歩行リハビリの途中で一休みしようと、道端の植え込みブロックに腰を掛けていたときのこと。唐突に、私に声を掛けてきた人がいました。
「えっ、こんな遠くまでゴミ拾いに?! よくお見かけしてますよ!」
声の主を見れば、リュックを背にした同年配の夫婦連れ。グループでハイキング中らしく、二人で殿(しんがり)を務めていました。場所は幹線道路の市境、自宅から直線距離で3 kmほど離れたところです。
「いや、ゴミ拾いは今休止中です。・・・
リハビリのため、ウォーキングをしているだけで・・・」と私。
「あっ休止中、そうですか?!」と言い残して、彼らは去っていきました。
見知らぬ人に声を掛けられ、先ずビックリした私でしたが、余りに素っ気ない反応に嬉しさ半分、期待外れ半分と言ったところでしょうか。
どうやら彼らは、ゴミ拾い休止中と聞けただけで満足したようで、リハビリなんてどうでもよかったのです。これには肩すかしを喰らった思いでした。
それにしても、なぜ彼らが私に声かけを? そのきっかけは恐らく、私の着ていたウィンドブレーカーだろうと思います。
このウィンドブレーカー、実はシルバー人材センターのユニフォームです。今は退会してますが、かつて会員登録したとき、入会金と引き替えに(?)支給されたものです。
ご存じのように、派手な黄色がやけに目立つウィンドブレーカーで、選挙運動でもよく見かけるヤツです。これなら交通事故防止に打って付けと思い、ゴミ拾いのときはよく着用していました。
派手々々ですから、ゴミ拾い中の私を見かけた人は、むしろこの黄色の方が強く印象に残っていたのだと思います。
この間も、買物帰りにレジ袋をぶら下げて歩いていたらこんなことがありました。
「よっ、シルバーの(ユニフォーム)を着ていると、
さも仕事しているように見えて、いいよねぇ~!」と、同じマンションの住人から皮肉タップリに冷やかされました。
かくも絶大な威光のある黄色いウィンドブレーカー。お陰様で、“ゴミ拾いのヒゲジイ” は、忘れられることもなく、のうのうとしていられるのです。
断酒後、丸5年間も続けてきたゴミ拾いですが、昨年の新型コロナ感染拡大による非常事態宣言やゴミ収集パイプライン故障による長期運転休止、さらには腰の手術もあって、已む無く休止としています。
事態は、今まさに新型コロナ第4波の真っ只中。お隣の大阪では感染者数が1000人超 / 日となり、1回目、2回目の非常事態宣言のときより遙かに悪化しています。
幸い、術後の腰の状態は順調ですが、感染の危険のあるポイ捨てゴミにはまだまだ迂闊に手出しできません。“3密” 厳守の意識はあるものの危機感が格段に薄れているからです。
せめて、黄色いウィンドブレーカーの威光を穢さないようにとは思っていますが、ゴミ拾い再開には時期尚早のようです。
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