ゴミ拾いの出で立ちで国道2号線の歩道を歩いていたときのこと。
「あの~、ちょっと話を聞いてもらえませんか?」
通りすがりの老女にこう呼び止められました。
見れば髪はボサボサ、前歯が1本しかない婆さんでした。着ているものもヨレヨレで、リュックを背負い、衣類で一杯に膨らんだレジ袋を両手に持っていました。その姿は、ホームレス(?)と思えたほどでした。
たとえホームレスでも頼りにされたら応えてあげるのが人の道、立ち止まって話を聞いてあげることにしました。
老女が語ったのは、ざっと次のような話でした。
* * * * *
スーパーで買物したらお釣りが500円足りないことに気がついた。レジが客で混んでいたので邪魔しちゃ悪いと思い、後で確認することにしてその場を離れた。
昼ご飯を済ませてからレシートを持って再びレジに確認しに行った。精算したときに応対してくれたレジ係はいなかったが、隣のレジ係はそのまま居残っていた。
仕方なく隣のレジ係にレシートを見せて釣り銭不足を訴えたが、真面目に取り合ってくれなかった。レジ係の交替は不自然だったし、店の不誠実な対応には到底納得できなかった。
* * * * *
鼻の頭に汗の粒を浮かべながら老女は懸命に話していました。明かに、レジ係が釣り銭をちょろまかしたのではと疑っているようでした。そして、私にこう言って判断を求めてきました。
「私はどうしたらいいんですか? 警察に行ったらいい、それとも(スーパーの)本社に掛け合ったらいいんですか?」
店側にレシートを提示したという話を聞いて、この老女は認知症が相当進んでいるのでは(?)と思ってしまいました。単に置き忘れた物を、誰かに盗まれたと勘違いする症状によく似ていると思ったのです。
「今は、計算もお釣りもレジの機械が自動的にやってくれて、レジ係は機械の出すお金をそのままお客に渡すだけです。
仮に機械に不具合があったら、他の客からもクレームがつくはず。そんなわけで、恐らく、警察も本社も取り合ってくれないと思いますよ。」
そして、私はこう付け加えました。
「どうやら私がしてあげられることは他になさそうなので、もう行きますよ!」
老女と別れてしばらくして、彼女の本当の狙いは私に500円を恵んで貰うことだったのでは(?)と疑ってしまいました。特殊詐欺が横行する今の時代、人の良さそうな老人相手ならこんな新しい手口もあり得るのです。
身なりで人を判断してはいけないのですが、認知症と決めつけてみたり、新手の物乞いと疑ってみたり、こんなふうに考えをコロコロ変える自分に思わず苦笑いしてしまいました。
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たとえホームレスでも頼りにされたら応えてあげるのが人の道、立ち止まって話を聞いてあげることにしました。
老女が語ったのは、ざっと次のような話でした。
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スーパーで買物したらお釣りが500円足りないことに気がついた。レジが客で混んでいたので邪魔しちゃ悪いと思い、後で確認することにしてその場を離れた。
昼ご飯を済ませてからレシートを持って再びレジに確認しに行った。精算したときに応対してくれたレジ係はいなかったが、隣のレジ係はそのまま居残っていた。
仕方なく隣のレジ係にレシートを見せて釣り銭不足を訴えたが、真面目に取り合ってくれなかった。レジ係の交替は不自然だったし、店の不誠実な対応には到底納得できなかった。
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鼻の頭に汗の粒を浮かべながら老女は懸命に話していました。明かに、レジ係が釣り銭をちょろまかしたのではと疑っているようでした。そして、私にこう言って判断を求めてきました。
「私はどうしたらいいんですか? 警察に行ったらいい、それとも(スーパーの)本社に掛け合ったらいいんですか?」
店側にレシートを提示したという話を聞いて、この老女は認知症が相当進んでいるのでは(?)と思ってしまいました。単に置き忘れた物を、誰かに盗まれたと勘違いする症状によく似ていると思ったのです。
「今は、計算もお釣りもレジの機械が自動的にやってくれて、レジ係は機械の出すお金をそのままお客に渡すだけです。
仮に機械に不具合があったら、他の客からもクレームがつくはず。そんなわけで、恐らく、警察も本社も取り合ってくれないと思いますよ。」
そして、私はこう付け加えました。
「どうやら私がしてあげられることは他になさそうなので、もう行きますよ!」
老女と別れてしばらくして、彼女の本当の狙いは私に500円を恵んで貰うことだったのでは(?)と疑ってしまいました。特殊詐欺が横行する今の時代、人の良さそうな老人相手ならこんな新しい手口もあり得るのです。
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