空きビンが見えました。常習者が誰なのかやっとわかりました。

 「やぁ、あなたでしたか」と声を掛け、足元の空きビンを拾ってやりました。
「手に持っている空きビンも、何なら私が始末しましょうか?」と言ってみたのです。
「いや、いいです。これは自分でやりますよ」とハッキリした声で応えた顔からは、明かにやつれが見て取れました。
「それじゃよろしくお願いしますよ!」と言って、私はその場から離れました。
恐らく空きビンは、始末されることなく、そのままほったらかしにされるのだろうと思ってしまいました。

 1年ほど前から時々見かけていた人です。同じコースの途中に公園があり、その入り口のベンチに腰掛けて、よく一人でスマホと睨めっこしていました。

 顔の肌つやからすると50歳ぐらいの年格好でしょうか。杖をついていたので身体障害者なのでしょう。いつも買物途中で一休みしていたようでした。全体の仕草から見て、脳梗塞後の機能障害のようにも思われました。もちろん当時は、昼間から酒など飲んでいませんでした。

 しばらく顔を見ていなかったので、入院でもしていたのでしょうか。退院後に生活リズムを崩し、時間を持て余して酒が手放せなくなったのなら辻褄が合います。

 その翌日、再びベンチ前を通りかかったら、予想通りワンカップの空きビン1個が放置されたままでした。アル中がつく嘘は自衛のための方便です。ワンカップの空きビン放置が一体いつまで続くのか、そう長くは続かないだろうと思っています。

 実は、このバス通りの界隈にもう一人アル中の常習者がいます。それを知ったのは、バス停脇のツツジの植え込みの中に偶然光るものを見つけ、それがウイスキーの空きビンだったことがキッカケでした。

 ウイスキーの空きビンを見つけた後は、植え込みの中を毎回注意して見るようになりました。すると毎回のように、全く同じウイスキーの空きビンが見つかったのです。最初の頃は小ビンでしたが、すぐに本数が増え、間もなくビンの大きさも標準大になりました。

 周りが何を言っても、飲み始めたらどうにも止まらないのがアル中です。近くにコンビニがあるので入手先に困ることはありません。恐らく深夜のバス停のベンチで、ウイスキーを1本飲み干しては、その都度、空きビンを近くの植え込みに隠していたようなのです。

 空きビンの見つかる期間には波がありました。1年ほど前は、1ヵ月ぐらい空きビンがしょっちゅう見つかっては、その後、空きビンのない日々が大体3ヵ月ぐらい続いていました。ところが近頃は、空きビンのある日はせいぜい1週間も続かなくなっています。その後3ヵ月ぐらいの間、全く見なくなるのは以前と同じです。これでどうやら入退院を繰り返しているらしいとわかりました。

 そのウイスキーの空き瓶も、最近はとんと見かけなくなっています。ひょっとしてもう亡くなったのかもしれません。今回の常習者のケースも、その内きっとワンカップの空きビンを見なくて済むようになるでしょう。嬉しいやら哀しいやら、何とも遣り切れない気持ちなのですが・・・。



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