歩行リハビリ改め散歩の途中で、いつも立寄る小さな公園でのこと。
ここで顔見知りになった人の中に、アクの強そうな雰囲気を漂わせる男性が1人います。
私と同年配らしいのですが、目の据わった顔つきといい、ときおり見せる仕草といい、くせ毛の髪型までにも、そのスジの者特有の威圧感があるのです。
その男性、いつも私より先に公園にいて、ストレッチを色々やっているのですが、今まで話を交したことはなかったのです。
ところで、この公園もご多分に漏れず、決まって吸い殻がポイ捨てされている場所があります。
その場所とは、私がいつも股関節ストレッチをしている植え込みの土台の縁。タバコの銘柄も複数だったので犯人は1人ではなさそうです。 が、ポイ捨て行為を直に目撃したことはありません。
先日、いつものように公園に立寄ってみたら、例のごとく件の男性が先にいてタバコを吸っていました。私は離れたベンチに座りました。
吸い終わった “彼” は、吸い殻を例の植え込みにポイ捨てした上、何と唾まで吐き掛けたのです。それを目の前で見ていながら、私は何も言わずに黙ったままでした
そのうち “彼” は、高さ90 cmの平行棒の上に片足を軽々上げ、屈伸して股関節ストレッチを始めました。上げた片脚の膝小僧に額がぴったり着くほど柔らかい身体でした。
そこへ1人の通行人が通りかかり、立ち止まって “彼” をじっと見ていたのですが、
「オラッ、何を見てんだ、エーッ?!」と、大声で “彼” に凄まれてしまい、そそくさと立ち去ってしまいました。
そのとき、なぜか私は咄嗟に “彼” に声をかけていました。
「随分、身体がやわらかいですね!」と、さもタイミングを見計らったかのようにです。
「少しずつ続けていたら、こうなったんです。
こう見えて私ね、(干支を)一回りした年男なんですよ!」と “彼”。
私が返答に窮していたら、「丑年の72歳!」と、たたみ掛けてきました。
「(意外にワルではないのかも?)」そう思った私は、ストレッチ談義をさらに仕掛けてみました。“彼” の方も、それからは打ち解けたようで話が進みました。
頃合いを見計らって私は、いつものように例の植え込みの所で股関節ストレッチをし、ついでを装って件の吸い殻も拾いました。その吸い殻は、いつも見ていた銘柄そのものでした。
それを見ていた “彼”、
「あっ、すみません。ありがとうございます!」と笑顔で返し、さらに公園を去るときも、
「失礼します」とちゃんと挨拶してくれました。
タバコのポイ捨ても、これで一件落着かと思ったのですが、さにあらず。翌日も、件の銘柄の吸い殻が1本、例の場所にちゃっかり捨ててありました。
決めつけはよくないですが、“彼” は見かけ通りの人なのかもしれません。
口では反省したように装っても、人の見てないところでは相変わらずという人もいます。またまた私は甘チャンだったのでしょうか?
やはり人は、傍の思い通りにはならないのです。変えられるのはその人自身だけ、しかも、行動から変えるのが一番簡単!
これが私の持論。益々、意を強くしました。
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