人生、何が幸いするかわかったものではない。食道がんが消えてなくなったと聞いて、こんなことをつらつら考えています。
“がん” なら手術が第一のはずなのに、食道がんになっても手術不能だった理由は、常用しているバイアスピリンを休薬できなかったからです。
バイアスピリンは血栓を防止する薬。手術で長期間休薬でもしたら冠動脈に血栓ができかねず、心筋梗塞を起こしていつ即死しても不思議でなかったからです。
そもそも論から言えば、事の発端は若い頃にアルコールに溺れたからだと考えています。
30代末から40代前半の頃、仕事の辛さをアルコールで紛らわそうと毎日飲酒していました。そのため、いつの間にか高血圧、糖尿病、脂質異常症の3つが揃った生活習慣病となり、その転帰が不安定狭心症だったのです。件のバイアスピリンは、ステント留置後の再発防止のためでした。
それともう一つ、そもそも食道がんはアル中に好発する “がん” と聞いています。もし、アル中になるほど酒に溺れてさえいなければ、食道がんになることもなかっただろうと思えるのです。
ところで私は、手術が不能となってがん化学療法でいくとなったとき、食道がんからの回復は多分望めないだろうと悲観的に考えていました。
それでいながらこんな手前味噌なことも考えていました。
地獄のような術後のリハビリがなくてむしろよかったし、がんの末期になったらがん性疼痛を精々緩和してくれたらそれで十分。こんなふうに秘かに覚悟を決めてさえもいたのです。
確かに、がん化学療法の副作用は辛くて苦しいものでした。それでも術後リハビリのQOLの低さに比べたら、まだ副作用の方がマシではないか、まだまだそう考えられるゆとりがありました。
“人間万事塞翁が馬” 人の心はご都合主義で移ろいやすいものです。
がん消失の喜びを嚙み締めながら、その一方で、自分の考えのいい加減さに苦笑いせざるを得ない私がいます。
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