今回のテーマは “段落” です。文章の読みやすさの決め手は、一に “文が短いこと”、二に “まとまりのある段落” と言われています。まぁ、その大前提に文才の有無の問題があるのですが、ここでは敢えて触れないことにします。
題材とした事例は「継続断酒3年 心の軌跡(飲まない生き方のモットー その4)」(2016.11.18投稿)から取り上げました。この記事は “思考プロセス障害” を自覚し始めた経緯を述べたものです。
アルコール急性離脱後症候群(PAWS)は、断酒後3ヵ月ほど経ってから気づかされる遅発性の障害です。PAWSにはなかなか自覚しにくい多彩な障害がありますが、中でも思考プロセス障害は普通に会話している分にはまず気づけない障害です。
思考プロセス障害を一言で言えば、頭を整理して考えをまとめようとすると却って混乱してしまうことでしょうか。自助会のミーティングなどでまとまった話をしようとして、初めて気づかされる人が多いと思います。元々人前で話すのが苦手の人なら「またか?!」と思うのが関の山、大して異常とは考えないハズです。この点、意図した言葉がなかなか思い出せない想起障害の方が、同根の障害でもショックが直接的なだけまだ自覚しやすいようです。
私の場合は、ブログに投稿した過去記事を読み返して初めて気づかされました。言葉の使い方がメチャクチャだったからです。そしてこのことがキッカケで、まとまったものを書こうとすると即文案が飛び交って頭が混乱しがちなことに思い当たり、この障害に気づかされた次第です。
事例としてはチョット長すぎの感がありますが、テーマに免じてどうかご勘弁ください。
***************************************************
【事例55】
「・・・気づかされた話のことです。その頃はちょうど、周りの人から顔つきが落ち着いて来たと言われ、自分でもずいぶん回復が進んだものと思えていた時期でもありました。
口にしようとしても言葉がなかなか思い付かない想起障害は、相当以前から気になっていた問題でした。それにもかかわらず回復したと思えていたことに、却って他にもまだ未知の障害があるのではと気に掛って仕方ありませんでした。
否応なしに想起障害を強く自覚させられたのは、自分史『アルコール依存症へ辿った道筋』の連載が終盤に差し掛かっていた頃のことです。同時期には思考プロセス障害も強く自覚させられました。テーマが自分史から離れ、なお投稿し続けようとするならば、いよいよ近い過去の事例から題材を採る必要に迫られていました。自分史以外についても時々ブログに投稿し始めていましたが、遠い過去を題材とした自分史と違って、表現に手こずる場合が多いと気になっていました。的確な言葉や表現がなかなか思い浮かばないからです。
そんな時に知ったのが遅発性の離脱症状・・・」
↓
「・・・気づかされた話のことです。
このエピソードがあった頃は、意図した言葉がなかなか思い出せない想起障害に随分苦しめられていましたし、依然として記憶障害にも悩まされていました。それにもかかわらず、周りの人から顔つきが落ち着いて来たと言われ、自分でも随分回復が進んだものと思えていた時期でもありました。このことが却って、他にも未知の障害があるのでは(?)と気になって仕方ありませんでした。
想起障害に加え思考プロセス障害を否応なしに自覚させられたのは、自分史『アルコール依存症へ辿った道筋』の連載が終盤に差し掛かっていた頃のことです。テーマが自分史から離れてもなお投稿し続けようとするならば、いよいよ直近にあった事柄から題材を採る必要に迫られていました。そのため、自分史以外のテーマについても時々ブログに投稿することにしました。
ところが、遠い過去を題材とした自分史と違って直近の事柄を題材にすると、表現に手こずる場合が多いことに気づかされました。想起障害により的確な言葉や表現がなかなか出て来ないばかりか、言葉の使い方一般でもよく混乱していたのです。
そんな時に知ったのが遅発性の離脱症状・・・」
事例に取り上げた文章は、三つの流れ(内容)から思考プロセス障害に気づかされた経緯を述べようとした部分です。その流れ(内容)とは、次の三つのことです。
ひとつ目は、記憶障害・想起障害と回復した気分とが共存していた時期に未知の障害(=思考プロセス障害)の懸念もあったということ。二つ目は、思考プロセス障害を自覚するに至ったキッカケ。三つ目は、新たに自覚した障害とはどういうものだったか、です。
ひとつの断落には一つの内容だけに留めておく、これが段落の大原則です。ご覧のように、事例の各段落には複数の内容が混在し、しかもその内容が複数の段落に跨がっていて読み手の集中力興味を削ぐ文章になっています。ですから、本来あるべき段落の分け方に編集し直してみました。
なお、言葉の重複など不自然な表現の部分には下線を付して置きました。特に三番目の下線部は、肝腎の思考プロセス障害を示唆する事実が抜け落ちていた部分です。これらについても適切に手直ししたつもりです。
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【急性離脱後症候群(PAWS)】
症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。
○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
理解できない)
○ 情動障害(情動の揺れ)
○ 記憶障害(短期記憶の障害)
○ 睡眠障害
○ 身体的協働性に問題
○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
(アルコール依存症専門クリニック教育資料より)
その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。私の経験から言えば、 “思考プロセス障害” は次の3点に言い換えできるでしょうか。
● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと
さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。
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題材とした事例は「継続断酒3年 心の軌跡(飲まない生き方のモットー その4)」(2016.11.18投稿)から取り上げました。この記事は “思考プロセス障害” を自覚し始めた経緯を述べたものです。
アルコール急性離脱後症候群(PAWS)は、断酒後3ヵ月ほど経ってから気づかされる遅発性の障害です。PAWSにはなかなか自覚しにくい多彩な障害がありますが、中でも思考プロセス障害は普通に会話している分にはまず気づけない障害です。
思考プロセス障害を一言で言えば、頭を整理して考えをまとめようとすると却って混乱してしまうことでしょうか。自助会のミーティングなどでまとまった話をしようとして、初めて気づかされる人が多いと思います。元々人前で話すのが苦手の人なら「またか?!」と思うのが関の山、大して異常とは考えないハズです。この点、意図した言葉がなかなか思い出せない想起障害の方が、同根の障害でもショックが直接的なだけまだ自覚しやすいようです。
私の場合は、ブログに投稿した過去記事を読み返して初めて気づかされました。言葉の使い方がメチャクチャだったからです。そしてこのことがキッカケで、まとまったものを書こうとすると即文案が飛び交って頭が混乱しがちなことに思い当たり、この障害に気づかされた次第です。
事例としてはチョット長すぎの感がありますが、テーマに免じてどうかご勘弁ください。
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【事例55】
「・・・気づかされた話のことです。その頃はちょうど、周りの人から顔つきが落ち着いて来たと言われ、自分でもずいぶん回復が進んだものと思えていた時期でもありました。
口にしようとしても言葉がなかなか思い付かない想起障害は、相当以前から気になっていた問題でした。それにもかかわらず回復したと思えていたことに、却って他にもまだ未知の障害があるのではと気に掛って仕方ありませんでした。
否応なしに想起障害を強く自覚させられたのは、自分史『アルコール依存症へ辿った道筋』の連載が終盤に差し掛かっていた頃のことです。同時期には思考プロセス障害も強く自覚させられました。テーマが自分史から離れ、なお投稿し続けようとするならば、いよいよ近い過去の事例から題材を採る必要に迫られていました。自分史以外についても時々ブログに投稿し始めていましたが、遠い過去を題材とした自分史と違って、表現に手こずる場合が多いと気になっていました。的確な言葉や表現がなかなか思い浮かばないからです。
そんな時に知ったのが遅発性の離脱症状・・・」
↓
「・・・気づかされた話のことです。
このエピソードがあった頃は、意図した言葉がなかなか思い出せない想起障害に随分苦しめられていましたし、依然として記憶障害にも悩まされていました。それにもかかわらず、周りの人から顔つきが落ち着いて来たと言われ、自分でも随分回復が進んだものと思えていた時期でもありました。このことが却って、他にも未知の障害があるのでは(?)と気になって仕方ありませんでした。
想起障害に加え思考プロセス障害を否応なしに自覚させられたのは、自分史『アルコール依存症へ辿った道筋』の連載が終盤に差し掛かっていた頃のことです。テーマが自分史から離れてもなお投稿し続けようとするならば、いよいよ直近にあった事柄から題材を採る必要に迫られていました。そのため、自分史以外のテーマについても時々ブログに投稿することにしました。
ところが、遠い過去を題材とした自分史と違って直近の事柄を題材にすると、表現に手こずる場合が多いことに気づかされました。想起障害により的確な言葉や表現がなかなか出て来ないばかりか、言葉の使い方一般でもよく混乱していたのです。
そんな時に知ったのが遅発性の離脱症状・・・」
事例に取り上げた文章は、三つの流れ(内容)から思考プロセス障害に気づかされた経緯を述べようとした部分です。その流れ(内容)とは、次の三つのことです。
ひとつ目は、記憶障害・想起障害と回復した気分とが共存していた時期に未知の障害(=思考プロセス障害)の懸念もあったということ。二つ目は、思考プロセス障害を自覚するに至ったキッカケ。三つ目は、新たに自覚した障害とはどういうものだったか、です。
ひとつの断落には一つの内容だけに留めておく、これが段落の大原則です。ご覧のように、事例の各段落には複数の内容が混在し、しかもその内容が複数の段落に跨がっていて読み手の
なお、言葉の重複など不自然な表現の部分には下線を付して置きました。特に三番目の下線部は、肝腎の思考プロセス障害を示唆する事実が抜け落ちていた部分です。これらについても適切に手直ししたつもりです。
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【急性離脱後症候群(PAWS)】
症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。
○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を
理解できない)
○ 情動障害(情動の揺れ)
○ 記憶障害(短期記憶の障害)
○ 睡眠障害
○ 身体的協働性に問題
○ ストレス感受性に変化(おそらく認知障害“認知のゆがみ”の意味:筆者追記)
(アルコール依存症専門クリニック教育資料より)
その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。私の経験から言えば、 “思考プロセス障害” は次の3点に言い換えできるでしょうか。
● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと
さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。
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